男「……無様なフレンズよ」
無残に散らばった机、パソコン、椅子。
その上に赤く染まったライオン。
男「ナーチャが住むのもわかる。こんな出来損ないのフレンズにはお似合いだ」
ガッシャァァ---ン!!!
ヘラジカ「大丈夫か!ライ……オン……?
窓から割って入り(物理的に)私とヘラジカは血に濡れたライオンを見る。
ナーチャ「ゲッ……お前は……」
そこには私がよく知るものがいた。
男「え?ナーチャ?なんでいるの?」
ヘラジカ「ナーチャ、こいつを知っているのか?」
その声は若干震え気味で、
ナーチャ「あ……ああ、知り合いだ……」
ヘラジカ「じゃあ、名前はなんていうんだ?」
ナーチャ「え?そんなん聞いて……」
ヘラジカ「そういうのはいい、早く」
ナーチャ「……キャーチャ、私の先輩だ………」
ヘラジカ「キャーチャ……そうか……」
ヘラジカはキャーチャは近づき、
ナーチャ「お……おい!何する気だ!」
ヘラジカは無視して進む。
ヘラジカ「おい、キャーチャと名乗る者よ」
ナーチャ「名乗ってない……」
キャーチャ「名乗ってないが……なんだ?」
ヘラジカは立ち止まり、
ヘラジカ「正々堂々、私と勝負しろ」
ナーチャ「!?」
キャーチャ「正気か……?」
ヘラジカはキャーチャをじっと見つめている。
ナーチャ「バカ!お前あったばかりのやつにそれはないだろ!!」
キャーチャ「気にするところそこなのね」
ヘラジカ「ライオンの仇は私が打つ、一対一の戦いだ」
ナーチャ(あ…ダメだこいつ)
キャーチャ「一対一で勝てると?ただのフレンズがか?俺は人間じゃないんだぞ?」
ヘラジカ「ん?そうなのか…」
キャーチャ「知らなかったとは驚きだ」
私もこんなつまらないことで家の一つを失うわけにはいかない、
ナーチャ「ヘラジカ!お前が勝てるわけないんだよ!フレンズだろ?私たちは妖精族なの!お前らよりよっぽど優れているんだよ!諦めて謝れ!」
キャーチャ「そうだ、ナーチャの言う通り、お前が太刀打ちできる立場ではない、諦めて……」
ヘラジカはこっちを向き
ヘラジカ「ナーチャ……」
ナーチャ「あ?」
ヘラジカ「私に勝って欲しくないのか?」
ナーチャ「は?」
ヘラジカはキャーチャの方を向いて、落ちていたパイプを拾い、大きく声をあげ殴りに行った。
その容姿はまるで野獣のようで、森の王と言う名がふさわしく。
ヘラジカの攻撃は私の予想してたよりももっと素早く俊敏であった。
が、それはキャーチャにはかなわず、何度も殴り、蹴られ、血を流すほど、
ヘラジカ「ぐっ……ウゥ……!」
あ、ヘラジカが膝をついた。
もう終わりだ。
ライオン「お……グオォラァ!!!」
あ、ライオンが背後から突撃した。
まだ生きてたんだ。
ヘラジカ「ライオン……!…うおおぉぉぉぉーー!!!」
あ、ヘラジカが立ち上がった。
まだやるつもりなの?
ただ、血を流す。
すべてを賭けて
ケッ……つまらない
たたく、蹴るしかできないの……?
いや…….
キャーチャ「ハハハハハ!なんだ?」
私は
キャーチャ「そんなものだよなぁ?」
【たすケたい】?
キャーチャ「え?」
なんで唐突に
キャーチャ「なんだ?」
そんなこと思ったんだろう?
《【ゴブッ】》
ヘラジカ「な……ナーチャ……」
ライオン「ナーチャ?」
これが……
キャーチャ「ナーチャ……」
偽善に則った【欲】
ナーチャ「私、分かったよ、《限りのある欲を守り抜く》、これが、私の【欲】であることを…」
キャーチャ「はぁ?」
私は振り返り、
ナーチャ「私に案がある」
多分最終話へ続く……