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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 231

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亡き人 2018/07/12 (木) 20:50:50

前回>> 229

悪魔と奇跡とハンターを 第7話
〈デメリット〉

(推定OP・シリウス)

中田博士「ぐあああああああっっっ!!!」

夜の街に響くその声は、実に禍々しかった。
毒々しく滴るその液体は毒牙によって作られる。
その毒は、中田博士の体を蝕んだ。
戦いの舞台はいつ何か外へ広がっていた。

ヒグマ「うわぁ…なんだあれ……」

クマデ「熱いねぇ、燃えてるねぇ」

コンビネーションの取れた戦い方。
これはリカオン、キンシコウのコンビネーションではなく、武器のである。

キンシコウがリカオンに対し合図をする。
それを受け取り、リカオンは後ろへ退いた。

中田博士「な……なんだ?」

かすれる声が聞こえる。
それは年季の入った声。

ミカ「ひ……ヒグマさん!」

ヒグマ「あ……?ミカ!?」

ミカ「リカオンさんはどこに?」

キンシコウが如意棒を伸ばし、相手を拘束する。

キンシコウ「今です!!リカオンさん!」

リカオンは頷き、相手に対し拳を固め、強く心臓部を殴る
相手は弾け飛び、バラバラに砕け飛んでいった。

ヒグマ「おぉ……すごい……」

ミカ「リカオンさん………」

何よりもすごいのは3分ほどであまり被害を出さず、ケリをつけたことである。
だが、その分………

二人は倒れた。
魔装が徐々に溶け、
私とミカは急いで助けに行った。
私たちは怯える。

あざだらけのキンシコウ。

体のあちこちが緑や青色に変色したリカオン。

ミカ「リカオンさん!!キンシコウさん!!」

体を揺さぶるミカ、

ヒグマ「う……嘘だろ……」

携帯電話を握りしめ、救急車を呼ぼうとする。

クマデ「やめとけ、今の人間の医学じゃ治せたもんじゃない」

ヒグマ「じ……じゃあ!諦めろって言うのか!?」

クマデ「違う……!これはデメリットだ。契約上でも契約者が死んだら困る。死に至ることはないだろ」

ヒグマ「こんな状態!放っといたらダメだろ!こんなことになんでなったんだよ……」

クマデ「毒牙は毒を流す、そして抗体を作るなら、こうなったのもわかるだろ?それに如意棒は上級契約となると、多数の亡霊や妖怪を受け入れやすい体になる。だからこうなったんだ」

ヒグマ「……それは治るのか……?」

クマデ「知らん……」

あたりはどんよりとなり、ミカが声をかけるのが耳に入る。
なんで……なんでこんな事に……!

如意棒「早く運べ!こいつらを殺したいのか!?」

あれ?

毒牙「硬いアスファルトの上では意味がないじゃろ!さっさと運べ!!」

ヒグマ「あれ?……し……死んじゃうんじゃ…?」

如意棒&毒牙「死なないわ!!運べ!!」

ヒグマ「お前ぇ……!!」

私が持っていたクマデの方を見る。

クマデ「別に死んだとか言ってねぇじゃん」

た…確かに……

ミカ「い……生きてるんですか!?」

ヒグマ「ああ、そうっぽいな……」

私はキンシコウを、クマデとミカはリカオンを運んだ。
二人はまだかすかに意識があるためか……

リカオン「オロロロロロロ!」

ミカ「うわぁ!!」

毒牙「毒の影響じゃ!気にするな!」

キンシコウ「おろーせー!!エビカツサンドを食べたいんだー!!」

ヒグマ「はぁ!?」

如意棒「変な妖怪が入ったっぽい!気にするな!」

一応だが、忘れてはならない。
これは深夜の街のど真ん中である事を

クマデ「とんでもねぇ近所迷惑だこと」

第8話へ続く……

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