yuta(辰年ver)
kemofure_suki
2023/11/10 (金) 23:46:26
【第八話】
🏍💨ドルドルドルドルドル
コヨーテたちは集落を離れ、スカーレットヘビ達から話を聞いた別の集落へオートバイを走らせていた。
天気は快晴、風は少し冷たいがオートバイで走るにはちょうど良い気候だ。
ジョフは心地よい風をタンデムシートの上で感じながら、これから起こる様々な事態について
あれこれ思考をめぐらせていた。
ゴオゴオと鳴るオートバイの風切り音の中で会話するために、ジョフはコヨーテの耳に顔を近づけて
大声で話しかけた。
「コヨちゃん、フルル以外のけもv達は どこにいるでちかねー!?」
「コヨはわからない・・・。拠点の場所を知ってるシマハイさんとダイアちゃんは ここにくるまでに探しに行ったけど、二人ともいなかったね!」
ジョフは明確にネガティブな情報を聞いて少しもやもやとしたナーバスな気持ちが湧き上がってきたが
もう陰鬱な気持ちに押しつぶされまいと 気持ちを振り払って笑った。
「きっと今頃、どこかで二人でアニソンでも歌っているんでち!ジョフたちも合流してデュエットするでちな~!」
無理して笑うジョフの少しひきつったような笑顔をちらと見て、コヨーテも
気を使ったように笑みをこぼす。
「oh,アニソン!イイネ!コヨも歌いたい!」
通報 ...
慣れないオートバイの二人乗り、走行風に少し当たり疲れたジョフロイネコは
しばらく黙って 流れていく風景を見る時間が続いた。
疲れからか少し頭がぼーっとしてきたので、運転者のコヨーテに少し体重をあずけ
寄りかかるように座る位置を前にずらす。
(話に聞いた集落まで、どのくらいかかるんでちかね・・・。少し腹も減ってきたでち。)
これまであったこと、これからのこと 色々なことを考えながら
ジョフはふとバックミラーに目をやると、バックミラーの中に黒い点がいくつか写っているのが見えた。
(・・・?なんだろ・・・。ミラーにゴミでもくっついてるでちかね・・・)
最初は目の錯覚かと思い気にしていなかったが、しばらくしてもう一度目をやると
今度は明確に黒い点の正体が見て取れた。
「こ、これは・・・!セルリアンでち!コヨちゃん、後ろからセルリアンが追いかけてくるでちよ!!」
「what the fxxk!!!」
突然のジョフの叫び声ににコヨーテも驚いて少し車体をふらつかせる。
コヨーテも目視で後方に目をやると、奇妙な一輪のタイヤのようなセルリアンが
3体ほど猛スピードでこちらに突っ込んでくるのが見えた。
「だんだん追いついてくる・・・!もっとスピードは出ないんでちか!?」
「OK!ジョフちゃん、しっかりつかまって!」
コヨーテはギアをシフトダウンし、一気にエンジンの回転数をあげた。
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