yuta(辰年ver)
kemofure_suki
2023/11/21 (火) 23:18:05
【第十五話】
そのパークガイドはコヨーテの呼びかけに少しは反応を示したもののまだどこか上の空だ
焦点の定まらないパークガイドの目をしっかりと見つめるコヨーテ
「パークガイドさん、あなたの身に何が起きたのか コヨ達に聞かせてください。」
少しの間沈黙が流れる・・・
そのパークガイドは少し目を潤ませながら口を開いた
パークガイド・キノ「・・・何が起きたって、私にだって何が何だかさっぱり!だって、私はまだ入社して1か月の見習いパークガイドなのよ。」
「なりたてホヤホヤのガイドさんでち。」
パークガイド・キノ「あの日私は自室でガイドの仕事の勉強をしてたわ。夜中になって、携帯電話が鳴ったの。セルリアンが沢山現れたから、一時パークの外に避難する警報が出ているって。」
「ジョフの時とおなじでちな。」
パークガイド・キノ「話には聞いてたわ。セルリアンっていう、危険な存在がいるってこと。でも、資料で見ただけで実物を見たことはなかった。私は、仲の良いフレンズ達がどうしてるか心配になって、車で迎えに行ったの。脱出するなら、あの子たちも一緒に・・・って思って」
通報 ...
「それで、どうなった?」
パークガイド・キノ「私は仲のいい3人のフレンズを連れて、先輩に言われた飛行機乗り場まで行ったわ。でも、先輩に『アニマルガールはパークの外に連れてはいけない』って言われたの。私は先輩と口論になったわ この子たちをここに置いたまま私たちだけ逃げるなんて、そんなのあんまりだと思ったから・・・」
その言葉から、彼女が優しい人であろうことは推測できたがパークガイドとしては
アニマルガールの目線から見てもまだまだ未熟と見える
まるで台風の日に海の様子を見に行く人のように迂闊な行動に
ジョフは頭をぽりぽりと掻いて、キノに横やりを入れた
「そもそも、アニマルガールをパークの外へは連れ出すことは基本できないんでちよ。ジョフたちは時折人の国へ遊びに行くことがあったけど、あれは特別な道具と許可がいるんでち。」
パークガイド・キノ「そ、そうなの・・・?知らなかった。私、まだまだ全然勉強不足だわ・・・」
一瞬微妙な空気が流れたが、コヨーテは空気を読んですかさずフォローを入れた
「サンドスターのことは、色々むずかしい。コヨたちにもスタッフさんたちにも、たくさんわかってないことあるね。それで、その続きは?」
パークガイド・キノ「先輩と押し問答しているうち、土の中からたくさんのセルリアンが這い出してきたわ。私たちはいつのまにか囲まれていた。大きなゴキブリみたいなセルリアンと、その中に人型の、ロボットというか 甲冑みたいな姿をしたセルリアンがいたわ。」
「・・・人型のセルリアン・・・」