yuta(辰年ver)
kemofure_suki
2023/11/12 (日) 22:04:34
【第九話】
🏍💨💨💨⚫⚫⚫💨💨💨
逃げるコヨジョフ、追うセルリアン・・・
荒野ちほーに風を切り裂くオートバイのエンジン音が鳴り響く 風景が疾走する速さで流れ
セルリアンたちはその後ろをぴったりとマークする形で追いかける。
コヨーテはスピードを上げてなんとか振り切ろうとするが、セルリアンもどんどん距離を詰め
とうとうコヨーテたちの真後ろまで迫りつつあった。
「ヤバ・・・追いつかれるでち!コヨちゃん、来るでちよ!」
ロードセル「ーーーーーー!!」
走るオートバイに幅寄せするように横から体当たりを繰り出すセルリアン。
「no no no no no!!!」
しかし間一髪、見事なアクセルワークでこれを回避するコヨーテ。
「うまいでち!かっこいいでちコヨちゃん!」
体当たりに失敗したセルリアンは舗装路から外れ、バランスを崩し明後日の方向へ転がっていった。
残りは後ろの2体だ。
「うまくやれば全部のセルリアンを撒けるんじゃないでちか!?」
コヨーテはハンドルを必死に操りながら、風に舞う尾を振りながらジョフに向かって叫ぶ。
「OK...なんとかやってみるね!」
通報 ...
次はもう1体のセルリアンが後ろから加速して突っ込んで来ようとしている。
それをバックミラーで確認しながら回避のタイミングを狙うコヨーテ。
だが、ミラーから正面に視線を戻した瞬間の事。
正面にもう1体、逆走してくるタイヤ型セルリアンが目に飛び込んできた。
「holy...!!」
⚫💥🏍💨💨💨
あまりにも一瞬のことで、反応しきれなかったのだ。
オートバイとセルリアンは正面衝突し、投げ出された二人の身体が宙を舞った。
「うにゃあああああ~~~~~~~~!!!」
横倒しになったオートバイは激しく火花を散らしながら道路上を滑る。
地面に落下したコヨーテとジョフはゴロゴロと地面を転がった。
身体の回転がおさまり、目が回って平衡感覚を失うなかジョフは起き上がる。
「ハア・・・ハア・・・しぬかとおもったでち!」
ロードセル「ーーーーーー!!!」
道路上に倒れ込む二人のまわりを挑発するかのように、円を描きながら
ぐるぐると様子をうかがう2体のタイヤ型のセルリアン。
ジョフは倒れたまま起き上がってこないコヨーテに駆け寄り座り込んだ。
「コヨちゃん!?大丈夫でちか!?・・・しっかりして!」
「・・・うっ・・・・痛っ・・・・」
コヨーテの足には大きな青いアザができていた。転倒したときにオートバイに
足を挟まれたのかもしれない。
大きなダメージを負って起き上がれないコヨーテを見てジョフはパニック状態になる。
(あああ・・・ど、どうしよう・・・すごい大けが!早く治療しなきゃ・・・でもどうしたら・・・)
焦りと恐怖でだんだんジョフの目に涙がこみあげてくる。
(・・・ダメだ!泣いちゃダメでち!ここで泣いてたら、今までと何も変わらない!ジョフは今ここで変わるでち!)
ジョフは少し涙の浮いた目をごしごしと擦り、勇ましく立ち上がった。
そしてセルリアンに向かって戦闘の姿勢をとる。
「かかってこい!おまえら全員、ぶっとばしてやるでち!ジョフロイネコと申すネコ、ここに見参でち!!」
🐺🐱⚫⚫💨💨💨