虫喰いでないフレンズ
14話>> 614
前回のあらすじ
ハブに取り付いた敵を倒し、巣穴から出てきたドブネズミは休日前の帰宅後のように何もしたくなくなり眠った
ところがなんと、夢の中にまで怪しい者が現れた
その者は「夢みるプリンセス」と名乗る
自分の名乗りに応えず質問で返したことに腹を立てた不審な者は能力で姿をドブネズミ自身のスタンド「ラット」のものに変えられてしまった
その頃、現実の何も知らないアフリカゾウとハブの二人はドブネズミを背負いながら気楽にボス探しに出発した。
の の の の の の の の の の
の の の の の の の の の
の の の の の の の の の の
『精神の深層の世界』
夢みるプリンセス
「夢のなかというものは、本来他人が入り込むことのないプライベートルームのようなもの…
しかしながら、このわたくしの手にかかればそこは誰でも出入り可能な仮想空間へと変わる…
ところでドブネズミ様?外のお二人が前にお休みになられたのはいつ頃ですか?」
ドブネズミ(ラット化)
「…アフリカゾウが昨日寝てたのはわかるがハブは知らない。
初めて会ったからな」
(?!なんだ?
言いたくもないのに言わされている!?
それに、なぜ教えてないのにわたしの名を知っている!?)
夢みるプリンセス
「なるほど。貴女は、人が用いる時の概念に疎い。違いますか?そうでなければ『何時頃』まではお答えになるものです」
ドブネズミ(ラット化)
「そうだ。わたしは時計なんて見ないからな」
(まただ!さてはこいつの能力か…
名前らしくない名前してるしどうせスタンドだとは思うが…
わたしが正直に話すのを拒むから口を割ろうとしている…
でもなんでわたしの名を知っているんだ?)
夢みるプリンセス
「そうなのですか。折角腕時計のようなものをお召しになっているというのに、勿体無いですわね。使用方法はご存知?」
ドブネズミ(ラット化)
「一応知ってる。マイに教わった」
(止まれぇ!わたしの口ィ!
いや、今は口ってどこにあるんだ?)
夢みるプリンセス
「マイ…そうですか。
そうですね、他に何かお話のタネになりそうなことはおありで?」
ドブネズミ(ラット化)
「そう…だな…」
(お?マイのこと知ってるのか?
話を逸すのは何か知ってるからか?
名前しか言ってないんだから、それは誰かと聞くもんだろうがそうしなかったということは、そういうことなのかもな
というか、自分の考えていることを言わないで済む辺りはわたしに有利だ
言わされることが無難で済むことを願おう)
ののののののののののののののののののの
現実
アフリカゾウがドブネズミを背負っているために疲れやすいことを考え、小休憩をとっていた。
とっくに持ってきた水筒は空で、川を探す必要があったところに運よく小川があったためそのほとりに座って休むことにした。
アフリカゾウ
「よっこらしょっと。蒸し蒸しして暑いから倒れちゃうところだったよ」
ハブ
「シュー…川があってよかったな」
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃん、お水飲まないで大丈夫かな?水筒は持ってきたけど今日はまだ飲んでないからのどが乾いてるんじゃないかなぁ」
???
「なんくるくいなー!!なんくるないさー!!!やんばるくいなー!!!」
ハブ
「あ、あのやたらデカい声は……」
アフリカゾウ
「ヤンバルクイナちゃん!」
ののののののののののののののののののの
『精神の深層の世界』
ドブネズミ(ラット化)
「喉が渇いたァ〜〜
水飲ませろォ〜
こんな姿にしやがってェ〜〜」
(喉が渇いているのは事実だ…
アフリカゾウには申し訳ないがいままで水筒の水は殆どわたしが飲んでいる…
今は川の畔に移動してきたからちゃんと飲んでるんだろうか)
夢みるプリンセス
「オホホ、そんな姿では水を飲むことも叶わず、と。見ていてせいせいしますわ。折角ですから、その姿でしかできないことをさせてさしあげましょう。鹿威しはご存知?」
ドブネズミ(ラット化)
「はっ!?何する気だ!?」
夢みるプリンセス
「何って、鹿威しですわ。貴女のその形はピッタリではありません?」
ドブネズミ(ラット化)
「水を…まさか…」
夢みるプリンセス
「お察しが早くて助かります」
ドブネズミ(ラット化)
「『ラット』!」
『ラット』の弾はスタンドの姿になったことで自身から発射された。
しかし、目の前の敵を頭上を通り過ぎて行き命中することはなかった。
夢みるプリンセス
「おっと!危ないですわ。たしかに、スタンドの姿になれば技も特殊能力も使えますけれど、悪足掻きはよした方が身のためですわよ」
ドブネズミ(ラット化)
「ぐぅッ…」
夢みるプリンセス
「さあ、たっぷりと『お飲み』くださいな」
身動きのとれないドブネズミは、
ドブネズミ(ラット化)
「うぉぉぉぉぉぉ!」
(息が…苦しい…
現実のわたしはどうなっているのだ…
溺れているのか…?)
ののののののののののののののののののの
現実
ドブネズミ
「ぶくぶく…」
ヤンバルクイナ
「なんくるくいな〜」
アフリカゾウ
「どどど、ドブネズミちゃん!?大丈夫!?」
ハブ
「泡噴いてる…なんで…ずっと静かに寝てただけなのに…」
ヤンバルクイナ
「なんくるないさ〜」
ハブ
「なんでそう言えるんだ、ヤンバルクイナ」
ヤンバルクイナ
「この子は何かと戦ってるみたいだよー。でも、大丈夫だよー。多分ね〜」
ハブ
「多分……ヤンバルクイナの言うことだからそうなんだろうけど」
アフリカゾウ
「なんなんだろう、そのドブネズミちゃんが戦ってるっていうのは」
ヤンバルクイナ
「わかんないけど〜、わたしたちが出来るのはドブネズミちゃんを信じて起きてくるのを待つことだけだと思うよ〜。助けたいけど〜、何かできるのかな〜?」
アフリカゾウ
「信じて待つこと……いや、何かできることはあるはず…」
アフリカゾウは独りで戦うドブネズミのことを黙って見てはいられなかった。
そして、多機能なことに自信があるその首に巻いたものの先端をドブネズミの口に押し当てた。
アフリカゾウ
「こうすれば、ちょっとは良くなるよね」
ハブ
「泡を『吸い込んで』るのか!」
ヤンバルクイナ
「なんくるないさ〜、だね〜」
ののののののののののののののののののの
ドブネズミ(ラット化)
「ガボガボ……」
(かはッ…
なんか急に、苦しくないぞ?
水に浸けられてるのに…)
夢みるプリンセス
「何か、言いたそうにしてますわね。音を上げたということでしょうか。助けてほしいと、わたくしに申してご覧なさい?」
ドブネズミ(ラット化)
「ガボ……ガ…」
夢みるプリンセス
「申し訳ありませんが、聞き取れません。もっと、はっきり喋りなさい!」
ドブネズミ(ラット化)
「…ク…」
夢みるプリンセス
「く?」
ドブネズミ(ラット化)
「クラエッ……!」
夢みるプリンセス
「クラエ?申されていることの意味がわかりま…」
『ラット』化した自らの砲身の角度を上げ、5発ほど発射して攻撃を試みた。
しかし弾は直接目標を捉えることなく飛んでゆく。
ドブネズミ(ラット化)
「……………」
夢みるプリンセス
「抵抗はお止めなさい。悪足掻きはあなた自身のためになりませんよ」
ドブネズミ(ラット化)
「ああ、もう終わったよ。わたしの悪足掻きはな」
バスッ
バキバキバキ・・・
ドスッ
夢みるプリンセス
「ギゃぁッ!?」
ドブネズミ(ラット化)
「木を溶かして幹の上の方を落とすために発射したんだ。
わたしの方ばかり見てて下を向いてたからやりやすかったよ。
そして、おまえ自身の陰になって水面に反射しないから悟られない角度が来た」
夢みるプリンセス
「ふん。ほんのちょっぴりだけ横に動けば躱すのはなんてことはないですわよ。甘くみられたものだわ」
ドブネズミ(ラット化)
「いーや、すでにお前は手遅れだ」
夢みるプリンセス
「なんですって」
バキバキバキバキバキバキ
ズンッ・・・
ドブネズミ(ラット化)
「木から木へと跳弾して何本も溶かしているんだよ。
わたしにはのしかからず、おまえだけに向かって何本も倒れる角度が来ていた。
丁度いい角度が来なかったら負けていた…
だが…ヤツはどこだ?あの一瞬で逃げられたのか?」
『夢みるプリンセス』は何故だかドブネズミのすぐ側に豪華絢爛な椅子が出現し、そこに五体満足どころか無傷で足を組み座っていた。
『ラット』の弾で倒した木が全て元通りになっているところから、夢の中では何もかもコイツの思い通りなんだということを思い知らされた。
しかしながら、『夢みるプリンセス』には疲れ果てたようにうなだれていて戦う意思がみられない。
夢みるプリンセス
「ここですわ。あなたには参りました。もう懲り懲りです。終わりにしましょう」
ドブネズミ(ラット化)
「なんだと?」
夢みるプリンセス
「そもそも、わたくしは能力であなたの考えていることを言葉に出させることも可能なのです。
そうしてしまっては詰まりませんもの。
そろそろ、あなたにお会いしに来た理由をお伝えしなければなりませんし、ね。
その姿は解いて差し上げます。
その代わり、わたくしを攻撃しないでくださいね?」
ドブネズミ
「な、なんだか調子狂うな…
喋ることがあるなら早く言ってほしかったが、わたしも喧嘩っ早いのが出た。
悪かったな」
夢みるプリンセス
「いえいえ、お気になさらないでください。久々に楽しめる相手がほしかったのです。こちらから先に謝罪すべきでしたのに、申し訳ありませんね」
ドブネズミ
「いいんだよ。用件があるんだろ?」
夢みるプリンセス
「あなたは良いフレンズですね…。
それでは、あなたにお伝えしたかったことを申し上げます。
『ドブネズミのフレンズは二人いる』。」
ドブネズミ
「………………?何が?何がいるって??」
夢みるプリンセス
「聞き取れませんか?今一度申し上げます。
『ドブネズミのフレンズは」
ドブネズミ
「いや、それはもう言わなくていい。『わたしが二人いる』ということなのか?」
夢みるプリンセス
「そうとも言えます。厳密にはその方はあなた自身ではありませんが」
ドブネズミ
「そうか。言いたいのはそれだけか?」
夢みるプリンセス
「いいえ…ですがこれからの内容は、口頭でお伝えするよりも実際に体感してみた方がより理解しやすいかと。あなたが近頃よくみなさる夢に深く関わる内容をお見せします」
ドブネズミ
「なに?それは気になっていたことだが、それを何故おまえが知ってるんだ?」
夢みるプリンセス
「わたくしは夢という夢を渡り歩いてきました。皆さまは夢と表現されますが正確には夢ではなく、夢以外のことも閲覧可能ですが簡素化のためそう表現しましょう。昨夜、偶々あなたの夢を拝見しました。覗いたわけではないのですよ?わたくしはあなたよりはっきりと夢の内容を記憶しております故再現も容易です。
それでは心の準備はよろしくて?」
ドブネズミ
「ああ、わかった。大丈夫だ」
夢みるプリンセス
「では…」
ののののののののののののののののののの
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???
「ホウ…コイツカ…夢幻ナル幽姫ナドト、贅沢ナ名ヲ持ツトイウノハ…
ソノ名ホド美シイモノデハナイガ、珍シイ能力ヲ持ツ点ニ於イテハ我ガ計画ノタメニハ十分ダ…
回収スル…」
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←to be continued…
16話>> 624
(密かに読んでる 応援してます)👍
有難う御座います!
これからも更新していきます!