【第十三話】
セルリアンとの闘いで負傷をし、深手を負い気を失ったコヨーテ。
コヨーテは目が覚めると、どこか知らない建造物の中に横たわっていた。
「
目覚めたばかりでぼやける目を擦り、異様に静まり返った暗い建造物の中を見渡す。
巨大な恐竜の骨格標本、割れたガラスケースには色々な化石が並び
壁に貼られたポスターは今にも剥がれ落ちそうだ。
「あっ・・・目が覚めたんだね。ここは荒野ちほーの自然史博物館なんだってさ。」
「woah!?だ、誰?」
さっきは気が付かなかったが、すぐ近くに知らないフレンズがいた。
「私、ダルマインコっていうの。この自然史博物館には、逃げ遅れた子や戦う力のない子たちが集まっているんだ。」
薄暗い構内の中を目をよく凝らすと、ところどころに確かにアニマルガールがいる。
数人で固まって話をしているもの 地面に横たわっているもの 座ってうなだれているもの
ざっと見える範囲で10人くらいはいるだろうか。
コヨーテはとりあえず立ち上がって、足をひきずりながらも構内を少し歩いてみた。
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「あっ!コヨちゃん!もう立ち上がって大丈夫なんでちか!?」
「うん・・・なんとかDJB。ウサコとシマリスちゃんは?」
「二人は外を徘徊してるセルリアンを追い払いに行ってるでち。ジョフはお留守番でち。」
どうやらジョフはここに残って、ケガした子の手当や食べ物を配ったりするのを
手伝っていたらしい。
「この建物は頑丈な防火扉っていうのに覆われているから安全なんだって。ラッキービーストがじゃぱまんも運んできてくれるし。」
ラッキービーストのおかげでフレンズ達のライフラインの確保はできているようだ。
しかし明かりは無く薄暗いためどこか陰鬱な空気と
そしてなにかこう、食べ物が腐ったような すえたニオイが漂っていて
あまり衛生的にも精神的にもいい環境とは感じられない。
コヨーテも少し気が滅入りつつも、もう少し部屋を見渡していると
部屋の隅に毛布にくるまって座り込む一人の人影が目に入った。
「あの人・・・フレンズじゃない。・・・ニンゲンだよね?」
その声に反応してジョフもそちらをのぞき込んでみる
「・・・本当だ。気づかなかったでち。あの服って・・・もしかしてパークガイドさん!?」