けものフレンズ怪談:セルリアン味のグミ
ジャパリパークの夜。満点の星空の下、パフィンちゃんは満面の笑みでグミを頬張っていた。
「うーむ、このコーラ味は最高でぇす!やっぱりグミは最高でぇす!」
パフィンちゃんは、数ヶ月前にグミに目覚めて以来、その美味しさの虜になっていた。あれ以来、あらゆる種類のグミを試し、そのコレクションは部屋を埋め尽くすほどになっていた。
ある日、パフィンちゃんはいつものように新しいグミを探していた。すると、一風変わったパッケージが目に入った。
「セルリアン味?何ですかぁこれは?!」
興味をそそられたパフィンちゃんは、躊躇なくそのグミを手に取った。パッケージには、不気味な笑みを浮かべたセルリアンのイラストが描かれていた。
「……まぁ、まず試してみまーす!」
パフィンちゃんは、おそるおそるグミを口に入れた。すると、今まで味わったことのないような衝撃が彼女の全身を駆け巡った。
「なんですかこれは!?今まで食べたどんなグミよりも、甘くて、酸っぱくて、そして…刺激的な味がしまーす!」
パフィンちゃんは、その未知なる美味しさに圧倒された。あっという間に一袋のグミを平らげ、さらに求めた。
しかし、その日からパフィンちゃんは変わってしまった。
「グミ…グミ…グミ…」
パフィンちゃんは、一日中グミのことしか考えられなくなった。食事も忘れてグミを食べ続け、部屋はグミのゴミで溢れかえった。
そしてある夜、恐ろしい事件が起こった。
パフィンちゃんが目を覚ますと、彼女の周りにはセルリアンの姿があった。
「ーー!!ーー!!」
(ようこそ、パフィンちゃん。グミの…いや、セルリアンの世界へ)
セルリアンの不気味な集団が、パフィンちゃんを取り囲んだ。
パフィンちゃんは、恐怖で声も出せなかった。そして、自分が恐ろしいことに気づいた。
セルリアン味のグミは、ただのグミではなかった。セルリアンの本質を凝縮した、恐ろしい餌だったのだ。
パフィンちゃんは、セルリアンとなってしまった。そして、彼女の姿は二度と誰にも見られることはなかった。
しかし、今でも夜になると、ジャパリパークのどこかで、パフィンちゃんの叫び声が聞こえるという。
「グミ…グミ…グミ…」
その声は、グミの誘惑に打ち勝てなかった者の末路を、悲しくも恐ろしく語り継いでいる。