かばん、サーバル、ツチノコを乗せたバスはまだ見ぬ遺跡へと向かう。
ボス「マモナク、ジャングルに入るヨ」
サーバル「でね、そしたらライオンが...」
ボス「マ、マモナ...」
かばん「えー?ほんとうに?」
ボス「・・・・・」
ツチノコ「・・・・・・・」
サーバルとかばんが談笑し、ツチノコが遺跡について思慮を巡らせていたとき。
サーバル「あれ?どうしたの?」
突然バスが止まったのだ。
かばん「ラッキーさん。なにかあったんですか?」
ボス「充電切れダネ」
サーバル「ええー!?」
かばん「この辺りに、かふぇみたいに充電できる場所はあるんですか....?」
ボス「ケンサク中....ケンサク中.....」
少しの沈黙のあとラッキービーストが答えた。
ボス「ココカラ約2km先に水力発電小屋があるネ」
かばん「すいりょく...はつでん小屋.....?」
ツチノコ「恐らくこの辺り一帯の電力をまかなっている発電所だろう」
サーバル「わっかんないや!」
かばん「でもそこまではどうやって...?」
ボス「今回は山岳もないから、往復するよりバスを押していった方が早いヨ」
かばん&サーバル「えぇー...」
ツチノコはコインをポケットから取りだして指で弾いた。
ツチノコ「・・・・・・表だ」
コインはくるくると宙を舞い、やがてツチノコの手のひらに帰ってくる。
裏返ったコインを見てツチノコはため息を吐いた。
ツチノコ「ツイてないな....」
かばん「せーの!」
サーバル「フン!」
三人でタイミングを合わせてバスの後ろを思いっきり押す。
サーバルもいるお陰でバスは想像よりも軽快に進んだ。
ジャングルの蒸し暑い空気が三人にねっとりと絡みついてくる。
ツチノコ「ハァ....来るんじゃ....無かった..ぜ...」
かばん「大丈夫で...です...きっと...もうすぐ..です..」
~In 10 minutes~
ツチノコ「おいっ!ぬかるみにハマったぞ!!」
ボス「アワワワワ....!」
かばん「思いっきり押しましょう!」
サーバル「せーの!」
~In 30 minutes~
サーバル「水場だー!」
かばん「ふう....少し休憩にしましょう....」
~In 50 minutes~
サーバル「うわー!?」
ボス「スコール。ダネ」
ツチノコ「お前ら!バスに入れ!」
~In 70 minutes~
ツチノコ「セルリアンだ...!バスの影に隠れろ....!」
サーバル「めっちゃみてるよぉ.....」
~In 90 minutes~
ツチノコ「・・・・・・ハァ...ハァ...まだか...」
かばん「あとどれくらいなんでしょう...?」
ボス「もう少しダヨ。頑張ッテ。ミンナ」
~In 120 minutes~(BGM終了)
かばん「ふぅ...ふう...」
サーバル「まだ....つかないのかな...?」
ツチノコ「・・・・・・・」
全員の体力が限界を迎えようとしたその時だった。
目の前に小さな小屋と、川が見えた。
ボス「到着ダヨ」
一同「や、やったぁ!」
三人は川に向かって駆け出したが、目の前の光景に言葉を失った。
ツチノコ「ど、どうなってんだ...これ....!?」
かばん「そ、そんな....」
川の水が、ほとんど干上がっていたのだ