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『カ、ハハハハ……お前は素直ではないな。まあ──────鉄屑でも、悪くない駄賃だろうよ』
去り行く男の背中に向けて、彼はどこか遠くを見、独り言のように告げる。
そして振り返ると──────鬼の形相でこちらを見据える、マスターの姿があった。
『……何だ。"解き放った"時以上に恐ろしい面をしているぞ。』
「何のつもり?」
少女は問い詰める。これではまるで横流しだ。
『別段、無意味に渡したのではない。相互不可侵だ、
「……確かに。……戦う以外の選択肢あったんだ、あんた」
『戦えないのなら、戦わぬ他ないだろうよ。命と引き換えに強奪されたようなものだ。…それに、暴れられてこいつに何かあれば────ん?』
ライダーはそこで初めて異変に気付き、続いて少女も気付く。
そこには、確かにそこにいたはずの"それ"が、忽然と消えていたのだ。
「何だったの?一体──────」
後には、ただ困惑する少女と、ライダー、そしてSCOREだけが残っている。
遠くに見えていた巨人の姿も、もうない。彼がやってくれたのだろうか。
夕日が差し、冷たい風が吹く。あたりにはどこか、寂しい雰囲気だけが残っていた。
此処はモザイク市「神戸」。今日もまた不可解な現象が起こり、そして幕を閉じたのである。
【ロストHCU 調査報告】
・無人機兵【巨兵モデル】
二機をほぼ完全な状態で確保。一機は破壊された上、違法回収業者によって強奪された。
・無人機兵プラント基盤
所在地未だ不明。周辺一帯には大量の無人機兵が存在する模様。巨兵モデルの出現も多数報告されている。
・不明
直営回収業者が接触した謎の生命体。ロストHCUの可能性があるとみて調査を進行中。
/ここで以上とさせていただきます……お疲れさまでした……!