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【SS】けものフレンズ けものじゃーにー

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かばん、サーバル、ツチノコが旅する息抜きの短編SSです。

ikapan
作成: 2018/06/01 (金) 23:17:40
最終更新: 2018/06/01 (金) 23:17:40
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1
愛知 2018/06/01 (金) 23:25:52 修正 df5cd@cb22a

ちょ…w
こんなトコでなにしてんすか、リーダー!
しかもなんか甘っちょろそうなメンツ…(−_−;)

・・・とりあえず支援!

4

息抜きです笑

2
名無しのフレンズ 2018/06/01 (金) 23:26:36 99902@71308

応援してます

5

ありがとうございます!

3
ikapan 2018/06/01 (金) 23:31:43

それはよく晴れたぽかぽか陽気のいつもと変わらない朝.....
ツチノコはかばん達に呼び出されてとしょかんに来ていた。

ツチノコ「お、俺をわざわざ呼び出すなんて珍しいな。な、何か用か?」
かばん「そうなんですが.....その前にツチノコさん、本棚の影から出てきてくれませんか....?」

としょかんのテーブルに座ったかばんは少し困ったようにはにかんだ。

ツチノコ「いや。いい」
サーバル「どうしてー?」

かばんの隣でどうぶつの絵本を読んでいた.....いや、正確には眺めていたサーバルが口を挟む。

ツチノコ「前にも言っただろ....落ち着くんだよ...!お前の頭は飾りかっ!?」
サーバル「ひどいよー....」

サーバルは少ししょげた様に絵本に目線を戻した。

ツチノコ「で、俺になんの用だ?次の旅が近いんじゃないのか?」
かばん「実は...その事でツチノコさんに見てもらいたい物が....」
ツチノコ「見てもらいたいもの....?」
かばん「はい。これです.....」

そう言ってかばんは自分の白い鞄から一枚の紙を取り出した。

ツチノコ「なんだそれは?」
かばん「それが....どうやら何処かの地図みたいなんです」
ツチノコ「地図.......?よく見せてくれ...」

かばんは立ち上がり本棚の影にいるツチノコに地図を手渡す。
ツチノコはポケットから片方だけ手を出して地図を受けとると、本棚にもたれかかって地図を品定めするように眺めた。

ツチノコ「ずいぶん古いな....どこで見つけた?」
かばん「としょかんの本に挟まっていたんです」
ツチノコ「なるほど......でも、どうしてこれを俺に?」
かばん「.......これを見てください」

かばんは地図の赤い印を指差した。

ツチノコ「もじが書いてあるな.....なんて書いてあるんだ?」
かばん「一部はかすれていて読めませんが......読める文字を繋げると.....」
ツチノコ「・・・・・・・」
かばん「リアン...い..せ..き.。そう書いてあります」

その言葉を聞いたツチノコが一瞬目を見開いた。

かばん「これが、ツチノコさんを呼んだ理由です」
ツチノコ「遺跡.....」

かばんは考え込むツチノコに真剣な眼差しでこう言った。

かばん「ツチノコさん。今度の旅についてきてくれませんか?」

けものフレンズ けものじゃーにー

6
ikapan 2018/06/01 (金) 23:38:46

かばんからの唐突な頼みにツチノコは眉を潜めた。

ツチノコ「あぁぁ!?な、なに言ってんだお前!?」
かばん「お願いします!ここに行けばヒトについてなにか分かるかも知れないんです....!」
ツチノコ「だからって何で俺を....」
かばん「ツチノコさんは遺跡に詳しいですよね?一緒に行ってもれらえると助かるんですが.....」
ツチノコ「むぅ.....」

ツチノコは悩んだ。新たな遺跡に出会えるのは確かに魅力的だが、ツチノコは今までずっと一人で行動してきた。この旅に同行したとして、かばん達と上手くやっていけるか不安だった。

かばん「......この旅に一緒に来てくれたら、これを差し上げようと思っていたのですが.....」

かばんが残念そうな顔でポケットからコインを数枚取り出した。

ツチノコ「....!じゃ、ジャパリコイン!!」
かばん「としょかんで見つけたんです。しかも、かなりきれいです」

ツチノコはしばらく唸ってから答えた。

ツチノコ「分かった.....行くよ...」
かばん「ありがとうございます!!」

喜ぶかばんをみてツチノコは苦笑して呟いた。

ツチノコ「世渡りが上手くなったな....」

7
ikapan 2018/06/01 (金) 23:46:16 修正

かばんに貰ったコインを満足そうに眺めながら、ツチノコはかばんに問いかけた。

ツチノコ「で?いつ出発するんだ?」
かばん「ツチノコさんが大丈夫なら今すぐにでも出発できます」
ツチノコ「!?じゅ、準備とかは無いのか...!?」
かばん「食料も博士達に手伝ってもらって沢山集めたので、長旅になっても大丈夫です」
ツチノコ「そ、そうか....」
かばん「大丈夫ですか?忘れ物や心残りは?」

ツチノコは懐かしの遺跡を思い出した。あそこはもう十分調べ尽くした。心残りは無かった。
ツチノコは少し笑って答える。

ツチノコ「いや、ない。行くぞ」

二人は本棚の影から出た。かばんは椅子にかけてあった鞄を片方の肩にかけて、待ちくたびれた様子で机に突っ伏しているサーバルの肩をポンと軽く叩く。

かばん「さあ、サーバルちゃん。行こう」
サーバル「待ちくたびれたよー!」

サーバルは机から元気よく立ち上がってかばんの横に並んだ。
三人は横並びでスターが到着したときの様にゆっくりと、としょかんの外にでた。降り注ぐ朝日が三人を明るく照らす。普段日当たりの良くない場所で暮らしているツチノコには少し眩しかった。
ツチノコはフードを被り直し、かばんは帽子の位置を直してサーバルは手で日光を遮る。
外の原っぱでは博士と助手が待っていた。

かばん「それじゃあ、行ってきます」
博士「バスはすぐに出せるようにしてあるのです」
助手「最近は異常にセルリアンが多くて物騒なので、気を付けるのですよ」
サーバル「へーきへーき!自慢の爪でやっつけちゃうよ!」
ツチノコ「お前の爪は信用できん!」
サーバル「なんでー!?」
助手「ツチノコ。二人を頼みましたよ」
ツチノコ「お、おう...!」
博士「さあ、早く行くのです。我々はお土産を待っているのですよ」

三人は博士達に見送られながらバスに乗り込んだ。

かばん「ラッキーさん。案内お願いします」
ボス「マカセテ。目的地E-367ヘノ案内ヲ開始スルヨ」

バスはゆっくりと動き出す。

かばんとサーバルはバスの後部から博士達に手をふった。

サーバル「いってくるねー!」
かばん「いってきます!」

大分小さくなってしまった博士達も手を振り返しているのが分かった。
こうして、四人の旅が始まったのだった。

8
ikapan 2018/06/01 (金) 23:52:10

・・・・・取り合えず今日はここまでです。時系列はアニメ版のパラレルと思ってください(苦笑)

9
ikapan 2018/06/02 (土) 20:37:45

かばん、サーバル、ツチノコを乗せたバスはまだ見ぬ遺跡へと向かう。

ボス「マモナク、ジャングルに入るヨ」
サーバル「でね、そしたらライオンが...」
ボス「マ、マモナ...」
かばん「えー?ほんとうに?」
ボス「・・・・・」
ツチノコ「・・・・・・・」

サーバルとかばんが談笑し、ツチノコが遺跡について思慮を巡らせていたとき。

サーバル「あれ?どうしたの?」

突然バスが止まったのだ。

かばん「ラッキーさん。なにかあったんですか?」
ボス「充電切れダネ」
サーバル「ええー!?」
かばん「この辺りに、かふぇみたいに充電できる場所はあるんですか....?」
ボス「ケンサク中....ケンサク中.....」

少しの沈黙のあとラッキービーストが答えた。

ボス「ココカラ約2km先に水力発電小屋があるネ」
かばん「すいりょく...はつでん小屋.....?」
ツチノコ「恐らくこの辺り一帯の電力をまかなっている発電所だろう」
サーバル「わっかんないや!」
かばん「でもそこまではどうやって...?」
ボス「今回は山岳もないから、往復するよりバスを押していった方が早いヨ」
かばん&サーバル「えぇー...」

ツチノコはコインをポケットから取りだして指で弾いた。

ツチノコ「・・・・・・表だ」

コインはくるくると宙を舞い、やがてツチノコの手のひらに帰ってくる。
裏返ったコインを見てツチノコはため息を吐いた。

ツチノコ「ツイてないな....」

かばん「せーの!」
サーバル「フン!」

三人でタイミングを合わせてバスの後ろを思いっきり押す。
サーバルもいるお陰でバスは想像よりも軽快に進んだ。
ジャングルの蒸し暑い空気が三人にねっとりと絡みついてくる。

ツチノコ「ハァ....来るんじゃ....無かった..ぜ...」
かばん「大丈夫で...です...きっと...もうすぐ..です..」

~In 10 minutes~

ツチノコ「おいっ!ぬかるみにハマったぞ!!」
ボス「アワワワワ....!」
かばん「思いっきり押しましょう!」
サーバル「せーの!」

~In 30 minutes~

サーバル「水場だー!」
かばん「ふう....少し休憩にしましょう....」

~In 50 minutes~

サーバル「うわー!?」
ボス「スコール。ダネ」
ツチノコ「お前ら!バスに入れ!」

~In 70 minutes~

ツチノコ「セルリアンだ...!バスの影に隠れろ....!」
サーバル「めっちゃみてるよぉ.....」

~In 90 minutes~

ツチノコ「・・・・・・ハァ...ハァ...まだか...」
かばん「あとどれくらいなんでしょう...?」
ボス「もう少しダヨ。頑張ッテ。ミンナ」

~In 120 minutes~(BGM終了)

かばん「ふぅ...ふう...」
サーバル「まだ....つかないのかな...?」
ツチノコ「・・・・・・・」

全員の体力が限界を迎えようとしたその時だった。
目の前に小さな小屋と、川が見えた。

ボス「到着ダヨ」
一同「や、やったぁ!」

三人は川に向かって駆け出したが、目の前の光景に言葉を失った。

ツチノコ「ど、どうなってんだ...これ....!?」
かばん「そ、そんな....」

川の水が、ほとんど干上がっていたのだ