───それは、輝かしき夢の影差す新世界───
───昔、大きな戦争があった。
私が生まれる前のことだ。
しかし、戦争が終わっても、平和には影が落ち続けた。
誰しもが“聖杯”を持ち、運命の示すサーヴァントを喚ぶ。
安寧からはあまりにも離れた狂騒の中で、それでも、私達は生きている。
それは、「秋葉原」から遠く離れた、影に包まれる繁栄の世界。
・(泥Requiem世界を舞台としたロールスレッドです。)
───それは、輝かしき夢の影差す新世界───
───昔、大きな戦争があった。
私が生まれる前のことだ。
しかし、戦争が終わっても、平和には影が落ち続けた。
誰しもが“聖杯”を持ち、運命の示すサーヴァントを喚ぶ。
安寧からはあまりにも離れた狂騒の中で、それでも、私達は生きている。
それは、「秋葉原」から遠く離れた、影に包まれる繁栄の世界。
・(泥Requiem世界を舞台としたロールスレッドです。)
リゥは顔を覆った。考えうる限りの最悪が当たってしまったのだ。
『……二体目だ』
機体のセンサーは数km先から、先程倒壊した無人機塊と同じものが、あろうことかこちらに接近しているのを捉えていた。更にアラート。その近くに三体目まで発見した。悪夢でも自分は見ているのかと現実から目を逸らしたくなる。
ここまで来るともはや回収業者の領分ではない。リゥたちのするべきことは速やかに帰還し評議会に報告書を提出することだろう。……だが、このままでは遁走すら容易ではない。
『聞いているかルーキー・アンリエッタ! 僕はこちらに接近する二体を仕留めに行く! あんたたちはその、よくわからないのをどうにか抑えてくれ! そして「港島」に戻り報告を頼む!』
そう言うだけ言い残して。現れたときと同じく、空気の燃える甘やかな香りだけを残して唐突に『クルージーン』が飛び去っていった。
(離脱します)
>> 27
「え? なんて?」
何かしゃべったのは分かった。うん、わかったのだ。分かったのだけど。
わ か ら な い
聞き間違えだったかな… と思って思い返して脳内で解析するも、静雄の脳みそのCPUはMS-DOSにも劣る低スペックであるためたちまち煙を噴き出した
「すまん! SCORE! なんていったかわかる!?」
『ありがと、だって』
「あー、感謝されたの俺 …なんで?」
静雄は首を傾げたが、その拍子に先ほど見えた違法回収業者がまた見えた。
>> 26
「あいつ……こっちをうかがってやがるな? 漁夫の利でも狙いてぇのか? そうはいかねぇぞ」
そう言いながら、腰に差すモーゼルに手を伸ばし、そして弾倉入れに手を伸ばす。
違法回収業者がどんな手も使う非情な奴らだ。ここで放っといたら目の前の少年やら、
クロ姐やら怪我させかねない。そう考えてすぐにでも攻撃できるように準備を
じゅんびを……
「ああああああああ!? 弾がねぇ! くっそ!! さっきので打ち尽くした!!
……悪い!! 後頼めるか…? SCORE!」
『いいよ。任せて。彼は、僕と仲良くなれるかも』
「友達出来そうか! そりゃよかった!」
バンッ! と爆炎と共に地面を蹴り上げて走り出し、
SCOREを通じてアンリエッタと巨大ロボの操縦士、おまけに謎の少年にメッセージを伝える。
「すいません! 全速で調達してきます!! SCORE預けますので好きに使ってやってください!!
SCORE! 5時までには帰るんだぞ!!」
『わかったー』
そう言って、静雄はそこから離脱していった
/夜も遅いので離脱します! お疲れ様でした! SCOREは自由に使ってくれても 帰してもどちらでも結構です
>> 28
/お疲れ様でした!
>> 24
(チラチラこっちを見てやがる、気づかれてるな…まぁまだ警戒してるぐらいか)
自身の存在に気付いているであろう彼の視線を気にしながらも、未だ物陰に隠れる。
>> 25
(ほう…そんな物があったのか、それは良いことを聞いた)
思いがけないロストHCUの情報、やはりここに来て正解だったなとほくそ笑む。
向こうのサーヴァントがこちらの様子を伺っていることには気付かないまま。
>> 27
(しかしあれは一体何だ…?あれもロストHCUか何かか…?)
得体の知れない“それ”の様子に警戒し、その場から動けずにいた。
あれがどういったものかわからない以上、迂闊に動くのは危険だと判断したゆえの行動である。
>> 28
(お、あのデカ物が離れたか…ツイてるぜ)
思いがけない幸運に、イーサンは再びほくそ笑む。
あの二人はあの得体の知れない相手をせざるを得ないだろう。
そして俺も動きやすくなり、ここがゴタゴタするうちにロストHCUを先に回収しやすくなるだろう。
そう考え、やがてその機会が来るタイミングを待ち続ける。
>> 28
>> 29
/お疲れ様でした!
>> 28
>> 29
/お疲れさまでした
/クソ面倒なキャラで絡んで申し訳ない!
/いいんだ…
/お疲れ様でした
>> 28
「あー……出るだろうね、やっぱ」
神戸に来て、自分も暫く立ってはいる。少なくとも異常な風景に驚くことはもうないし、起こりうる事態の予測も、目の前のペンルィ程では無いが付くようになった。
故に、沈痛な声でその事実を告げる彼の声に、落胆を多分に含んだ声色でもって応えた。
突然一体現れたのだ。二体目、三体目が突然現れても、何もおかしくはないではないか。
「わかった。私もできるだけ早く離れるわ」
彼女はそう呟くと、小言は多いが、しかし確かに信頼の置ける彼という先達の去り際を、少しばかり眺めていた。
/お疲れ様です!
>> 27
"それ"の発した音は、声のようで声ではない。……が、静雄のサーヴァント、SCOREの声には、確かに反応を示しているようでもあった。……よくわからない。
SCOREは、その言葉を理解できるようだ。……彼の言葉に従った方が良いのだろうか?
>> 29>> 31
「ああ、もう。……滅茶苦茶に撃ってるからよ。派手なのはいいけど……って、ちょっと!…話は後!!」
そうこうしているうちに、静雄が弾切れを起こしてその場から去ってしまう。
残されたのは、ライダーを連れた彼女という直営回収業者ひとり。
……横からかっさらうには、またとない機会だ。
>> 28>> 29
/お疲れ様でした!ありがとうございます!
>> 29●●●● …どうする、アイツだけなら俺も危険か…!?)
(ゲッアイツまで離れるのかよ
いきなり回収業者が二人も去り、流石の彼も焦る。
なにせここに戦力が自分ともうひとりの回収業者しかいないのだ。
そんな彼が取った行動は……
>> 36
(悪いな、あとは一人でなんとかしてくれ)
離脱であった。違法回収業者の彼にとって、当然とも呼べる行為。
ロストHCUを回収するなら今が最適である。
そして彼はロストHCUを探し始めようとその場を後にしようとするーーー
>> 28
>> 29
離れていく少年やクルージーンには、“それ”は目もくれない。言葉を直接届けたSCOREのことしか目に入っていないようだ。
相変わらず『指』だけは巨人を指し、その動きを抑えてはいるが、『顔』はがっつりSCOREを捉えている。
「豌励▼縺九↑縺九▲縺溘h。蜷帙、し繝シ繝エ繧。繝ウ繝茨シ?」
『うん、そう。君は?』
「……」
『言いたくないの? ……うーん。それだとマスターが困るんだけど……』
「……縺斐a繧薙h」
『まあ、仕方ない、かな?』
聞き取りさえできない謎の言葉で、“それ”とSCOREは会話する。しかし、その間、少しも巨人は動かないまま。
問うてみれば、それは『敵』だから、どうにかしようとしているのだ、と“それ”は答えた。
『じゃあ、あれを倒すの、手伝ってくれる?』
「繧上°縺」縺溘h」
『ありがとう』
……どうやら、一先ず巨人の討伐には協力してくれるようだ。
>> 39
「……うまく行ったみたいね」
どんな存在なのかすらも分からないが、とりあえずSCOREの力によって対話は行えているようだ。
後はSCOREを頼るしかないだろう。……不可解な力を持った目の前のものは、壊すのには協力してくれるとの事。
「ん、まだ壊し切ってないしね……こいつ一体だけでも壊すか」
「……言うて、どう壊し切るの?また再生するよ」
『それは問題ない』
ライダーが口を開いた。
『暫くそいつを見ていたが、どうやら中心に向けてガラクタ連中が動いている。……そいつの中心に、中核になるガラクタがあるんだろうよ』
「……じゃあ、穴を空ければいいわけね」
『簡単に言うな小娘(マスター)。お前にも残存魔力は余りないだろう?逃げ出す体力が無くなればどうする』
「……それじゃあ、どうやって……」
>> 38
するとライダーは、そこから脱出しようとする業者へと、唐突に振り返って声を上げた。
『おい、お前。そこに居るんだろう?』
『少しは付き合っていけよ。でなきゃこいつが、お前にデカブツをけしかけると言ってるぞ』
無論、これはハッタリだ。食いついてこなければそれまで、だが……
/大分遅れてしまいました、申し訳ない……
>> 40●●●● !良い性格してやがんな直営 の連中はよ!」
「……ああ
ライダーの声に、少し遅れて反応し彼らの前についに出てくるイーサン。
あのサーヴァントの言うとおり、あのデカブツをけしかけられたら面倒なのはこっちだ。
もしやそれなら今ぐらい共同で破壊すればまだマシという考えでの行動だ。
ひょっとすれば単にカマをかけられただけかもしれないが、もう出たものはしょうがないと半ばヤケクソ気味の思考だった。
>> 41
/いいんだ…
>> 40
>> 42
他の人間は相変わらず目に入っていないが、SCOREの通訳のもと、“それ”は指差しを続ける。
『機械が集まってる真ん中あたりに、コアがあるんだって。さっきみたいに、止められる?』
「……、チ、遉テ、ネニキ、、」
『そっか。じゃあ、そのまま止めててくれるかな』
「・ェ・テ・ア。シ」
『ありがとうね』
巨人をその場に押し止めることに注力する、ということを、少女と男へ伝えるSCORE。その間も、“それ”はじっとSCOREを見ている。
特に喋りだすことはない。見ているだけ。何を思っているのかは、様子からは窺えない。
「めんどくせぇ事に巻き込まれたぜ全く…話は聞こえてたよ、アイツの腹に穴あけりゃいいんだろ」
ブツクサと文句を言いながら、イーサンは自身の武器、AA-12のマガジンを別の物に変更する。
それは高性能爆薬を内蔵した特殊な弾丸『FRAG-12』、言ってしまえば弾丸の一発一発がグレネードである。
そんな代物が詰め込まれたマガジンをフルオート射撃するのだ。
普通ならひとたまりもないだろう、無論あの巨人を破壊するのにも十分な威力だ。
>> 44
「ったく、得体がしれない奴だな。まぁ今はいいが……」
“それ” に得体の知れない恐怖を少し感じながらも、“それ” の能力によって動かなくなっている巨人の腹部へ向けて、弾丸を連射したーーー
>> 42違法 !?こんなところまで……」
「……
彼女は物陰から出てきて初めて、物々しい装備の黒肌の男に初めて気づいた。
『先ほどから怪しかったのでな。……何、協力するならオレ達もお前からは手を引く。おそらくこのデカブツも、ロストなんとかとかいうやつだろうよ。……悪い話じゃないだろう?』
「違法と協力するってこと?!」
『それしか手はないだろう。オレに注げる魔力はあとどの程度だ?』
「……あーもう。分かった分かった、この魔力食いサーヴァント」
>> 44>> 45
さて、"それ"が巨体を押しとどめている間に、ライダーと男は巨体を挟んで反対側に陣取り、槌矛を構えた。
『じゃあ、せーので行くぞ。1、2……』
力を込め、勢いよく巨躯の胸へと、男が銃撃をたたき込むと同時に振り下ろす。
『3!!』
凄まじい破壊音と共に、巨体の胸部は木っ端みじんに爆ぜる。
すると中から、異様な赤色の光を発する、特殊個体とも言うべき無人兵器の、すでに破壊された残骸が姿を現した。
『巨人は、こいつの仕業か……』
残骸を取り出したライダーは、興味もなさげにそれを一瞥すると、何を思ったか───男に、それを差し出した。
「ちょ、ロストHCUよ!?違法にあげるの!?」
『元より目当てじゃない。それに、他はあの小僧(リゥ)が回収するだろうよ』
戸惑う少女を尻目に、ライダーは男を見据える。
『……オレはかつて、善に生きた。だが今は、悪に堕ちている。罪過の呼び声が、オレを常に苦しめている』
『お前の目は、オレと似ている。罪過に苛まれながら、動く他ないと。──────そうなのではないか?』
がらくただが、ロストHCUと認められる程度の原型は保っているだろう。
受け取るも受け取らぬも、男次第だが──────
>> 46犯罪者 だ、人様に迷惑かけて生きてるロクデナシだ…それ以上でもそれ以下でもねぇよ。じゃあな、直営 のクソガキとそのサーヴァント」
「……素直じゃねぇか。いいぜ、貰ってやるよ」
ライダーからロストHCUを受け取るイーサン。
もう用は済んだ、とばかりに少女とサーヴァントから背を向ける。
「俺はただの
立ち去ろうとする途中思い出したかのように男は足を止め、彼らに振り返ることなくライダーに先ほどの答えを返し、今度こそその場を立ち去ろうとする。
>> 46
>> 47
『ふう……これで終わり、かな?』
「ナン、サ、ソ。 ナィ、マ、ェ、キ、゙、、」
崩れ落ちる巨人の残骸を尻目に、“それ”は指差しを終える。脅威は消えた、と、そう認識したのだろう。
『ありがとう、助かったよ。手伝ってくれてありがとう』
「、ウ、テ、チ、ウ、ス。 、ク、网「。「、゙、ソ、ヘ」
『え? またねって』
しかし、SCOREに対して何事かを伝えると、“それ”は文字通り、瞬きする間に「消えた」。
思わずSCOREが周囲を見渡すが、痕跡一つ残っていない。彼なりに魔力が残っていないかなど調べるが、これもダメ。
空間転移。魔法にも匹敵する現象を、それも一瞬の内に。異様な光景を眼にした混乱のあまり、少女と男のやり取りも、SCOREの耳には入っていなかった。
───“それ”はもういない。いたという証拠もない。後には、困惑する1騎のサーヴァントだけが、ぽつりと残されていた。
、ス、ヲ、、、ヲサヒ、ハ、テ、ソ
/こちらはこれにて失礼いたします……
>> 48
/お疲れ様でした!
>> 47>> 48
『カ、ハハハハ……お前は素直ではないな。まあ──────鉄屑でも、悪くない駄賃だろうよ』
去り行く男の背中に向けて、彼はどこか遠くを見、独り言のように告げる。小娘 。脅しの道具のデカブツが無くなったのだ。奴の狙いがアレであるならば、取引に使わぬ手はない。奴はサーヴァントも見せていないのだぞ?オレを動かす魔力も、もう無いだろうに』
そして振り返ると──────鬼の形相でこちらを見据える、マスターの姿があった。
『……何だ。"解き放った"時以上に恐ろしい面をしているぞ。』
「何のつもり?」
少女は問い詰める。これではまるで横流しだ。
『別段、無意味に渡したのではない。相互不可侵だ、
「……確かに。……戦う以外の選択肢あったんだ、あんた」
『戦えないのなら、戦わぬ他ないだろうよ。命と引き換えに強奪されたようなものだ。…それに、暴れられてこいつに何かあれば────ん?』
ライダーはそこで初めて異変に気付き、続いて少女も気付く。
そこには、確かにそこにいたはずの"それ"が、忽然と消えていたのだ。
「何だったの?一体──────」
後には、ただ困惑する少女と、ライダー、そしてSCOREだけが残っている。
遠くに見えていた巨人の姿も、もうない。彼がやってくれたのだろうか。
夕日が差し、冷たい風が吹く。あたりにはどこか、寂しい雰囲気だけが残っていた。
此処はモザイク市「神戸」。今日もまた不可解な現象が起こり、そして幕を閉じたのである。
【ロストHCU 調査報告】
・無人機兵【巨兵モデル】
二機をほぼ完全な状態で確保。一機は破壊された上、違法回収業者によって強奪された。
・無人機兵プラント基盤
所在地未だ不明。周辺一帯には大量の無人機兵が存在する模様。巨兵モデルの出現も多数報告されている。
・不明
直営回収業者が接触した謎の生命体。ロストHCUの可能性があるとみて調査を進行中。
/ここで以上とさせていただきます……お疲れさまでした……!
>> 50
/お疲れ様でした!ありがとうございました!
>> 50
>> 51
/お疲れさまでした!
/因みに“それ”の能力についてはそのうち泥としてしっかりお出ししたいと思っています(願望)