サーバルちゃんやフレンズの皆さんの協力で、海に出たものの、
ラッキーさんの電池切れ、そしてマイルカさんと出会った後すぐに嵐に遭ってしまった僕たちは
ゴコクエリアへの渡航中止を決断。
皆に協力してもらってキョウシュウエリアに引き返すしかありませんでした。
おめおめ返ってきた僕を、責めるフレンズさんは誰もいなかったし、むしろ温かく迎えてくれました。
でも、その時の僕は、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
そして「皆のために一層、何か役に立たなければ」という焦りにも似た不安が、僕の中で膨らんでいました。
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僕は、一度さばんなちほーに寄ってサーバルちゃんを送り届けると、
「島からは決して出ないから」という約束をして、単身 パークのいろんなお手伝いをしました。
ジャガーさん、コツメさん、ビーバーさん、プレーリーさんたちと
アンイン橋をバスでも通れるように架け直したり、
ツチノコさんの遺跡調査を手伝ったり、ハンターチームの訓練も受けたりもしました。
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でも、気を抜くと「こんな僕が皆の役に立ててるのだろうか?」という気持ちがふと
その不安は いつまで経っても消えることはありませんでした。
思い余った僕は、カバさんに相談してみました。
カバさんは「一度サーバルに会ってみるといいですわ」と言ってくれました。
本当は「どうすれば不安な気持ちが消えるか」を教えて欲しかったのですが…
サーバルちゃんに会うのは久しぶりでした。
「自立できた、という自信が持てるまで会わないでおこう」と思ったからです。
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あの草原に着くと、サーバルちゃんは独りで紙飛行機を飛ばしていました。
あまり上手に折れなかったのか、すぐに落ちてしまう紙飛行機を。
何度も。 何度も…
僕は思わず駆け寄ってサーバルちゃんを抱きしめていました。
「ごめんね、サーバルちゃん。 ごめんね…」
僕はバカみたいに謝ることしか出来ませんでした
サーバルちゃんは一瞬だけ驚いた顔をして… そして笑うと、
「おかえりなさい、かばんちゃん」
それだけ言うと抱き返してくれました。
「ただいま…」
それから2人で紙飛行機を折ったり飛ばしたりしました。
暗くなるまで...
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