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非現実で非常識 最終話
キャーチャ「色々と急展開じゃないかぁ?とまとにナーチャくん」
ナーチャ「ああ、私はしばらくの間この家を出ないつもりでいるからな、それなりの恩返しさ」
ヘリの音が徐々に聞こえてきた頃、
ライオン「さっきまで見てるだけかと思ったらなんだよ……」
ヘラジカ「案ってなんだ?」
二人は並んで立ち上がる。
ナーチャ「私の案はこうだ」
するとライオンとヘラジカを挟むように魔法陣が出現した。
ヘラジカ「お……おぉ……!」
ライオン「妖精ってこんなこともできるのか……」
キャーチャ「……何をする気だ?」
ナーチャ「あれ?知ってると思ったんだけどな…」
私は手を前に出し、パッと拳を握った。
魔法陣は二人を挟み、近づいて行く
ライオン「え!?ちょちょちょちょ!!」
魔法陣が重なり、通り過ぎると、そこには人型に光るなにかが出てきた。
キャーチャ「んん!?融合魔法!?」
私はその光の中へ入ってゆくと光は弱まり、
白髪で、白いツノが生えていて、腰には大きな刀がぶら下がっている。
猫と鹿の尻尾を生やした人型の……
???「えぇーー!!!なにこれ!?どうなってんの!!??」
???「いや……分からん……どうなってんだ……?」
ひとりでに喋り、自問自答をし続ける。
キャーチャ「ナーチャ!!こんなもので勝てると思ってるのか!?」
???「私はナーチャではない…ライオンとヘラジカの力を融合させ、新たな生物を生み出す……
サンドスターの力は無くなるが、二人の力はここにある!」
???「そういや名前ってなんになるんだろ?」
???「たかしとかでいいんじゃないか?」
???「息子の命名じゃないんだから……」
キャーチャ「うるさい!!ナーチャ……貴様だけは裏切らないと思ったのに……!!」
???「最初からお前の味方じゃない!……名前か……」
キャーチャ「悩む暇などない!!」
キャーチャが襲いかかる。
拳を握りしめて、
???「いいのを思いついた!」
私達は刀を握りし、中腰の姿勢をとる
???「【キングズ】てのはどうだ?ほら、ライオンは百獣の王、ヘラジカは森の王だし」
キャーチャが目の前に来ると刀を抜き、キャーチャに向かって横に振る
刀の峰に当たったのか、キャーチャは壁まで飛んで行った。
???「賛成だな」
キングズ「じゃあ、キングズに決定だ」
キャーチャ「ぐっ……貴様ぁ……」
キャーチャは立ち上がり、問う、
キャーチャ「なぜ貴様はこいつらの味方をする……所詮フレンズなどサンドスターの道具に過ぎん……!そんなものに愛着など…湧いたわけじゃないだろうな!!」
キングズ「……お前はフレンズを知らないだけだろ……」
キャーチャ「なにぃ!?」
キングズ「キャーチャ、フレンズはな、人みたいに欲に塗れてないんだよ」
キングズ「ナーチャ?」
キングズ「だって、こいつら欲のあり方をしらねぇんだもん」
キャーチャ「……ふっ……そんだけの理由でか?」
キングズ「ああ、それって素敵なことだろう?自分の欲を忘れて、誰かのために欲を作る。それがフレンズであり、こいつらだ」
キャーチャ「口を開けばペチャクチャと……黙れぇ!」
キャーチャが走り出す。
私たちへ向かって、
大きく拳を上げ大きく雄叫びを上げる。
私たちの目前に彼はいる。
素早く、ゆっくりと拳を振り下げて、
やけくそじみたその拳は、無残にも……
彼の体を刀がすり抜けて、
その拳は力を失った。
キングズ「私たちをなめるなキャーチャ、ツキノワグマの仇は返させてもらった」
キングズ「一騎打ち、勝者はこっちだな、ヘラジカ」
キングズ「一騎……なのか?」
キャーチャは静かに倒れ、息をたった。
・
・
と、思っていた。
あれからキャーチャはどこかへ消えた。
多分家に帰ったんじゃないかな?
救助ヘリが来る頃には私たちは元の姿に戻っていた。
ライオンは骨が2箇所折れていて、軽い貧血状態、ヘラジカも同様に貧血で
ツキノワグマはかなりの重症だったが、フレンズだということもありかなりの速度で回復する。
サンドスターが存在しないのに……何故だろう?
宝くじで当たったお金はビルの修理費に寄付したらしい。
私も少し反対したが、こいつららしいと思い笑顔で答えた。
私はナーチャ、欲を食らう妖精。
欲より美味しいものを見つけました。
それは彼女たちの希望です。
パンサー「おーい!ナーチャ殿ー!写真撮りますぞー!」
ナーチャ「え?今日なんかあったっけ?」
ヤマアラシ「3人の退院祝いですぅ」
ライオン「いいって言ったのに……」
ヘラジカ「まぁ、良いではないか」
ラビオリ「撮るよーハイチーズ!」
カシャッ
そして、欲より大切なものを見つけました。
非現実で非常識 完
めちゃくちゃ急展開定期のとまと仮面がお送りしました。