虫喰いでないフレンズ
11話>> 562
前回のあらすじ
ドブネズミとアフリカゾウは樹林帯に入った
腹を空かせたハブのフレンズに会う
しかしこちらを見つけるなりドブネズミの尻尾を咬んできた
ハブはじゃぱりまんを配給しにくるボスが近頃現れず空腹だったという
落ち着いて話すためハブの家である巣穴に行き、そこでアフリカゾウが丁度3つ持っていたじゃぱりまんを一つずつ三人で食べた
歯を磨くといって巣穴の奥へ行った後戻ってきたハブはアフリカゾウに突然襲いかかった
ドブネズミがスタンドを使い咄嗟に防いだが首が締めつけられる。
ハブの謎の凶行に二人は頭を悩ませるのだった
ののののののののののののののののののの
アフリカゾウ
「ハブちゃんはどうしちゃったのかな………?」
ドブネズミ
「アフリカゾウ……ちょっと聞き…たいこと…がある。ハブに…ついてだ」
アフリカゾウ
「な、なに?」
ドブネズミ
「ハブは……演技力…がスゴいとか…そういうことはないのか?
わたしは…狩りを…する…者のオーラ…というか、ただならぬ…雰囲気を…感じた。
ハブがそれを……意図的に出せるようなやつなら……『ラット』を解除して…謝らなくっちゃあならない」
アフリカゾウ
「ううん、そんなことは聞いたことないよ」
ドブネズミ
「そっか…。なら、頭に……何か付けている……のが怪しい…な。
見え、るか?」
アフリカゾウ
「ハブちゃんの頭?うーん、言われてみればちょっとなにかありそうだね。
でも、なんでこんな暗いのにわかったの?」
ドブネズミ
「コウモリほどじゃないが……高い音が出せる。
アフリカゾウには…たぶん聞き取れてないくらい高い音だ。
高い音が跳ね返るのを…聞けば物の位置を測れる。
つっても、まだテスト段階だから…大まかにしかできない。
今回はハブ自身が発した声もあった…お陰で役立ってくれたからよかったが」
アフリカゾウ
「へぇ〜!スゴいね!
ハブちゃんも暗いところでも熱いものほどよく見えるって言うから、『見えない』ところで物を『視る』ことができるんだろうなぁ」
ドブネズミ
「そうだった…のか。
じゃあ、わたしの位置もハブには見えているのか。
通りでこんなに暗いところに…住んでるわけだ。
そろそろ暗いところに目が…慣れて見えてくるはずだが……このハブの目の明かりが無きゃあ何も見えん」
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃんにはその音があるでしょ?
私はどうすればいいの…」
ドブネズミ
「この空間は…そう広くない。
横幅は壁際から…5歩くらいしか真っ直ぐ歩けないほどだ。
高さも、ほぼ頭の上スレスレだしな。
壁際を取ってしまえば、前だけ気にしていればいい」
アフリカゾウ
「あれ?そういえば…
喋り辛そうにしてたようだったけどもう大丈夫なの?」
ドブネズミ
「なんだか慣れてきてね。
息がしやすいようになってきた」
アフリカゾウ
「大丈夫かな……」
ドブネズミはもがいているハブから離れ、様子を見ることを優先した。
アフリカゾウはハブに近付こうとするがドブネズミに制止される。
ドブネズミ
「さてと、コイツを外してみようか。
だが、直接触るのは安全かどうか判ってからだ、アフリカゾウ」
アフリカゾウ
「す、すぐ取っちゃいけないの?」
ドブネズミ
「今現在の、ハブがおかしくなってる原因であろう物だ。
様子を見てからどうするか決めた方がいい。
この場合は、そうしなければ、わたし達までおかしくされるかもしれない。
そうなったら、わたしはハブに『よろしく』の挨拶ができなくなる」
アフリカゾウ
「そうかもしれないけど……言ってなかったの?」
ドブネズミ
「咬まれてたからな………
タイミングを逃した。
どうせここには長く滞在できないだろ?
よろしくって行ったところですぐ別れるだろうが、わたしが冷たいヤツと思われるのも癪なんだ」
アフリカゾウ
「それあんまり言わない方がいいんじゃ………」
ドブネズミ
「そうなのか?
えっと、ここからが肝心だ。
ハブを傷つけずに、わたし達も無事でコイツを外す方法を考えないとな」
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃん、確かに何が危険なのかわからない内は下手に手を出さない方がいいと思うよ。
でもね、何かしなくっちゃあ、ハブちゃんはずっとこのまんまでドブネズミちゃんもこのまんまだよ。
私がマフラーでこっそりと取ってあげる。
マフラーなら何かされても私は無事で済むからね」
ドブネズミ
「マフラーか…
アフリカゾウがそう言うんなら、任せる」
アフリカゾウ
「ありがとう!
さ、大丈夫だから、じっとしててね、ハブちゃん!」
ハブ
「───────!!」
ドブネズミ
「お、おい!何かヤバいッ!やっぱり離れろ!
ハブは何か『隠し持ってる』んじゃあないかッ?!
『切り札(ジョーカー)』だとか『最終兵器(リーサルウェポン)』だとかのレベルのヤツを!」
ハブ
「ウシャァアーーーーーーッ!!!!」
ドブネズミ
「うぐうッ!?」
ドブネズミはハブの突然発揮したパワーに対応できず、背中側を壁に押しつけられた。
「ラット」とドブネズミは1メートルほど距離があるが、本体であるドブネズミ自身とそのスタンドである「ラット」との距離を固定して拘束していたためにそれが仇となったのだ。
アフリカゾウ
「なになにぃ!?なんでぇ!?」
ドブネズミ
「アフリカゾウ……!信じられんが、わたしの『ラット』が押されている……!
パワーで……押し負けているんだ!
凄まじい勢いで…解き放たれた力が、スタンドごとわたしを押しているッ!」
アフリカゾウ
「野生開放……かな?」
ドブネズミ
「野生開放?それがこの力の正体なのか!?」
アフリカゾウ
「ハブちゃんの目、光ってるでしょ?
この光ってるのは野生開放のときだけなんだ!
フレンズはサンドスターと動物、動物だったものから生まれるってところは知ってるよね。
フレンズは身体のサンドスターを使ってすごい力を発揮できるんだけど、ちょっとまぶしいくらいに光ってるってことはスゴく危ない状態なんだ。
光る目が明るいほど短い時間でサンドスターを使い切っちゃうかもしれない。
無くなったら、フレンズでいられなくなるの。
サンドスターが無くなっちゃうなんて話はきいたことがないけど、もしものことも考えて、ね」
ドブネズミ
「とにかく……ヤバいんだな!
ハブを助けることには依然として変わりなし………!
ちょっと急がなきゃマズいことはわかった…………」
アフリカゾウ
「待って!
ドブネズミちゃんもフレンズだからできるはずなの!
そうすれば対抗できるかもしれないの!
『野生開放』すれば強い力が使えるようになるの!
何かこう、『やってやるう〜〜』って念じるとできるから!
成功すればまわりが明るく見えるようになるよ」
ドブネズミ
「ね、念じる?こうか?はっ……………」
アフリカゾウ
「目が光って………ない?
できてないよ!」
ハブ
「フシュウゥゥゥギャァァアーー!」
ドブネズミ
「マズい……押される…………
アフリカゾウ!この洞窟から出る準備をしてくれ………
ハブには悪いが、いざとなったら走って逃げないといけないからな………
出口を広げるんだ………
狭いところを削って………
グアァッ!?」
ハブはジリジリと近寄り、ドブネズミに圧力をかけていく。
ピッタリと壁にくっついたドブネズミは見えない力に押し潰されそうになっている。
その様子を見て、アフリカゾウは何かすぐやらなくてはという衝動にかられた。
アフリカゾウ
「うっ……ううっ
さ、さっき言ったでしょ!
私がそれを取ればいいんだ!
そうすれば終わるんだからね!」
ドブネズミ
「ア……フリ…………カ……ゾウ……」
ガシッ
アフリカゾウはマフラーでハブの頭にかかった異物を弾き剥がそうと近寄った。
すると
ハブ
「フゥゥゥゥ!!」
と急に振り向き、ドブネズミを吹っ飛ばしながらアフリカゾウを手で払おうとした!!
しかしアフリカゾウは、難なく腕で受け止め、掴んで押える。
片腕が押さえてられて動かせないのでもう片方の腕で攻撃を試みるが、やはり掴まれる。
ハブは声をあげ威嚇するが、万が一ラットが外れたところでまだマフラーという第三の腕が空いているアフリカゾウには脅威とはならない。
だが、ハブは諦めなかった。
とび跳ねて尻尾で身体を支えながら脚を開いて前に出し、アフリカゾウの身体を挟み込む。
ハブがアフリカゾウを挟んで押し倒しながら締め付けて拘束したことにより、状況が逆転し、アフリカゾウの頭の中は真っ白になる。
一方、吹っ飛ばされたドブネズミは少し壁面に背中を削られながらスライドし、壁から離れるとその先にあった向かい側の壁に強く身体を叩きつけられた。
アフリカゾウ
「さ……さっきまで私じゃなくドブネズミちゃんを狙ってたのに……
たた、たしか『ピット器官』だったよね………
生きてるものは『視える』って…………
でも、前からしか『視え』ないんじゃないの………?」
ハブ
「ガチッ!!───!??」
ドブネズミ
「ゲホッゲホッ!!
ピット器官?そんな厄介なもん持ってるのか?
熱が見えるってのはそれか?
まあ、いい。
もう、『ラット』は咬ませている必要は無さそうなんでな、解除させて貰った。
ぶん回されるのも御免だしな。
『ラット』が使えりゃあコッチのもんだ、と言いたいところだが………アフリカゾウ。」
アフリカゾウ
「ごめん」
ドブネズミ
「あ?」
アフリカゾウ
「私が……代わりに押さえてなきゃって思ったの……
あんなに振り飛ばされるなんて……」
ドブネズミ
「謝ってる場合かよっ。
お前のがいまは危ないだろ。
もう、それは頭に取り付いた敵だと思っていいだろうな……。
こうなったのは、頭の部分を狙ってたことがバレたからとしか言えない。
さらに、さっきの吹き飛ばされたときだが、ハブは元からスタンドが見えるか見えないか分からんが、咬んでいるものがまるで見えているかのような仕草をしていた。
『ラット』を手で掴もうとしたが『スタンド像』なんで」
アフリカゾウ
「ねえ、いい、の?」
ドブネズミ
「いいったら。
ハブのこと早く元に戻さないと、だろ?
二人を危険に曝したわたしも不注意だったところがあるだろうしな。
とにかく、ハブには『スタンドが見えている』。
スタンド使いになったのか、はたまたボスに仕込まれた装置の効果のように見えるようになっているだけなのか?
そんなのはどちらでもいいが、要するにラットの攻撃を当てるのが難しいってことだ。
そこで、アフリカゾウに協力してもらいたい。
わたしがハブの気を引いてから『ラット』で撃つために、そのままでいてほしい。
激しく動かれないようにするだけでいいんだ。
引き受けてくれるか?」
アフリカゾウ
「わかった…なんとかしてみる」
ドブネズミ
「よぅし!」
ハブ
「ウギギギギ……」
ののののののののののののののののののの
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???
「ナンダト…?ソノママ二人トモ倒セルンジャアナイノカ……?
道具形ハ操ル者ガイナイト弱イノカ……。
所詮ハスタンド能力ヲ吸収シタダケノ雑魚カ。
ダガ、コレヲ最後マデ見物スル価値ハアリソウダナ。
焦ルコトハ無イ。
確実ニ実行スルノダ」
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←to be continued…
👍
😆