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「ん……知り合いっつーか、同僚。シゴトじゃ
とりあえずの危機は脱した事を確認して、埃を払いながら静雄に向けて呟く。
「架線?"かんしゃく玉"で永久に壊れるじゃん、そんなん。いちいち気にしてらんないし」
減らず口を言いながらも、上空で警戒を怠らない大型ロボットを見つつ、流石のベテランだと彼女は微かに思う。
聞かれたことに対しては素直に、これまでの状況を簡単に説明した。
「ん——————回収物は一応。無人機の全自動生産システムだかのプログラム。工場はこの辺にあるらしいけど、スクラップで埋まってるっぽい。私はその調査。……こいつは知らんケド。」
「——————で、まあ。壊しながら探してたら、そのでかいのと——————」
彼女は次に、"それ"へと指を指す。そこには驚くべき光景があった。
>> 23
「——————!?」
彼女の指さした先には、その光景の一部始終があった。
腕をすり抜け、瞬間移動などの不可解な行動を行いながら、"それ"が巨人に向けても先の動作をしているのに気づく。
巨人が再生していたことと、その再生が止まった事に彼女が気づいたのは、ほぼ同時だった。
まったく理解できない光景だが、あるとすれば眼前のそれは———————
「ホント、何これ。——————"サーヴァント"?それとも……」
>> 22
『——————』
同時期。こちらへと近付いてくる不審な影に、ライダーは気づいていた。
金色の邪眼を静かにそちらへ向けるが、たくみに視線を避けながら移動しつつ、しかし確実に近づいてきている。
手練れの間者か、あるいは——————そう判断したライダーは静かに、しかし確実にそちらの様子をうかがっている。
何か行動を起こしてくるならば、少なくともマスターだけは護れるよう、密かに構えた。