初SSです。痛くて恥ずかしい文ですがお許しください。細かい時系列とかは全く考えてないです。
「でも不思議だね」
川沿いに延々と続く丘の上をふたつの影が歩いていた。
「なんで川に沿って丘がずっと続いているんだろう…これも昔のヒトが作ったのかな」
「わっかんないや!」
サーバルと僕は長い長い旅をして、かつて<とうきょう>とよばれた場所にたどり着いた。<とうきょう>は、今まで見たことの無い高さの建物が立ち並んでいて、かばんは昔のヒトというものに驚きを隠せなかった。
「うーん…さっき行った<ほんや>にあった<とうきょうがいど>によると、このあたりに<きれいなばしょ>があるらしいんだけど…」
かばんは「東京観光ガイド」と書かれたカラフルな本を手に取りながら辺りを見回したが、それらしいものは見当たらなかった。
「サーバルちゃん、何かきれいなばしょは見える?」
「うーん…みみ…あっ!」
サーバルは何かに気づくなり、一目散に駆け出した。
「サーバルちゃん、待ってよー!」
どうやらその声は届かなかったらしく、サーバルの背中はみるみる遠ざかってしまった。
時々、思うことはある。僕はヒトだ。サーバルに比べて、僕は視力も体力もジャンプ力もスピードも無い。きっと、僕がいなければ、サーバルはもっと早く<とうきょう>にたどり着いただろう。きっと、ドジな僕が起こした失敗でサーバルが迷惑することも無かっただろう…
「ごめん!」
突然声をかけられて、かばんはびっくりした。サーバルが戻ってきたのだ。
「かばんちゃんのこと、置いて行っちゃった」
「僕は遅いし、後から行くからいいよ」
「私はかばんちゃんと一緒に見たいの!」
言うなり、サーバルは僕の手を引いてゆっくりと走り出した。
そうか。ヒトとサーバル、身体能力の差はあれど、ここまで楽しく旅をしてきた。それは、僕とサーバルが互いの「できないこと」を助け合ってきたからだ。大変な旅だったけど、これからもサーバルとずっと旅を続けたい。
サーバルと走ったその先に広がっていたのは桜並木だった。美しい桜色に染まった道は、青い空と重なり、灰色の東京の中で輝いていた。
「かばんちゃん、ここすごくきれいだね」
サーバルに伝えたい思いは沢山ある。きっと、話していたら日が暮れてしまうことだろう。
「あの…サーバルちゃん」
でも、そんなことしなくても、僕たちならこれだけで想いは伝わる。
「ありがとう」
終
確かにサーバルだけならいち早く[とうきょう]に着いていただろう
でも1人きりなら[とうきょう]に来ようと思っただろうか?
桜並木を見てもそこまで心が動いただろうか?
2人だから辛さは半分になり、喜びは倍増するのではないだろうか?
・・・ってボクは? (ボス)
ボスは今頃桜の花びらに埋もれて行方不明だ
アワワワ…
感想ありがとうございます。
脚本のひとそこまで考えてなかった…勉強になります。
ボスは話の展開的に入れるのが難しかったので、かばんちゃんのかばんの中あたりで大人しくしてもらうことにしましたw
サーかばが目にしたとーきょーの桜並木は、さぞかしきれいな事だろう
俺もその朽ち行くとーきょーを探検するサーかばの背後を、透明人間になって付け回したいもんだぜ!初SSお疲れ様!最高!👍
感想ありがとうございます。
僕も透明人間になって付け回してニヤニヤしたい!
初めてとは思えない出来でした👍👍終末世界って荒廃しただけじゃなくこういうところもあれば素敵ですよね
感想ありがとうございます。
廃墟は(年数にもよりますが)けっこう緑が生えるので、かばんとサーバルに似合うかなーと思って書きました。
緩やかに滅びゆく
週末終末世界大好きです。初のSS作成お疲れさまでした👏
私も廃墟好きなので、廃墟となった東京を散策するふたりの尊い姿がありありと…
感想ありがとうございます。
廃墟好きなb0782さんにもそう思っていただけて光栄です。
サーかばって廃墟世界にすごく似合いますよね。
フレンズ達と廃墟の調和がすごくいいんですよね…わかる
フレンズ達が元気で天真爛漫だから、廃墟の悲壮感みたいなものがマイルドになってよい塩梅になるのが素敵
二人の素敵な旅路が目に浮かぶようです!