4月1日の午前中だけ嘘をついてもよいという習慣。エイプリルフール。日付の概念を知らぬけものには、春になれば1日だけ嘘をついても許されるなどのように誤解が広がっていた。
「ねえねえ、知ってる?」
「なあに?」
「この前聞いた話なんだけどさ、フレンズってジャパまんをよく食べるのは理由があるんだって」
「えー、考えたこともないなー。別に甘い木の実とかシャキシャキの茎とか食べるしー」
「そういうこともあるだろうけど食べるでしょ?ジャパまん。ほんとはねー……………」
広がる噂自体は真実であっても、言っている本人が嘘のつもりであれば嘘吐きが存在することになる。
この歪んだ習慣は、誰もその嘘について深入りせず噂話が立ち消えることで問題視されずに根付いていた。
ドブネズミ、アフリカゾウ、イエネコはそんな現象に遭遇した。
ドブネズミ
「島の外に出ないようにするため?」
イエネコ
「ええ、確かにそう聞いたのよ」
アフリカゾウ
「それはどういうわけなのかな?そこまでは聞いてる?」
イエネコ
「大体それもわかるわ。島にはサンドスターがあるわよね?」
ドブネズミ
「そうだな」
イエネコ
「そのサンドスターは私たちがこうしていられるようにしている物質なのも、わかるはずよ」
アフリカゾウ
「うん。マイに見せてもらったからね」
イエネコ
「で、よ。私たちは島から離れるとこうしてはいられなくなるっていうのよ」
ドブネズミ
「ん?島から離れると?ってことは、外には無いのか」
アフリカゾウ
「サンドスターって珍しいものなんだっていうもんね。だから研究所がこの島にあるんだよね」
イエネコ
「ドブネズミもアフリカゾウも、研究所で作られたようなもんだからわからないわよね。ま、要するに、島から離れたらサンドスターが無くてこのままではいられないから、それを止めるためらしいの」
ドブネズミ
「あのジャパリ饅が?そうするとおかしくないか?食べたいものがいつもアレになるとは限らんだろ」
イエネコ
「またイロイロ聞いてくるわね。飽くまでも噂のことを話しただけだから、私に聞かれても答えられないわ」
ドブネズミ
「なんかな、噂という割には奥がありそうな気もするんだ。
そのために配ってる饅頭が実際に機能してるのかを調べたくて、噂を流して確かめているのか?
あるいは配らせたくない何者かの企みか?
饅頭は他の食べ物と違って途轍もなく長持ちするから、受け取るわたし達によほどのことが無い限りは手元に届くんだよな」
イエネコ
「ちょ、まさかホントにジャパまんには何かあるっていうの?」
アフリカゾウ
「……………」
ドブネズミ
「こういう考察はわたしの趣味のようなものだ。聞きたくなければ耳を塞いでいてもいい」
アフリカゾウ
「びっくりしちゃったよ。丁度みんなで食べようとしてたから」
両手とマフラーで3つのジャパリまんじゅうを持ったアフリカゾウから、ドブネズミとイエネコは、一つずつもらって食事の時間を共にした。
おわり
当時の『考察』に近いものがありましたね
果たして本当か妄想か
それともウソから出たマコトが真実になってしまうのか・・・?
深く知らないほうがいい真実もあるかもしれない
世の中にはそういうこともあるのだ
実際のところジャパまんには何があるんでしょう…
ジャパまんこわい?ですね