リゥ・ペンリ
2019/12/16 (月) 23:01:26
リゥは顔を覆った。考えうる限りの最悪が当たってしまったのだ。
『……二体目だ』
機体のセンサーは数km先から、先程倒壊した無人機塊と同じものが、あろうことかこちらに接近しているのを捉えていた。更にアラート。その近くに三体目まで発見した。悪夢でも自分は見ているのかと現実から目を逸らしたくなる。
ここまで来るともはや回収業者の領分ではない。リゥたちのするべきことは速やかに帰還し評議会に報告書を提出することだろう。……だが、このままでは遁走すら容易ではない。
『聞いているかルーキー・アンリエッタ! 僕はこちらに接近する二体を仕留めに行く! あんたたちはその、よくわからないのをどうにか抑えてくれ! そして「港島」に戻り報告を頼む!』
そう言うだけ言い残して。現れたときと同じく、空気の燃える甘やかな香りだけを残して唐突に『クルージーン』が飛び去っていった。
(離脱します)
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