【ベルセルクフレンズ】22
「おひょおおおおお!!!!ジャパリコインだッ!」
ガランとした遺跡の回廊に歓喜の声が木霊した。
声の主であるツチノコは、床の端こに落ちていたジャパリコインをジャケットのポケットにしまうと、上機嫌にその場を後にした。
「こんな朝早くに見つけるなんて、今日の運使い果たしたかもしれねえなぁ」
幸運を呼ぶUMAであるツチノコとは思えないことをつぶやきながら、両手をポケットの中に入れ鼻歌交じりに歩む。
すると、曲がり角の向こうに何かがあるのをピット器官で感じ取った。
「早速セルリアンか……。本当に運使い果たしたみたいだな……。」
そう言いながら角から飛び出したツチノコは、セルリアンの不意を突いて下駄で思いきり蹴り下ろした。
セルリアンはその場でパッカーンと爽快な音を立て、サンドスターの塊をまき散らしながら破裂し消滅した。
「この頃セルリアンの数が少ないのにばったり会うなんて、運を使い果たした代わりに悪運は増えたみたいだな。」
セルリアンを倒したツチノコは気を取り直し、来た道を戻るために反転した。
「……。」
目の前の
「……んん?」
ツチノコは自分の目を擦った。
そして再度顔を上げ
「……。」
またも
「ななな、何だお前えええ!!!!キシャ―――ッ!」
初めて見る謎の
「ななな、なな……。」
角から顔の右半分だけ出して
「ホ、ホログラムか……?にしてはリアルだな……。」
ツチノコはその場から観察を続ける。
『おい』
「え?」
突如聞こえたその声にツチノコは驚た。
『こっちだよアホ。』
「こっちって、まさか……。」
嫌な予感を抱えながらも
「……お前か?」
『ご名答。テレパシーを使って直接脳に話かけてんだよ。』
「????」
未だに目の前で起こっていることが信じられないツチノコは、自分の頬を軽くつねった。
「いてっ。夢じゃない……?」
ツチノコの顔が青ざめた。
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!??」
ツチノコは一目散に走って逃げ始めた。
『逃げるなよ~』
「く、来るなぁ!寄るなぁ!あっちいけええええ!!!シャーーーーッ!」
黒くてモヤモヤしていてテレパシー使えて赤外線も発してないその謎の物体に怖気づいたツチノコは絶叫しながら下駄の音を回廊内に響かせながらげる。
しかし、いくら履き慣れていても下駄は下駄。
ツチノコはすぐに転んでしまった。
「ぎゃはっ!」
床にうつぶせになる形で転んだツチノコは起き上がろうと手をついた。
しかし起き上がろうとするツチノコの背中目掛けて
「ッ―――!」
憑依されると同時にツチノコの意識は途絶えてしまった。