「オ゙ォア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!!」
ドンッ!!っという音を響かせて雄叫びと共に衝撃波が真正面の空間を下から上に切り裂く。
先程放っていた物よりも更に太く威力の増した衝撃波によって射線上にいた兵士達は全身を、または半身を文字通り消し飛ばされる。
「は??」
これが誰が漏らした言葉なのかは分からない。しかし、あまりにも理解が出来ない状況だった。さっきまでこの化け物はピクリとも動かなくなっていたではないか?それなのになぜまた動けるようになったのか?兵士達の間に困惑の色が浮かぶ。
ドウゥゥ!!!と再び横薙ぎに放たれる衝撃波、それらは”ウォーデン”に対して正面に展開していた困惑している兵士達を薙ぎ払い始めた。
兵士「あっぶねえ!!」
上半身を文字通り消失する兵士達を横目にヘッドスライディングすることで直撃を防いだとある兵士。何度も何度も同じ攻撃パターンから姿勢を低くすることで生き延びてきた。
兵士「良かった。なんとかなっ…おぁごっぉえ!!」
姿勢を低くして頭上を薙ぎ払う衝撃波を躱したものの、頭上へ降りかかる衝撃波から逃げられず圧力で圧死してしまった。衝撃波がより強く太くなった影響で周りにも強い影響力を与えてしまい、もはや今までの回避方法でも死亡してしまう。
ダイバー4「なんだ…何なんだこの化け物は…」
ダイバー3「隊長!!…更に強くなってませんかこいつ!!」
ダイバー1「…ッ!!!」
ダイバーズは先に行動を起こし、”ウォーデン”の後ろに回り込んでいた為に被害を受ける事は無かった。しかし、2射…いや、薙ぎ払いの1射で包囲していた部隊の半数が死亡してしまった。
彼らが見たのは上半身が無くなった死体、上から降り注いだ圧力によって出来た血の染み達、強者が放つ圧倒的な力に弱者は無力だった。
ダイバー1「私が悪かったのか…!?」
恐らくあの怪物には何かしらの抑制…リミッターが掛けられていたのかもしれない。それを壊してしまった…パンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。
自分が指示したことにより大勢の命が失われてしまった事に深い後悔と絶望が刻み込まれ…。
ダイバー2「ダイバー1!!惚けてる場合ではないぞ!!!」
副隊長が隊長に喝を入れる。そうだ、打ちのめされている場合では無い。いかなる犠牲を払おうとも今ここにいる怪物を倒さねば悪夢は終わらないのだ。
ダイバー1「戦車による攻撃でしかこいつはもう倒せない…奴を縫い留め続けなければ、すまないが命を懸けてくれるか?」
ダイバーズ「「「「了解!」」」」
ダイバー1「散開するぞ!挟み込んで攻撃!!」
この号令によって全員が左右に分かれて挟撃を行う。
体を銃弾で撫でられ、鬱陶しくなった”ウォーデン”はミシミシと体を軋ませながら射撃を行っているダイバーズに狙いを定めて一気に突進、近くにいたダイバー7に突進する。
ダイバー7「!?」
その目の前に広がるは”ウォーデン”の鉄鎚のような右拳。
ダイバー7「あ、げふっ!!」
正面から大質量の攻撃を喰らい、頑丈なはずの防弾ベストの隙間から血が噴き出す。”ウォーデン”の突進はこれだけでは止まらない。そのままダイバー7を拳に収めながら後ろの隊員も巻き込む。
ダイバー15「うぐぅっ!」
ダイバー5「あぎぇっ」
突進そのまま、三人のダイバーズを拳で押し込み後ろの遺跡の壁に叩きこむ。出来上がったのは三人の遺体が重なり、ぺしゃんこになった赤いサンドウィッチ。