プロローグ
西暦201X年5月27日 PM7:51
ロッジアリツカ「みはらし」にて。
「ヴヴ! ヴァア!」
……どうして、こんなことになったのだろう。
ボクは……ボク達は、別に何も悪い事はしていないはずだ。
「キャーーーーー!」
他の部屋から、そんな声がする。
きっと誰かが、あいつらに殺られたんだろう。
「ねえ、かばんちゃん! どうしよう! 扉の窓に、ヒビが入ってるよ!」
そんな窓。
その向こう側には、凶暴化し、見るも無残な姿になったフレンズたちが、ドアを叩き、壊そうと力を込めている光景がある。
「サーバルちゃん。……サーバルちゃんは、ボクが守るから、心配しなくていいよ。」
……ここに居られるのも、時間の問題なのかな。
時間が迫る音……、ドアが壊れそうな音が、ボクの耳に、どんどん大きくなって、入ってくる。
「……ッガア! ヴヴーーッ! フーーーッ! グルルルル……。」
……ヒビ割れた窓の向こうからは、時折そんな呻り声が聞こえてくる。
「サーバルちゃん。一旦逃げよう。このままここにいても、襲われちゃうのが目に見えてるよ。」
ボクはサーバルちゃんにそう声を掛ける。
「で、でも、ここから逃げるなんて。ど、どうやって……。」
サーバルちゃんは戸惑いながらも、ボクの目を見つめながら言う。
「サーバルちゃん。サーバルちゃんには、あのジャンプ力……それと、かなり重いものも持てる、あの力もあるでしょ。」
ボクはそう、彼女に話す。
「……! で、でも、それじゃあ、もし踏み外したら……。」
「いいよ、別に。それに、どうせ死ぬなら……、サーバルちゃんと一緒の方が良いし。」
「……。」
サーバルちゃんが、そのボクの言葉を聞いて俯いた途端、後ろのドアが破れる。
「グルルルルルル……!ヴガァァァアアァァアアアアア!」
荒げた声で、フレンズさんたちが呻り、入口から入ってくる。
「……分かった。」
サーバルちゃんはそう言うと、ボクの体を持ち上げて続ける。
「行くよ。……かばんちゃん!」
「うん。」
「うみゃみゃみゃみゃみゃ! うみゃーーーーーっ!」
彼女はそんな声を上げ、ボクを抱えながら空を舞った。
第1話
……事の始まりは、ボク達が大セルリアンを倒した直後の事だった。
港にヒトのフレンズが打ち上げられていたとの連絡をハカセさんたちから受け、ボク達はアライさんさん、フェネックさんを連れて、港に向かった。
港に着くと、そのヒトのフレンズと思われる姿が横たわっていた。
ボクがそのフレンズに近付くと、ラッキーさんが突然不穏さを掻き立てる、大セルリアンを倒す前に聞いた、あの音を鳴らし、言った。
「チュウイ、チュウイ、オシラセシマス。サンドスター・ロウノノウドガタカクナッテイマス。チョウダイキボナサイガイガヨソウサレマス。オキャクサマハ、タダチニ……」
その文は少し前とは違っていて、とても焦っているような声だった。
「ラッキーさん……? どうしたんですか?」
ボクはラッキーさんにそう聞いた。
「カバン、アノフレンズニチカヅクノハヤメテオコウ。ナンダカイヤナヨカンガスルンダ。」
ラッキーさんはそう答えた。
「……ラッキーさん。失礼ですよ。そんなこと言ったら。」
ボクはラッキーさんにそう言った。
後にこのラッキーさんの失言が、役に立つことさえも知らずに。
「あのー。」
ボクは、そのヒトのフレンズ……、いや。それに話し掛けた。
でも、返事がない。
「ねえ、かばんちゃん。なんでこの娘起きないんだろう?」
サーバルちゃんがそうボクに聞く。
「……分からない。けど、一応ハカセの所まで持っていこう。」
そう言い、ボクが近付いたその時だった。
……そのフレンズさんは、突然まぶたを開けた。
「あっ。気付きましたか? 良かったです。……あなたは、なんのフレンズさんですか?」
ボクはそのフレンズさんにそう聞いた。
「……。」
一瞬、聞こえたような気がし、ボクは聞いた。
「え、すみません、よく聞こえないので、もう少し大声で言って下さい。」
するとそのフレンズさんはこう答えた。
「……ヒトだ。名前は里島 武。」
「さとしま……たける……さんですか?」
ボクはそう相づちをうつ。
「ああ、そうだ。俺の名前は里島 武。26歳、研究者だ。」
ボクは、そのヒトに強い恐怖感を覚えた。
「ま、まあとりあえず、図書館に行きましょう。」
その理由は……――
「ああ。そうするよ。」
――……なんだか、あまりに冷淡としすぎていたからだ。
第二話
そんなこんなで図書館へと着く。
ボクはさとじま たけるさんに、料理を振る舞った。
「っあああ! なんだこれ! クソうめえじゃねえか!」
里島 武を名乗るフレンズは、そう言いながら、ボクの作ったカレーを貪っていた。
「気に入って頂けて、何よりです。」
ボクはそう、そのフレンズさんにそうお礼を言った。
「いやいや、気に入るどころじゃねえよ! 下手すりゃお前、三ツ星……いや、五ツ星レストランにだって料理長に一発で合格するレベルだぞ。」
「なんだかよく分かりませんけど、ありがとうございます!」
そんな会話もあり、夜になる。
ボク達は、里島 武ちゃん(?)を連れ、ロッジアリツカに泊まることにした。
そして、ボク達は「みはらし」に泊まり、里島 武ちゃんは「しっとり」へ泊まった。
里島 武ちゃんが「しっとり」へ泊まった理由は、「じっけん」というものがしやすいからだという。
もちろんこっちにも、「みはらし」へ泊まった理由はある。
サーバルちゃんのためだからだ。
……そんな中。
「ハハ……ハハハ……アハハハハ! ついに出来た! ついに出来たんだ……D-ウイルスが! ハハ……ハハハハ……! ハハハハハッ! 俺の……三年間の苦労が報われた……! あとは日本に帰って、これをアイツの飼ってるフレンズに飲ませるだけだ! ハハッ! ハッハッハッハッ! ア~ッハッハッハッハッハッ!!!」
出来た……いや、出来てしまった。
人類……それどころか、地球までもが滅ぶほどの威力を持った、最強……いや、最凶のウイルス兵器が、出来上がってしまったのだ。
「……明日、この島を出よう。アイツらに思い知らせてやるんだ。」
「最低で、卑屈で、汚れたこの世界を……――
――ぶっ潰してやる。」
NEXTDAY…….
翌日……。
「ん……。って、うわあああ!」
朝。
オレンジ髪の猫耳少女の隣で、里島 武は目覚めた。
「なんだ……。サーバルか。」
そう言った里島 武は、目を擦りながら、サーバルの肩を片手で揺さぶりながら言う。
「おーい。起きろー。朝だぞー。」
「うみゃ……?」
そんな声を上げ、サーバルは起きる。
その声を漏らす口からは、ただならぬ量の唾液が床の岩にシミを及ぼしていた。
寝ぼけも覚めたのか、パッと目を見開き一言。
「あ! 起きて! さとじま たけるちゃん!」
「もう起きてるわ……。あと、呼び方短くしてくれ。さとじま か たける で。」
「はーい! じゃあ、さとじまちゃん! ……これでいい?」
「……いいぞ。」
「わーい! また一人、フレンズの名前を覚えちゃった!」
サーバルは子供の様にはしゃぎながらそう言った。
「……まあ、ここにいるのも、あとは今日だけだがな。」
里島はそう、ボソッと小声で呟いた。
「……え?」
「みなさーん! ご飯、出来ましたよーっ!」
「うっしゃー! メシまで競走だ!」
「え!? ええええっ!? ま、負けないんだから!」
とりまプロローグと第一話はしゅーりよー
支援
なんだかけものの本能みたいですねけものの本能……名作。
ちなみにけものの本能と同じサイトで連載してるんですがね。設定だけクロスオーバーさせたらかなりえぐーい!な状態になってしまいました。
続きはそっちで見てもらえると……
続きはそっちでって....
それなら失礼ですが一つ言わせて頂きます。
なぜ立てた?苦笑
>> 6
暇だったので、とりあえず評価してもらおうかと。
なるほど....(笑)
ですが評価してほしいと言う目的だけで、"執筆の意思が無い"のであればお手数おかけしますが
こちらに主様のSSのURLを張り付けた後、このスレは削除依頼を出しておいてください(汗)
オススメSS紹介スレ:https://zawazawa.jp/minmi/topic/75
二次創作総合案内:https://zawazawa.jp/minmi/topic/118
この掲示板の多様な機能を使ってここに投稿してみるのもよいかもしれませんよ。
文字の大きさを変えたり、画像の貼り付け、youtubeのBGM動画を埋め込んだりできます。
私はこんな風にアドベンチャーゲームのような会話をさせています。
~フレンズと学ぶアルコール殺菌~
お腹が空いたのだ 一昨日の残り物でも食べるのだ
ガサゴソ ガサゴソ
ふぇぇぇえええ!
大声出してどうしたのーアライさーん
カビが生えているのだぁ~!お腹の危機なのだー!
ちゃんと保存方法を考えないとダメじゃないかー
いったいどういうことなのだ?
ゴミ箱じゃなくてちゃんと冷蔵庫に入れておかないとー
あとはコレをスプレーすると長持ちするんだよー
おお!アルコールはアライさんも聞いたことあるのだ!
よく手洗いに使われるけれど食べ物に使えるのもあるのさー
食べ物にかけても大丈夫なのかー?
食品添加物として認められているものを使っているから大丈夫なんだよー
それは安心なのだ!でもフェネックー
なんだいアライさん
どうしてアルコール濃度が77%なのだ?100%の方がつよそうなのだ
>> 8削除ってどうしたら?
https://zawazawa.jp/minmi/topic/52
ここにこのページのURLを記載して削除依頼をだせばOKです。
(しかし本当によろしいのですか?)