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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 150

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亡き人 2018/06/11 (月) 23:25:28

前回>> 140

君への想い 最終回

(推定OP・なかよしマーチ[低音&サビ前まで])

輝きがある、それがフレンズ。
では、輝きを失ったフレンズはどうだろう。

答えは実に簡単である。
それはフレンズではなくなり、欲になる。
そしてそれはまるで輝きを取り囲むが如く、大きくなる。
だから、殺さなくてはならない。
どんなに悲しんでも、絶望には抗えない。



ぼくは、前に倒れた。
不思議と体が軽い。
痛いはずの体に感覚がない。
壊れかけの体をなにかが包み込む。

かばん「これが……死……か……」

薄々悟った。
ぼくは死んでいると、

か……ん……だ……う……

ん?

かば……だ…じょ……

え?

かばん……大丈……

誰かがぼくを起こす。
意識がある。
つむった瞳を開ける。

【???「かばんちゃん!大丈夫!?」】

視界はまだぼやけている。
汗と涙で前が見えない。

かばん「え……?」

何かがぼくを抱きしめる。

嗅いだことのあるこの匂い、
まるで太陽……
声から感じとられる安心感、
まるでサバンナ……
ぼやけた視界で見える色合い、
まるで……

まるで……

まるで……

かばん「……サー……バルちゃん……?」

嘘だ……
絶対嘘だ!
ありえない……こんなこと空想でもない限り……こんなことが……起きるわけない……

【サーバル「安心して……もう大丈夫だよ……」】

これは現実?
幻覚?幻想?
もう死んだ?
これは天国?

【サーバル「ごめんね…かばんちゃん……迷惑かけて…」】

ふざけるな……死に際に…こんなふざけたことを考えるな……ぼく……
こんな縁起でもないことを……

かばん「出てけ………」

【サーバル「え……?どうして」】

かばん「早くでt……」

男「かばん!!」

あの男の声……
ぼくの目の前にいる。

男「いい加減にしろ!!」

男は息を荒くしていた。

男「また、なんだ?あれか?幻想か幻覚かなんかに勘違いでもしてんのか?あぁ!?」

かばん「幻覚かどうかなんてわかるでしょ!?どうせあなたもぼくの幻覚……」

【サーバル「かばん……ちゃん?」】

男「んなこと言えるのはなぁ!確信を持ってからだろ!なに?憶測の段階で決めつけて、それを傷つけようとするだぁ!?そんなんクソだろ!」

かばん「じゃあどうやったらこれが現実ってわかるんですか!?そんなのないですよね?こんなの!」

ぼくは怒鳴った。
傷だらけのはずなのに

男「じゃあ……お前の言う《こんなの》を信じれば?話せば?笑えば?方法なんざ腐るほどあるんだよ、それでも信じられないんだったら、それを抱きしめろ。そしたらわかるはず」

ますます腹が立つ。
なんなんだ?この男は?
話せだ?笑えだ?

【サーバル「かばんちゃん……」】

抱きしめろ?意味がわからない

【サーバル「かばん……ちゃん……」】

何回だってこんな幻覚見てきたと言うのに……

【サーバル「………かばんちゃん……」】

こんなのばっかだから……ぼくは……!

【サーバル「………………」】

こんな……こんな……

サーバル「かばんちゃん!!!!」

ぼくの耳に振動が走る。
ぼくを抱きしめる強さがさらに強くなる。

サーバル「どうしてそんなに…人を信じられないの!?そんなの……そんなのかばんちゃんじゃないよ!!」

サーバル「自分の体を見てよ!!さっきまでボロボロだったのに……今は傷ひとつないじゃない!!」

サーバル「どうして……私はかばんちゃんに会いたかっただけなのに……どうしてこんなこと言われなきゃいけないの!!??」

サーバル「あの優しいかばんちゃんを返して!!返してよ!!!!!」




こんな……心に……したのは一体誰だと……思ってるんだ………?

男「お前だよ、いい加減にしろ」

ぼくの目から涙がこぼれた。
嬉しかったんだ……

男「だから、抱きしめる必要があるんだよ、泣いてんじゃん、辛いなら言ってやれよ《ごめん》って、黙って泣いてるだけじゃ伝わらないことこそわかるよな?」

ぼくは男を見ず、頷いた。

ぼくはそっとサーバルちゃんの背中に手を添えた
そして強く抱きしめた。
サーバルちゃんに負けないくらいに強く。

そして、ぼくは、言った

かばん「ごめんなさい……サーバルちゃん……ごめんなさい………!」

ぼくは目を閉じた。

目が覚めた時は、深夜2時ほど、そして自宅のベッドの上で寝ていた。
不思議なことだが、なぜか納得がいく。
本当、なぜか
ぼくはトイレに行きたくなった。
だから体を起こし、ベットから降りた。
そしておもむろに横を見る。

眠かったのが晴れ、ぼくは笑顔になる。

かばん「これからもよろしくね……サーバルちゃん」

これは現実、ぼくは信じる。

(ED・なかよしマーチ[サビ&オルゴール])

「君への想い」 完

無事に終わらせることができました。
次回作主人公のアンケートにぜひぜひお答えください。
(運が良かったらあの[男]の正体がわかるかも……)
誠にありがとうございました!!

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  • 152
    名無しのフレンズ 2018/06/12 (火) 12:34:10 3dc02@48fea >> 150

    じゃぱりぱーくは死後の世界だった…?
    全体的に話は重いが、こういうアプローチからのけもフレもまた面白いですね

    次回作もがんばって下さい👍