仏教のお話

Rの会:方便品第二(後半)

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Rの会:妙法蓮華経方便品第二(後半)
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Rの会では、一大事因縁のところまでを前半にしていますが、話の流れでいくと五仏章までを前半にしたほうがいいように思えますので、このブログでは、そのようにしました。
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偈頌
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経:その時に世尊、重ねてこの義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく。
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太郎訳:その時に世尊は、これまでに説いてきた内容を詩にして、繰り返して説かれました。
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五千人の退席
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経:比丘・比丘尼の 
増上慢を懐くことある
優婆塞の我慢なる
優婆夷の不信なる
是の如き四衆等
その数五千あり
自らその過を見ず 
戒に於て欠漏有って
その瑕疵(けし)を護り惜む
この小智はすでに出でぬ
衆中の糟糠(そうこう)なり
仏の威徳の故に去りぬ
その人は福徳少なくして 
この法を受くるに堪えず
この衆は枝葉なし 
ただ諸の貞実のみあり

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R訳:すると世尊(釈尊)は、以上の意味を『偈』を以って重ねて説かれました。
先に五千起去した者たちは、まだ悟っていないのに悟ったと錯覚し、慢心が強く、自分のあやまちに気付かず、そのために戒律を守ることができていない者たちです。その者たちは、自身の欠点を知っておきながら、そのことに向き合うこともなく妥協して、目先のことしか考えないその場しのぎ、易(やす)きにつく身勝手な精神の持ち主でした。それゆえ、仏の境地があまりにも高いため、その教えに堪えることができずに去って行ってしまったのです。この者たちは過去において積んだ徳が少ないために、この『最高の教え』を受け止める力が不足していたのです。しかし、今、ここに残っている人たちは、それに耐えうる実力のある人たち、要となる人たちです。枝葉の人でなく幹の人です。

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:
太郎訳:男女の出家修行者たちの
増上慢を持つ者
在家の男性修行者の高慢な者
在家の女性修行者の不信の者
そのような者たちが五千人あって
自分自身の過失を見ず
戒律において漏れがあり
その欠点を隠す
そのような智慧の足りない者たちは
すでに出ていきました
この会座においては、値打ちのない者です
仏の教えが あまりにも高いので去っていきました
この人たちは まだ過去の徳積みが足らず
最上の教えを受けることが耐えられないのです

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:
五千人の退席
:
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ダルマ太郎
作成: 2024/05/04 (土) 15:00:34
最終更新: 2024/05/04 (土) 15:50:15
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1
ダルマ太郎 2024/05/04 (土) 16:09:28 修正

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第一諸仏章
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権を開く
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経:舎利弗 善く聴け
諸仏所得の法は
無量の方便力をもって
衆生の為に説きたもう
衆生の心の所念
種々の所行の道
若干の諸の欲性
先世の善悪の業
仏悉くこれを知しめしおわって
諸の縁・譬諭・言辞・方便力を以て
一切をして 歓喜せしめたもう

:
:
太郎訳:シャーリプトラ よくお聴き下さい
諸仏が得た真実は
無量の方便によって
人々のために説かれました。
人々の心の想い 様々な修行の道
様々な欲望や性格、過去世の善悪の業
仏はことごとくこれらのことを知っており
様々な体験談・譬え話・言葉つかい
方便によってすべての人を歓喜させるのです

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:
権を開く
:
:

2
ダルマ太郎 2024/05/04 (土) 20:30:16

:
権を開く-2
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経:或は 修多羅(しゅたら) 
伽陀(かだ) 及び 本事
本生 未曾有を説き
また 因縁 譬諭 ならびに祇夜(ぎや)
優婆提舎(うばだいしゃ)経を説きたもう
鈍根にして小法を楽い
生死に貧著し
諸の無量の仏に於て
深妙の道を行ぜずして
衆苦に悩乱せらる
これが為に涅槃を説きたもう

:
:
太郎訳:あるいは、教義 偈
仏弟子たちの過去の物語
仏の過去の物語 神秘的な物語を説き
または 過去の出来事 譬え話
または 詩にして繰り返して説き
論議を説きました
機根が低く 低い教えを願い
現象の変化にとらわれる者は
無量の諸仏に従っても
深く優れた道を行じることがなく
様々な苦に悩まされ 心を乱されます
その者のために涅槃を説きました

:
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権を開く-2
:
:

3
ダルマ太郎 2024/05/04 (土) 20:45:27

:
実を顕す
:
理一
:
経:我 この方便を設けて
仏慧(ぶって)に入ることを得せしむ
未だかつて汝等
当に仏道を成ずることを得べしと説かず
未だかつて説かざる所以は
説時 未だ至らざるが故なり
今 正しくこれその時なり
決定して大乗を説く
我がこの九部の法は
衆生に随順して説く
大乗に入るにこれ本なり
故を以て この経を説く

:
:
太郎訳:私は、この方便によって
人々が仏の智慧を
得られるように導いています
未だかつて
皆さんに成仏を目指すようにとは
説いたことがありません
未だかつて説かなかった理由は
説く時期に至ってなかったからです
今 間違いなく説法の時がきました
心を決めて 大乗の教えを説きます
私の説く九部の教えは
人々に合わせて説いています
大乗の教えに入るためには
本となる教えです
それだからこの教えを説くのです

:
:
理一
:
:

4
ダルマ太郎 2024/05/04 (土) 23:51:00

:
人一
:
経:仏子の心浄く
柔軟にまた利根にして
無量の諸仏の所にして
深妙の道を行ずるあり
この諸の仏子の為に
この大乗経を説く
我 是の如き人
来世に仏道を成ぜんと記す
深心に仏を念じ 
浄戒を修持するを以ての故に
これ等仏を得べしと聞いて
大喜身に充遍す
仏 彼の心行を知れり
故に為に大乗を説く
声聞 もしは菩薩
我が所説の法を聞くこと
乃至 一偈に於てもせば
皆 成仏せんこと疑なし

:
:
R訳:仏の教えを聞く人たちの中には、『心が清く、教えに対して素直で正直な人』がいます。私はその人のために、これから最高の教えを説くのです。私はその人たちが、未来に於いて必ず仏になるということを保証しましょう。このような人たちは、常に心の奥深くで仏を念じている人ですから、未来で『成仏する』ということを聞けば、言い知れぬ大歓喜を心から覚える人たちです。その人が、たとえ声聞であれ、縁覚であれ、そして菩薩であっても、必ず『仏に成る』ことには疑いがありません。
:
:
太郎訳:心が浄く 執着がなく 機根が高く
数多くの諸仏に従って 深く優れた道を行じた
菩薩たちがここにいます この菩薩たちのために
この大乗の教えを説きます
私は この人々に 未来に成仏することを告げます
深く心に仏を念じ 浄い戒律を持ち続け
修めることによって
この人々は成仏するのだと告げます
この言葉によって人々は大喜びします
仏は その人々の行いを知って
その人々のために大乗を説きます
声聞・菩薩が 私の説く真実の教えを
たとえ一句だけ聴いたとしても
その人々は 皆 成仏するのです
そのことに疑いはありません

:
:
人一
:
:

5
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 00:01:35

:
教一
:
経:十方仏土の中には
ただ 一乗の法のみあり
二なく また三なし
仏の方便の説をば除く
ただ仮の名字を以て
衆生を引導したもう
仏の智慧を説かんが故なり

:
:
R訳:『真実の教え』というものはただ一つしかないのです。2番目の教えや3番目の教えというものは無く、すべては『仏の智慧』を説くために説かれたものです。なぜならば、仏がこの世に出て来た理由は、この『仏の智慧』を説くためであるからです。仏は一切衆生を救い、みんなを『仏の境地』に導こうと、あの手この手を用いて手を尽くします。
:
:
太郎訳:十方の仏の世界には
ただ一乗のみがあります
乗り物はただ一つであり
第二のもの第三のものは存在しません
ただし 人々に応じて説く
仏の方便は除きます
ただ 仮に名前を設けたのは
人々を導くためです
いずれ 仏の智慧を説くための
準備だったのです

:
:
教一
:
:

6
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 10:10:13

:
行一
:
経:諸仏 世に出でたもうには
ただ この一事のみ実なり
余の二は則ち真に非ず
(つい)に小乗を以て
衆生を済度したまわず
仏は自ら大乗に住したまえり
その所得の法の如き
定慧の力荘厳せり
これを以て衆生を度したもう

自ら無上道
大乗平等の法を証して
もし 小乗を以て化すること
乃至 一人に於てもせば
我則ち慳貪(けんどん)に堕せん
この事は(さだ)めて不可なり

:
:
太郎訳:諸仏が 世に出現するのは
ただ この一つのことだけが真実です
第二のものは 真実ではありません
仏は 小乗の教えによって
人々を成仏へと
導くことはないのです
仏は 自分自身も
大乗の教えの中にいます。
仏は 真実を悟ることによって
六波羅蜜を完成させ
最高の智慧を得ました
その智慧によって
人々を成仏へと導くのです

自分は 無上の道を得て
大乗平等の真実を悟ったのに
もし たとえ一人にでも
小乗の教えによって
教化しようとするならば
私は 物惜しみという
罪を犯したことになります
このことは 私にとって
正しくないのです

:
:
行一
:
:

7
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 10:39:04

:
信を勧める
:
経:もし 人仏に信帰すれば 如来欺誑(ごおう)したまわず
また 貧嫉(とんしつ)の意(こころ)なし 諸法の中の悪を断じたまえり
故に仏十方に於て 独(ひとり)畏るる所なし
我相を以て身を厳(かざ)り 光明世間を照す
無量の衆に尊まれて 為に実相の印を説く

舎利弗 当に知るべし 我 本 誓願を立てて
一切の衆をして 我が如く等しくして
異ることなからしめんと欲しき 我が昔の所願の如き
いますでに満足しぬ 一切衆生を化して
皆 仏道に入らしむ

:
:
太郎訳:もし ある人が仏を信じ 帰依すれば
如来は その人を騙すことはありません
また 何か見返りを求めたり 嫉妬の心を起こすこともありません
あらゆる心の境界の中の悪を断ち切っています
よって 仏は どこにあっても 恐れるものはありません
私は 三十二の相で身体を飾り 世界を智慧の力で照らします
多くの人々に尊ばれており その人々のために実相という
真実を説くのです

シャーリプトラよ
このことをよく知っておいてください
私は 覚りを開き成仏した時 誓願を立てました
一切の衆生が最上の悟りを開き
私と異ならない成仏の境地に導くことを願いました
私の昔の誓願は 今 この教えを説くことによって
すでに果たすことができました 一切衆生を教化して
すべての者たちを成仏へと導き入れるのです

:
:
信を勧める
:
:

8
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 15:46:31 修正

:
五濁-1
:
経:もし 我 衆生に遇えば
(ことごと)く教うるに仏道を以てす
無智の者は錯乱し
迷惑して教を受けず
我知んぬ
この衆生は
未だかつて善本を修せず
堅く五欲に著して
痴愛の故に悩を生ず
諸欲の因縁を以て
三悪道に墜堕し
六趣の中に輪廻して 
つぶさに諸の苦毒を受く

:
:
太郎訳:もし 私が人に会えば
誰に対しても 成仏の道を説いています
しかし 智慧のない者は この道を聞くと
迷い戸惑い 教えを受けることができません
私はこの因果をよく知っています
この人々は 過去 善行を修めず
見るもの 聞くものに心をうばわれ
愚かな執着のために苦悩を生じています
様々な欲望を持つことによって
地獄・餓鬼・畜生という悪の道に墜ち
六道の中から出ることがなく輪廻して
いつも様々な苦を受けています

:
:
五濁-1
:
:

45
ダルマ太郎 2024/05/08 (水) 16:33:07 >> 8

:
輪廻説の正しい受け止め方
:
R論:この輪廻説を、まちがって受け取ると非常に消極的なものになってしまいます。〈私が現在苦しんでいるのは、過去の業があまりに悪いからで、今、何をしてもダメなのだ。あきらめるしかないのだ〉というふうに、この世における努力を一切放棄してしまう生き方です。さらに悪いのは、輪廻説で他人を裁いてしまうことです。〈お前が、現在そういった苦しい目にあうのは過去世になしたお前の業のせいなのだから、あきらめて、現在の生活に甘んじていろ〉などという発言や、発想は、仏教徒として、否、仏教徒であるかないかということより、人間として、してはならないことなのです。
:
:
太郎論:現世の苦しみの原因が、過去世における自分の悪業の結果だとすると、今の苦しみを解決する手段がありません。この人生をあきらめて、ひたすらに善業につとめ、来世に期待するしかありません。閻魔大王の鏡のように、過去を見ることができるのなら納得もいきますが、客観的な証拠もないのに、業報輪廻を信じることは難しいです。しかし、多くの人たちが輪廻を信じています。もともと日本にはない、インドの思想なのに、信じる人が多いことに驚きます。不思議ですね。

如来寿量品第十六においては、輪廻は否定されます。はっきりとナ・サンサーラ na saṃsāra と書いています。これは、方便としては輪廻は有るけれど、真実としては、輪廻は否定されているのでしょう。ただし、鳩摩羅什はこれを訳していないので、漢訳の法華経だけを学んでいる人は知りません。釈尊は、輪廻を説いたのでしょうか? 縁起については積極的に説かれているけれど、輪廻については、そうでもありません。初期仏教を重視する人たちは、経典に書いているから輪廻は実在すると主張しますが、言葉で説かれることはすべて方便なので、輪廻を事実だと決定することはできません。

インドでは、業報輪廻は広く受け入れられた思想です。輪廻する世界とは、苦の世界であり、迷いの世界ですので、輪廻している限り安楽の境地にはなれません。束の間の楽ならばあるのでしょうが、すぐに憂悲苦悩におちいります。輪廻を信じている限り、この世は苦なのですから、輪廻を信じなければいいのに、なぜか、輪廻を知らなかった日本人までもが輪廻を信じるようになっています。事実として無くても、概念として有るのなら、それは人を苦しめます。もし裏山に怪物がいたとしても、人がそれを知らず、信じていなければ、概念上はいないのと同じです。しかし、信じてしまうと記憶に刻み込まれるので、実在することと同様に恐怖を感じるようになります。輪廻は、存在しない怪物を怖がるようなものでしょう。

幸いにも、日本人の場合は、輪廻を信じていても、それを苦の原因だと思っていないようです。信じることに何のメリットがあるのかが分かりません。デメリットばかりのように思えます。過去や未来に生きるよりも、今を生きたほうがいいのではないでしょうか?
:
:
輪廻説の正しい受け止め方
:
:

9
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 16:23:39

:
五濁-2
:
経:受胎の微形 世世に常に増長し
 薄徳少福の人として
 衆苦に逼迫(ひっぱく)せらる
 邪見の稠林(ちゅうりん)
 もしは有 もしは無 等に入り
 この諸見に依止して
 六十二を具足す
 深く虚妄の法に著して
 堅く受けて捨つべからず
 我慢にして 自ら矜高(こうこう)
 諂曲(てんごく)にして心不実なり
 千万億劫に於て
 仏の名字を聞かず
 また 正法を聞かず
 是の如き人は度し難し

:
:
太郎訳:転生のたびに悪業が増し
 徳が薄く 幸福の少ない人となり
 多くの苦によって行き詰まり
 危険な状態に追い込まれます
 世の中には様々な誤った思想が広まり 
 ある思想は有るに執着し
 ある思想は無いに執着しています
 これらの誤った思想は
 世に六十二もあります
 多くの人々は これらの偽りの思想に執着し
 堅く信じていて捨てることがありません
 自分の信じている思想こそが正しいと慢心し
 ある者は媚びへつらう心が強く
 心に真実がありません
 非常に長期にわたって
 仏の名を聞かず 正しい教えを聞きません
 このような人々を救うのは難しいことです

:
:
五濁-2
:
:

10
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 16:29:20

:
五濁-3
:
経:この故に舎利弗
 我 為に方便を設けて
 諸の尽苦の道を説き
 示すに 涅槃を以てす
 我 涅槃を説くといえども
 これまた真の滅に非ず
 諸法は本より来
 常に自ら寂滅の相なり
 仏子道を行じおわって
 来世に作仏することを得ん

:
:
太郎訳:よってシャーリプトラよ
 私は このような人々を救うために
 方便を用いました
 様々な苦を滅する方法を説き
 目的として 涅槃を示しました
 私は涅槃を説きましたが
 これは 真の涅槃ではありませんでした
 すべての事物・現象は 最初からこれまで
 常に涅槃の状態にあります
 菩薩は 修行によってそのことを覚り
 来世に 成仏するでしょう

:
:
五濁-3
:
:

11
ダルマ太郎 2024/05/05 (日) 16:35:53

:
虚しからず
:
経:我 方便力あって
 三乗の法を開示す
 一切の諸の世尊も 
 皆 一乗の道を説きたもう
 今 この諸の大衆
 皆 疑惑を除くべし
 諸仏は語異ることなし
 ただ 一にして二乗なし

:
:
太郎訳:私は これまで 方便によって
 声聞・縁覚・菩薩という三乗を開き
 相手に応じてその修行を示してきました
 一切の諸仏も 一乗の道を説きました
 今 この会座の皆さん
 皆さんは 疑惑をお捨てなさい
 私も諸仏と同じことを説きます
 私の説法は ただ一仏乗だけであり
 第二の教えはないのです

:
:
虚しからず
:
:

12
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 08:56:23 修正

:
第二過去仏章
:
開三
:
経:過去無数劫の
 無量の滅度の仏
 百千万億種にして
 その数 量るべからず
 是の如き諸の世尊も
 種々の 縁 譬諭
 無数の方便力をもって
 諸法の相を演説したまいき

:
:
太郎訳:過去の世の非常に長い時間において
 涅槃に入られた無量の仏は
 その数は 非常に多くて
 人々の知るところではありません
 これらの諸仏も 様々な過去の体験
 譬え話 無数の方便によって
 すべての事物・現象について説かれました

:
:
開三
:
:

13
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 09:01:16 修正 >> 12

:
顕一
:
経:この諸の世尊等も
 皆 一乗の法を説き
 無量の衆生を化して
 仏道に入らしめたまいき
 また諸の大聖主
 一切世間の 天人群生類
 深心の所欲を知しめして
 更に異の方便を以て
 第一義を助顕したまいき

:
:
太郎訳:これらの諸仏も
 皆 一乗の教えを説き
 無量の人々を教化して
 成仏へと導きました
 また 諸仏は 一切の世間の
 天上の神々 地上界の人々など あらゆる生物の
 深い心の様々な欲望をよく把握していて
 その者たちに応じて異なる方便を用いて
 真実の教えを説き明かされました

:
:
顕一
:
:

14
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 09:06:02

:
菩薩の開会
:
経:もし 衆生類あって
 諸の過去の仏に値いたてまつって
 もしは 法を聞いて 布施し
 或は 持戒 忍辱 精進 禅 智 等
 種々に福徳を修せし
 是の如き諸人等
 皆すでに仏道を成じき

:
:
太郎訳:もし 人々の中で
 過去の諸仏に出会い 教えを聞いて
 布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という
 菩薩行を実践して
 様々な徳を修めた者たちは
 皆 すでに成仏しています

:
:
菩薩の開会
:
:

15
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 09:09:02

:
二乗の開会
:
経:諸仏 滅度しおわって
 もし人 善軟の心ありし
 是の如き諸の衆生
 皆すでに仏道を成じき

:
:
太郎訳:諸仏が入滅した後
 素直で柔らかな心を
 持った人々がありました
 このような人々は
 皆 すでに成仏しています

:
:
二乗の開会
:
:

16
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 09:23:57

:
人・天の開会
:
経:諸仏 滅度しおわって
 舎利を供養する者
 万億種の塔を起てて
 金 銀 及び頗黎(はり)
 硨磲(しゃこ)碼碯(めのう)
 玫瑰(まいえ) 瑠璃珠(るりしゅ)とをもって
 清浄に広く厳飾し
 諸の塔を荘校し
 或は 石廟を起て
 栴檀(せんだん)及び沈水(じんずい)
 木樒(もくみつ)ならびに余の材
 甎瓦(せんが)・泥土等をもってするあり
 もしは 曠野(こうや)の中に於て
 土を積んで仏廟(ぶつみょう)を成し
 乃至 童子の(たわむれ)
 (すな)(あつ)めて仏塔と為る
 是の如き諸人等
 皆すでに仏道を成じき

:
:
太郎訳:諸仏が入滅した後
 仏の遺骨を供養する者が
 多くの仏塔を建てて
 金銀や水晶
 硨磲(しゃこ)の貝殻 石英の結晶、
 雲母 瑠璃という宝石によって
 それらの仏塔を
 浄く美しく厳かに飾りました
 あるいは 石のほこらを建て
 栴檀や沈香 シキミ その他の材料
 瓦や粘土などをもって造りました
 もしくは 広野の中において
 土を積んで仏をまつるほこらを造り
 または 子供が戯れに
 砂を集めて仏塔を建てました
 このような人々は
 皆すでに成仏しています

:
:
人・天の開会
:
:

17
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 10:16:00

:
人・天の開会-2
:
経:
 もし人 仏の為の故に
 諸の形像を建立し
 刻彫して衆相を成せる
 皆すでに仏道を成じき
 或は 七宝を以て成し
 鍮鉐(ちょうしゃく)・赤白銅
 白鑞(びゃくろう)及び鉛錫(えんじゃく)
 鉄木 および泥
 或は 膠漆布(こうしっぷ)を以て
 厳飾して仏像を作れる
 是の如き諸人等
 皆すでに仏道を成じき

:
:
太郎訳:
 もし ある人が 仏のために
 様々な仏像を造り
 三十二相の仏の特徴を
 盛り込んだならば
 このような人々は
 皆 すでに成仏しています
 あるいは 七種の宝によって
 または 真鍮 赤銅 白銅
 白鑞 鉛 錫
 鉄 木 粘土 漆喰によって
 立派な仏像を作ったならば
 このような人々は
 皆 すでに成仏しています

:
:
人・天の開会-2
:
:

18
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 10:23:26

:
人・天の開会-3
:
経)
 綵画(さいえ)して仏像の
 百福荘厳の相を作すこと
 自らも作し もしは人をしてもせる
 皆すでに仏道を成じき
 乃至 童子の戯に
 もしは 艸木(そうもく)及び筆
 或は 指の爪甲(つめ)を以て
 画いて仏像を作せる
 是の如き諸人等
 漸漸(ぜんぜん)に功徳を積み
 大悲心を具足して
 皆すでに仏道を成じて
 ただ諸の菩薩を化し
 無量の衆を度脱しき

:
:
太郎訳)
 仏の姿を絵画にして
 仏に多くの福が具わっていることを
 自分で描いたり
 または、他者に描かせる者たちは
 皆、すでに成仏しています
 または、子供が戯れに
 木の枝や筆、
 あるいは、指の爪で
 仏の絵を描く者たちは
 だんだんと功徳を積み
 大きな慈悲心を具えるようになり
 皆、すでに成仏して、
 そして、ただ菩薩たちを教化し
 無量の人々を救いました。

:
:
人・天の開会-3
:
:

19
ダルマ太郎 2024/05/06 (月) 15:20:46

:
人・天の開会-4
:
経)
 もし人 塔廟 宝像
 及び画像において
 華・香・旛蓋を以て
 敬心にして供養し
 もしは 人をして楽を作さしめ
 (つづみ)を撃ち 角貝を吹き
 (しょう)(ちゃく)(きん)箜篌(くうごう)
 琵琶・(にょう)銅鈸(どうばつ)
 是の如き衆の妙音
 尽く持って以て供養し
 或は 歓喜の心を以て
 歌唄(かばい)して仏徳を頌し
 乃至 一小音をもってせし
 皆すでに仏道を成じき

:
:
太郎訳)
 もし ある人が 仏塔 ほこら 仏像
 及び 仏画に対して
 花・香・旗・天蓋を捧げて
 心から供養し
 または 人々に音楽を演奏させて
 太鼓を打ち 角笛・貝笛を吹きならし
 縦笛・笛・琴・竪琴・琵琶
 銅鑼・銅鉢など
 このような様々な楽器による
 優れた音楽を捧げ
 または 歓喜の心で
 歌を唄って仏の徳を讃えた者たちは
 たとえ それが小さな歌声であっても
 皆 すでに成仏しています

:
:
人・天の開会-4
:
: