前回>> 220
悪魔と奇跡とハンターを 第6話
〈さらなる契約〉
守る依頼。
それが今回の依頼。
潰す依頼。
それが彼女の要望。
私たちは何より、彼女の要望を優先すべきだと考えた。
ヒグマ「おい!何でこんなに早くお出ましするんだ!!」
クマデ「ざけんな!寝れねぇじゃん!」
現在時刻午後12時。
リカオン「ミカさん!隠れますよ!毒牙!爪を隠して!!」
毒牙「わかっておる!」
現在地、ミカ宅跡。
(3話のあそこ)
キンシコウ「こいつ……!手強いですよ!」
如意棒「ああ、少しまずいな……!」
相手の名は、「中田博士」
どうやら「セルリアンズ」という、集団の博士らしい。
(ご丁寧に挨拶してくれた)
ヒグマ「キンシコウ!行くぞ!!」
キンシコウ「ええ!行きますよ!」
瓦礫に隠れた私たちは飛び出し、相手に向かい走る。
相手はセルリアン移殖体、セルリアン特有の触手を巧みに使い、襲いかかる。
もちろんこちらの方にも攻撃を仕掛けてきた。
私たちはそれを避け、武器を構え戦闘の体型に入る。
キンシコウ「ヒグマさん!一気に畳み掛けますよ!」
ヒグマ「よし!ごめん!先行ってて!」
キンシコウ「え?」
如意棒「キンシコウ!前を見ろ!たく……あのバカは……」
クマデ「やーだーねーむーいー!!」
はぁ……何でこんな時に……
ヒグマ「今回ばかりはお願いします!!手伝ってください……く…クマデ…様……」
クマデ「やだよ眠い」
ヒグマ「チッ…なんだよこのガラクタ」
クマデ「あー!今ガラクタつったな!」
ヒグマ「あー!わかった!この戦いに勝ったらあの有名な叙々苑で食べ放題(仮)をやろ!(嘘)な?これでどうだ?」
クマデ「叙々苑で……食べ放題……!」
ヒグマ「ああ!そうだ!どうだ?」
クマデ「そんな金ねぇだろ、この無一文」
ヒグマ「くっ……ぐぬぬ……!」
キンシコウ「何ちょっと悔しがってんですか!!」
如意棒「気をぬくな!クソ……」
仲間は必死に戦ってるってのに……
如意棒だってこいつの仲間じゃないのか!?
ボコボコにやられてるキンシコウを見るのなんて嫌なのに……
キンシコウ「ど……どうしたら……」
如意棒「キンシコウ!魔装だ!」
キンシコウ「嫌ですよ……痛いですし……」
如意棒「まだやったことないだろ!さぁ!早くお尻に刺せ!」
何言ってんだ、と、想う人も少なくないと思う。
如意棒は本来、「尻尾」がない動物用の魔具であるため、尻尾があるキンシコウは尻尾がある場所の下、つまりお尻に刺さなければならないのである。
地味に服越しに行けるので、いちいち裸にならなくても良い。
そしてこれをお尻に刺すとどうなるかというと、
「上級契約」、を果たすことになる。
如意棒「死にたくないなら早くやれ!私は女の子にはソフトなんだぞ!」
キンシコウ「ああ!もう!分かりましたよ……刺せばいいんでしょう!?」
それにしても中田博士なんも喋らなんなぁ…
あと、言っとくけど、これはアレじゃなくてお尻にだから、全然性的じゃないから。
ブスッ!
大げさな音がなる。
これは如意棒のせい。
キンシコウ「いっ……たくない……?痛くない!?」
如意棒「当たり前だ、ソフトだからな」
背後から布のようなものが覆いかぶさる。
それはキンシコウの体を覆い、一つの服になった。
それはまるで西遊記の悟空のような……
如意棒「魔装!孫悟空!」
キンシコウ「え?それ毎回言わなくちゃいけないのですか?それにしても……凄い……」
如意棒「当たり前だ、作品の都合上言った方が楽だからな」
キンシコウ「魔装したと同時に第四の壁を超えたのですか……」
私は唖然とした。
そして強く嫉妬した。
キンシコウ「これなら……行けます!」
強く踏み切って走り出す。
???「ちょっと待った!!」
足を止めて、私も後ろを見る。
聞き覚えのある声、まさか……
ヒグマ「りか……リカオン……?」
中田博士もつったったまま見ている。
暗闇の中から出てきたのはリカオンだったが、
それはあまりにも変わり果てた姿だった。
ボロボロで長いローブ
くまが出た目
あまりにも具合が良さそうな姿ではなかった。
毒牙「魔装……牙狼毒鬼(がろおどくき)……」
やはり、それは普通ではなかった。
クマデ「みんな燃えてんねー」
第7話へ続く……