かば「何者じゃ~?」
かばん「うわぁぁ~~!う、うちとらなっ!」
かば「失礼、水浴びをしておったのじゃ~」
さーばる「おお、河馬殿!」
かば「珍しいのう藪猫殿、この辺りにまで漫遊に来られるとは」
さーばる「今日は関所まで行くのでござる!水を飲んでいこうと思いまして! 今日はふれんずが少のうござるな?」
かば「今日はせるりあんが多い故、皆あまり出歩かぬのじゃ。
関所にも、少しばかり大きいのがおるそうじゃ?気をつけるのじゃぞ?」
さーばる「では、某が討ち取ってご覧に入れよう!」
かば「藪猫殿がでござるか?心配じゃのう!」
さーばる「ご安心召されよ!先ほども討ち取りましてござる!」
かば「どうせ小物でござろうのう」
さーばる「なっ!何故分かったのでございまするか!?」
かば「ところで、そこの御仁は何者じゃ?」
さーばる「華伴殿と申しまする!」
かば「華伴…?聞いたことのない動物じゃのう?」
さーばる「名前は先ほど付け申した!何の動物か分からないのでござる!それで、奉行所に行けばよいのではないかと思いまして!
この御仁が何の動物かわかりまするでしょうか?」
かば「んーー…お主、泳げるか?」
かばん「いえ…」
かば「空は飛べるのでござるか?」
かばん「いえ…」
かば「では、足が韋駄天であるとか?」
かばん「いえ…」
かば「お主、何にもできぬのであるな~?」
かばん「うぅ~…」
さーばる「そ、そのような事はござらぬよ!」
かば「ふっ…まあ藪猫殿のように、足も韋駄天であるし鼻も耳も良う利くのに、おっちょこちょいで全てが
台無しになっておる御仁もおる故!気にすることは無いでござるよ」
さーばる「ひどいですぞー…」
かば「某も泳げぬしなー」
さーばる「なんとっ、左様でござったかー!」
かば「ただし!蛇派璃の国の掟は、御自らの力で生き抜く事。御身は、ご自身で守るのでござる。
藪猫殿任せではいけませぬぞ?」
かばん「承知致した!」
さーばる「それでは、某達はもう参りまする!」
かば「あ、せるりあんと会うたら、まずは逃げるでござるぞ?どうしても戦わねばならぬ時は、ちゃんと石を狙うのだぞ?」
さーばる「承知!」
かば「あと、暑さに気をつけるのだぞ!特に藪猫殿!お主、ほとんど汗をかかぬのだから、今のうちに水も沢山飲んで行かれよ」
さーばる「御意!」
かば「それから、上り坂下り坂は脚をくじかぬよう十分に気をつけて…」
さーばる「大丈夫でござるよー!」