今までのお話>> 1337
火山の山道を進むグリフォンとライオン… 二人の眼前に先ほど助けたキマイラがバッと飛び出して立ちはだかる
キマイラ「おい、アタシを無視して行くんじゃねえ!!さっきの続きだニャン公!!」
グリフォン「ハァー、面倒くさいやつだな…」
ライオン「ええ~、また~?あんまり時間に余裕がないんだけどなぁ~」
ライオンはハァ~とひとつため息をつき目を閉じると、キリッとした目つきでキマイラを睨み返す
キマイラ「ヘヘッ、そうこなくっちゃあな…!そんじゃあ早速行くぜ!おりゃあああーーー!!」
ライオンに突進してくるキマイラは最初こそ勢いがよかったが、だんだん足元がヨロヨロとブレ出しつまづいて転んでしまう
キマイラ「あ、あれっ??クソッ、今のは無しだ!もう一度行くぜ!うおおおおーーー!!」
立ち上がって向き直り、もう一度威勢のいい声を上げるも今度は膝から崩れ落ちてしまう
キマイラ「どうなってやがるんだ!?こんなハズねぇのに!!もう一回、もう一回だ!」
グリフォン「こりゃ時間の無駄だな…」
ライオン「フラフラだねぇ~ 消耗しすぎなんじゃないかな~」
グリフォン「NEO体化するとな… 力は上がるが消耗が早くなるんだ」
ライオンは突っ伏したキマイラに歩み寄って手を貸そうとするが、キマイラはそれを跳ね除ける
キマイラ「ハアハア…うるせえ!アタシに触るんじゃねえ!」
ライオンはハァ~、とまたひとつため息をつくと胸元からゴソゴソとじゃぱりまんを取り出してキマイラに差し出した
キマイラ「…?ああ?なんだそりゃあ?」
ライオン「じゃぱりまんだよ。知らないの~?」
グリフォン「こいつもけんきゅうじょに居たって事は、あのまずいペレットしか食ったことないんだろう。」
ライオン「ほら、食べなよ。じゃぱりまんおいしいよ。」
キマイラ「うるせえ、ほっときやがれ!おめえらの施しなんざ・・・・
グゥゥゥ~~~~~~・・・
辺りにキマイラのお腹が鳴る音が響き渡ると、キマイラはすこし赤面した
グリフォン「すきっ腹じゃ力もでないだろ。素直に食えよ。」
キマイラ「うるせえ、このアタシに指図するんじゃねえ!腹なんか減ってたってアタシは動けんだよ!」
ライオン「ハァ~・・・頑固なヤツだね~。」
グリフォン「いらねえなら俺がもらうぞ。ホレ、こっちにくれ」
ライオン「はい、ど~ぞ~。」
グリフォン「さんきゅ~、いただきま~す。」
キマイラ「・・・あっ!!ちょっと、おい!待て!!」
グリフォン「ああ?なんだよ。いらないんだろ?んじゃあこれは俺が食う!あ~ん・・・」
キマイラ「しょーーーがねえなーーーー!!お前らがどうしてもって言うんなら、それくらいは貰ってやる!」
ライオン「素直じゃないね~~」
キマイラ「ただ、こんな事でアタシに恩を着せただなんて思うな!お前らからアタシが食い物を奪ってやっただけだぜ!」
グリフォン「お前、なんでそんなに偉そうなんだ・・・」
キマイラ「モグモグ・・・な、なんだこりゃあ!?うめえ!!味があるってのはこういう事なのか!!」
一心不乱にじゃぱりまんを頬張るキマイラ・・・グリフォンとライオンは顔を見合わせて少し微笑んだ
じゃぱりまんを食べ終えたキマイラはグリフォン達と少し距離を保って後ろをついて歩いていた
グリフォンがちらりと後ろを見ると、いかにも機嫌の悪そうなしかめっ面でついてくるキマイラの顔が見える
グリフォン「…なーんでついてきてんだ、こいつ…」
ライオン「まぁまぁ、別に何もしてこないのなら放っておけばいいんじゃな~い?」
キマイラ「……」
グリフォン「おい、単細胞。腹ごしらえが済んだならとっととスフィンクス達の所へ帰ったらどうなんだ。」
キマイラ「ああ?アタシに指図するんじゃねえ!それができりゃとっくに…」
ライオン「出来ないの?」
キマイラ「…できらぁ!!」
グリフォン「じゃあそうしろよ。後ろをついて歩かれるとうっとおしいぞ!」
キマイラ「……」
グリフォンとライオンはまたスタスタと歩き出すと、またキマイラは二人の後を距離を保ってついてくる
グリフォン「…💢こいつ…!!」
ライオン「アハハ…」
少しの間沈黙が続き、岩肌の露出した風景から徐々にゆきやまの風景になりつつある頃にキマイラが二人に話しかける
キマイラ「…おい、お前らは… スフィンクスと戦ってどうするつもりだ?」
グリフォン「そうだな…スフィンクスを倒したらスフィンクスを永久のヤローから救い出す。」
キマイラ「は?てめえ馬鹿じゃないか?永久ってやつはここから消えたはずじゃ…?」
ライオン「非現実的だけどさー、もしかしたら永久博士という人がスフィンクスの体を乗っ取ってるのではないかなーって、私達は踏んでるんだよー」
キマイラ「????」
グリフォン「少し考えろよ単細胞…永久のヤロー達が消えたのはいつだ?」
キマイラ「随分前だな…」
グリフォン「スフィンクスがおかしくなったのは?」
キマイラ「同じぐらいだな」
グリフォン「じゃあ永久のヤローの癖はなんだ?」
キマイラ「メガネを中指で上げる所か?」
グリフォン「ああ、じゃあ他に全く同じ仕草をするやつは?」
キマイラ「…今はスフィンクスが…してるな」
グリフォン「つまり?」
キマイラ「……あー!無茶苦茶だがお前にしては筋の通った考えだな…」
ライオン「つまり君はスフィンクスではなく永久博士という人の手のひらで踊らされてたってとこさー」
キマイラ「………畜生!たかが人間ごときが私たちをこき使いやがって…!テメーらは心底気に入らんがー、今回だけはとーーーーーっくべつにに手を貸してやるよ」
グリフォン「ふん、単細胞の手助(ry」
ライオン「まあまあ、今回は利害一致ということでさー」
グリフォン「ぐぐぐ…わかった…」
ライオン「2人とも握手握手〜」
[2人はいやいや握手をする]
キマイラ「………姉、大丈夫かな…」
[段々と夜へと向かう道を3人は歩いていった…]