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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 140

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亡き人 2018/06/10 (日) 21:58:35 修正

前回>> 123

君への想い 第5話

(推定OP・なかよしマーチ[逆再生])

とあるビルの屋上。
そこにあの男は一人、
おや?誰かが来たようだ、

男「ん?おやおや……これはこれは……」

男は振り返る。
どうやら博士が来たようだ。

コノハ「そう、くつろいでると言うことはどうやらかばんのところにはもう行ったようなのですね」

男「かばんちゃん?ああ、行ったよ…行った行った。」

コノハ「で?ちゃんとやることはやったのですか?」

男は手すりにもたれ、ダルそうに答える。

男「………」

現在の時刻は午後6時。
あたりが暗くなってゆく。

コノハ「訳があったのですね………」

男「あいつは妄想からも、現実からも離れようとしてる………まぁ、つまりは《見えてるのに盲目》みたいな……?」

コノハ「望みなんか聞かず、さっさとサーバルを蘇らせばよかったものの……なぜ……」

男「今のかばんちゃんの考えはこうだ。《見えているサーバルはただの親切心》……ってね、彼女はあんたらの親切心を心から嫌ってるから……」

コノハ「じゃあ……!かばんは……!」

男「ああ、今夜中に殺処分されるな…」

博士は尋常じゃないほど汗をかき、下を向く。

男「賭の一手は今夜だ」

午後10時、
ぼくはテレビを見ていた。
今朝のあの出来事から食に乗り気が出ない。
だが自分の腹の音が現実を教えてくれる。

かばん「……そろそろ……何か食べないと……」

そうだ、コンビニ弁当にしよう。
今日くらいはいいよね……

靴を履き玄関扉を開け、ぼくはバイト先とは別のコンビニに行く。
この時間帯だ、やっぱり人はいない。
街灯を頼りにぼくは何も考えずに歩く。
まるで寝てるように。

痛い……
なにこれ……

左手に激痛が走る。
ぼくはとっさに左手を見る。
恐怖に怯えた。
汗が出た。
体が震え上がった。

ぼくの左手に穴が空いていた。

激痛のあまり、声を出せず。
左手を抑え、ぼくは近くの建物にもたれかかった。
ぼくは苦しみながらも前を向き、必死に逃げようとする。
すると、それを嘲笑うように建物の壁に穴が空く。
それは銃で打たれたように。
ぼくはそれでも前に進んだ。
そして建物と建物の間の狭い路地に逃げ込む。

かばん「……!!……なんで…どうして……」

銃弾らしきものが足をかすった。
かすったと言うより抉ったと言う方が正しいか。
ぼくは足を引きずり必死にもがく………が…

3発目も足だった。
ぼくはとうとう膝をついてしまい。

かばん「もう……嫌だ……死にたくない……」

口ではそう言うものの、

4発目は腹。

心は死を願っていたのかもしれない。

5発目は肩。

もうダメかもしれない……と、

6発目は心。

第6話へ続く……

多分次回最終回。

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