ガイ「硬い…!」
偽かばん「……!!」
暫く戦闘していたガイだったが、先程から攻めあぐね始めていた。
彼は確かに速い。しかし、ヒグマのような強烈な一撃を繰り出す事は出来ず、偽かばんに有効な一撃を与えられなかったのだ。
そこで、偽かばんが目が赤く光る。
偽かばん「…!!!」
周囲の木々「●●●●●!!!」メキメキ
ガイ(木が襲いかかってきた!?周囲の物体を操れるのか!)
先程の木彫りも、同じ理屈で操っていたのだろう。その能力で、偽かばんはガイを追い詰める。
その時だった。
タイリクオオカミ「後ろがガラ空きだよっ!」
偽かばん「!!?」
背後から、タイリクオオカミが奇襲を仕掛けた。偽かばんは吹っ飛ばされ、ガイはすんでのところで木の攻撃を避ける。
ガイ「君達は…」
かばん「跳んで下さい!」
ガイが、かばんの声を聞いて飛び退く。
そして、偽かばんが立ち上がった時にはもう遅い。
アリツカゲラ「いっ…けぇええ!」
アミメキリン「名探偵といえばぁああ!」
頭上から、声。
アミメキリン「真犯人への、一発ッ!」
サバンナのフィジカルモンスターが、偽かばんへと落下した。
ライオンの群れすら時に撤退させるキリンの体当たり。それをマトモに食らったのだ、無事であるはずがない。
サーバル「やったー!」
セーバン「凄い…」
ガイ「…君の作戦かい?」
かばん「えっ…あ、はい。そうです。あなたが気を引いている内にタイリクオオカミさんが不意をついて、その隙にアリツカゲラさんにアミメキリンさんを投下して貰いました」
タイリクオオカミ「やれやれ、すごく硬い皮膚だ。手が痺れちゃったよ」
アリツカゲラ「アミメキリンさん、凄く重かったです…」
アミメキリン「名探偵であるこの私が、見事事件を解決してあげたわ!」
クレーターの真ん中で、えっへんと胸を張るアミメキリン。
故に、彼女は気付けない。まだ終わっていない事に。
アミメキリン「感謝しなさキャー!?」
タイリクオオカミ「アミメ君!!」
突如、宙を舞う彼女の身体。投げ飛ばしたのは、下敷きになっていた筈の偽かばんだ。
偽かばん「●▼✖︎◼︎!!!」
サーバル「え・えー!?めっちゃ怒ってるよ!」
かばん「そんな…」
ガイ「エネルギーを溜め始めている…不味い!」
ガイが前に出て、取り出した剣を掲げて皆を庇った、その時だった。溜め込まれた負のエネルギーが放たれたのは。
ガイ「ぐっ…」
一同「うわぁ!?」
ガイが剣で張ったバリアーにヒビが入る。
かばん「このままじゃ…!」
サーバル「負けないんだからっ!」
かばん「サーバルちゃん!?」
サーバルの身体が輝き出す。
サーバル「私たちは、あなたに屈したりしないもん!フレンズを甘く見ないで!!」
タイリクオオカミ「そうだ!フレンズを、友達を傷付けたお前に負けるわけにはいかない!」
アリツカゲラ「私だって…!」
未だ立っているフレンズの身体が光り、その輝きがエネルギーの波を一瞬押しのけた。
かばん「!!今です、ガイさん!」
ガイ「ああ!」
そのエネルギーの隙間を縫って、偽かばんへと放たれる聖剣。その名を、ガイが叫ぶ。
ガイ「オーブカリバー!!」
寸分違わず命中した剣。それが放った光と、フレンズ達の輝きが重なった瞬間。
偽かばんは爆散し、巨大な爆発が巻き起こったのだった。