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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 314

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名無しのフレンズ 2018/08/17 (金) 16:56:57 c36f4@3652f >> 309

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【アラフェネぶらり旅 さすぺんす劇場】
【アラフェネぶらり旅 さすぺんす劇場】
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[12.ⅹ話]ろっじ Bパート-1
[12.ⅹ話]ろっじ Bパート-1
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朝、と言うより明け方。
「のざらしの間」と言うか、テントが目の前にある。
アライさんは普段お寝坊さんだから、まだ眠っているはずだ。
それならそれでいい。 
一目寝顔を見れたら、この気持ちも落ち着くだろう。

ぽすぽす…
フェネ「アライさん、起きてる~?」

念のため小さく声を掛ける。 
ノックも声を掛けるのも、単なるアリバイ作りだ。

アライ「ヘ…へねっくぅ!? ま…マズいのだ…

フェネ「!?」 
起きてるなんて全くの想定外だった。

ジーーー
ファスナーを一部だけ開けてアライさんが顔だけを覗かせた。

画像<どうしたのだ? フェネック・・・

フェネ「!!??」

一晩とは思えないほど、その顔はやつれていた。
声を絞り出して、なんとか軽口を叩いてみる。

フェネ「お…おはよ~、アライさ~ん。 目の下にクマができてるよ~」

アライ「そ、そんなことないのだ。 アライさんは元気が取り柄なのだ」

やはりおかしい。
いつもなら「アライさんはクマじゃないのだ!」などと返していたはずだ。
恐らく昨夜は一睡もしていないのだろう。
このままでは伝統芸の危機なのだ。

フェネ「アライさん、ちょっと中に…」

アライ
「ダメなのだ! えっと、ほらアライさんはちょっとカゼ気味で... 感染(うつ)すと悪いのだ。
 ちょっと横になれば治るから心配は要らないのだ」

そう言うと顔を引っ込め、ファスナーを閉じてしまった。
私は呆気に取られると同時にショックで頭の中は真っ白だった。
私に対して明らかなウソをつき、頼る気もない、ということに・・・

私はフラフラとその場を離れた。 そのことを認めたくなかったからだと思う。
無かったことになる筈もないのに。
後ろでアリツさんの声が聞こえた気がする。

アリツ「アライさん、朝ごはんをお持ちしました~。 どうしたんですか、その顔? 大丈夫ですか?

ポツ… ポツポツ... サーーー
一歩早く空に泣き出されたので、私は泣く機会を失ってしまった・・・
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