意味ありげな『締め切られた部屋』にはドアノブも取っ手も付いてない。
ツチノコ
「どうやって開けるんだ? コレ…」
アドミー
「そのボックスを開けて」
扉の横に10cm×15cmほどの銀色の箱状のものがあり、蓋を開ける。
アドミー
「まずは、指紋認証で登録されている人物かを確認するヨ。
その手形に合わせて手を置いて・・・」
ツチノコ
「されてるわけねぇだろ? コイツが。
こないだ生まれたばっかで、ココにも初めて来たのに」
アドミー
「定められた事務手続きだからネ」
ツチノコ
「あ~ そういうのメンドくせぇ~」
アドミー
(くく… 新規者は本来、ボクorラッキービーストを通して登録するのが先決・・・
かばん
「こうですか?」
アドミー
(どうです? あの無知な者は。
手袋も外さずに手を置こうとしていますぞ?
失敗して、アクセス拒否を食らうがいいですぞ・・・)
ピ、ピ・・・ピ!
アドミー
(随分と時間が掛かってますな・・・ ❗❓
PAST 否認
CURRENT 否認
FUTURE 認可
ビー!
警告音が鳴る。
かばん
「やっぱりダメかぁ…」
アドミー
(登録者名:ミライ(正パークガイド)との遺伝子一致確率・・・
外見は検索画像と まったく一致しないのに、ですか?
一体どういうトリックを・・・
ハッ! もしや、あの手袋に細工が…?)
アドミー
「手袋を外して もう1度やってm…?」
ツチノコ
「あぁ?
オレたちフレンズにとって衣服は毛・皮と一緒だぞ?」
かばん
「え…? ツチノコs…」
ツチノコは、黙ってろとばかりに目配せすると、
「手袋なんか外してみろ。 生爪剥がされるのと同じ痛みを・・・」
アドミー
(わぁぁ… 想像するだけでイタイですぞ)
ツチノコ
「それに『垓』とやらはFUTURE(?)が『認可』を出してるじゃねぇか!」
いつの間にか、ツチノコはパソコンを操作し、モニターに判定結果を表示させている
アドミー
「許認可は多数決だからネ。
非登録者のため、このままではアクセスは認可できないヨ」
かばん
「そうですか・・・」
アドミー
(ツチノコ・・・ かばんとは違う意味で侮りがたいフレンズのようですな。
100%でない以上、本人ではないとPASTとCURRENTは判断したのでしょうが、
なぜFUTURE認可を・・・?)
かばん
「じゃあ、どうすればいいですか?」
アドミー
「仕方ないネ。 ボクが新規登録を受け付けるヨ。
君の名前を教えテ?」
かばん
「かばん、です」
アドミー
「か・ば・ん・・・」
かばん関連の書き込みは、すべてLB-000によるものですな。
<日付> <出来事>
****** じゃんぐるちほーにて再起動、来園者…として「かばん」を登録
****** ガイド開始
・・ ・・・ ・・・
・・ ・・・ ・・・
****** 3人での旅、たーのしー!
・・ ・・・ ・・・
・・ ・・・ ・・・
****** 暫定パークガイドに認定、権限を付与
****** かばんの覚悟に満ちた目、ボクも覚悟を決める
・・ ・・・ ・・・
・・ ・・・ ・・・
****** サーかばが目の前で「例のやりとり」
ボクもフレンズになれば自由に喋れる?
・・ ・・・ ・・・
・・ ・・・ ・・・
****** かばんがゴコクに旅立つ。 でもサーバルが・・・
キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!
・・ ・・・ ・・・
・・ ・・・ ・・・
アドミー
(・・・
なんですか、コレは…
途中から公私混同も
『ヒトの作りしルールは絶対』な筈なのに、明らかに肩入れし過ぎではないですかな?)
アドミー
「登録完了。
念のために訊いておくけど、
キミはフレンズであることを捨てて、正パークガイドになると言うんだネ?」
ツチノコ
「・・・」
かばん
「はい」
かばんの決意は揺るがなかった。
アドミー
「かばんを正パークガイドに認定。 権限を付与。
システムレベルBへのアクセスを許可する」
アドミー
(ここはボクが しっかり監視して、厳格に運用させますぞ)
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