【ベルセルクフレンズ】16
「フフフンフン~」
人の目の前で歌を歌えて上機嫌なトキは、そのテンションのまま鼻歌を歌いながらトキがかばんとサーバルを運んでいる。
よほど気分がいいのか、全くキツそうな顔を見せず、笑顔で二人を運ぶ。
「うう…。耳が痛いよかばんちゃん…」
「大丈夫?サーバルちゃん……」
「アワ、アワワワワワ」
サーバルは無事、
「あ、そうだトキさん。」
かばんがハッとしてトキに話しかけた。
「何かしら?」
「今、よくわからない黒いモヤモヤがフレンズさんの体を乗っ取って、他のフレンズを襲う困った事件が起きてるんですけど…
もしかして、トキさんは黒くてモヤモヤした変な物って見ませんでしたか?」
「黒いモヤモヤ……いいえ見てないわ。」
「そうですか……」
残念ながら目撃証言は得られなかった。
こうざんの方に飛んでいったはずなのだが……
「フレンズの体を乗っ取って……。
その黒くてモヤモヤした変な物について、教えてくれないかしら?」
トキが黒いモヤモヤのことについて聞いてきた。
「はい。その黒いモヤモヤは――」
トキに抱えられたかばんは、黒いモヤモヤについて説明を始めた。
――――――――――――
「なるほどね……。私も気を付けるわ。」
かばんから黒いモヤモヤについて詳しい説明を聞いたトキは、自分も気を付けると返事をした。
「出来れば早い段階で倒したいんですが、攻撃は効かないし逃げ足も早いから……。
図書館まで行けば対処法が分かるかもしれないんで、図書館に行こうとはしてるんですけど、図書館に行くまでの間にそのモヤモヤの後を追いかけて、道中に会ったフレンズさんに注意喚起をすることくらいしかできないんです……。」
かばんが残念そうに言う。
現段階で対処法が分からない以上、、図書館に行って対処法を調べなくてはいけない。
しかし、先にこの
島内にいる全フレンズに直接会って注意喚起をしなくとも、フレンズは動物の頃とは違ってコトバを使ったコミュニケーションができるので、口移しで黒いモヤモヤの話を広めることも出きるだろう。
しかし、口移しの話というものは広まる間に他の話と混合して訳の分からないことになるものだ。
それに、島内のフレンズ全員に話が伝わるのにも時間がかかる。
もしも前の巨大な黒セルリアン討伐の時に沈んだバス以外に黒いモヤモヤに追い付けるような高速移動できる乗り物があれば、黒いモヤモヤの被害が及ぶ前に図書館に行って対処法を調べ、黒いモヤモヤを撃退できるだろう。
しかしこれまでに、あのバス以外で高速移動ができる乗り物は見かけていない……
かばんは思わずため息をついた。
「ところで―」
「?」
「その黒いモヤモヤにちゃんとした呼び名はつけないのかしら?」
トキがかばんに黒いモヤモヤに名前をつけないのかときいてきた。
「うーん、そうですねぇ…
セルリアンって名前にしたほうが、フレンズさんにも分りやすくて覚えやすいでしょうし……」
かばんが考え込む
「黒色だから後ろに『セルリアン』を付けて、黒セルリアンって名前にするのはどうー?」
「でも、それだとこの前倒した大きな黒いセルリアンと間違えちゃうフレンズさんも出てくるかも…」
サーバルの名前の案を聞いたかばんは、顎に手を当てて考える。
「う~ん…。ダークセルリアンってのはどうかな?」
「ダークセルリアン!なんかかっこいー!」
「ダークセルリアン……響きね。歌の中に組み込んでみt」
「み、見て見て!山の頂上が見えてきたよ!」
サーバルが山の頂上を指しながらトキの不吉な発言に被せて言った。
「……着いたらアルパカさんに
「うん。」