非現実で非現実 第6話
ボロボロな社内。
血まみれの後輩。
その山に立つ男……
いや…妖精なのかもしれない。
ライオン「ヤバいよ……これはマズイって……」
かろうじて、ライオンは机の裏側に隠れることができたらしい。
なぜこうなったのかは今から5分間遡る……
必要もなく、突然なんの前触れもなくやってきた
そいつはこう言った。
男「なんだ、結構脆いじゃないか…」
爆風により殆どの人々が殺られ
そして今に至る。
男「……まだ…いるな?」
恐怖に怯えるライオンに……
そう、《泣きっ面に蜂》とでも言っておこう。
男「サンドスターロウ……フレンズ?セルリアン?」
ライオン(あゝ、終わったよ……)
諦めかけ、死を覚悟しようとしたその時
ツキグマ「ライオンさん!大丈夫です……か……?あ……ああああああ!!」
ツキノワグマ、彼女が来たのである。
なぜ来たかは簡単、ライオンは昼食の弁当を忘れていたこと、それをツキノワグマが持ってくることになっていたこと、以上だ。
ライオン(ツキノワグマ……?嘘だ…なんで逃げない!)
爆発とはいえ、階段は使える。
高いビルだが、フレンズだ、余裕であろう。
ツキグマ「ひ…ひぃぃぃ!!」
ドタバタと足音が聞こえる。
逃げようとしているような。
男「お?サンドスターロウの正体はこいつか」
瓦礫を踏んだり、落としたり
階段の方へ
ライオン(お願い……早く……!)
ザシュッ
グギャ…
その音はあまりにも残酷すぎた。
骨を折り、肉をえぐり、血を落とす。
足音が止まり、男の笑い声が響く。
ツキノワグマには、先が尖った槍のようなものが刺さっていて、いずれも彼女の体を突き破っていた。
ライオン「………」
ライオンは察する。
ライオン「ざけんな………」
男「ん?まだいたのか?」
彼女はゆっくりと立ち上がり、男に顔を見せた。
男「おいおい?どうした?まさか俺とやり合うってのか?」
ライオン「………」
ゆっくり、だだ歩く、
のそりのそりと男の方へ。
男「やめとけ…俺は人間じゃないだぞ?たかがフレンズに……」
ライオン「だからなんだよ?」
男「あ?」
ライオン「だからなんだって……言ってんだよ!!」
ライオンは倒れていた机を軽く蹴り、
ライオン「その汚ねぇ面を……血で綺麗にしてやっからよぉ………」
男「あ……ああ?」
落ちていた鉄のパイプを持ち、それを前にかざした。
ライオン「覚悟だけでもしとけ!!」
もうすでに、その血は沸騰してしまったらしい。
第7話へ続く……