【ベルセルクフレンズ】14
「んみゃ!? ジャガー待って!」
サーバルがジャガーを引き留めようとしたが間に合わなかった。
ジャガーがコツメカワウソに向かって一直線に突っ込む。
「今のジャガーは、ぜんぜんたのしくないよーー!!!」
コツメカワウソが大きな声で叫びながら、突っ込んでくるジャガーの口目掛けてジャパリまんをぶん投げた。
コツメカワウソの投げたジャパリまんは、鳴き声をあげ大きく開いたジャガーの口にドンピシャで入った。
「はううっ!」
勢いだけでそのまま突っ込んでくるジャガーの体を避けるためにコツメカワウソとかばんは地面に伏せた。
「ぎゃはっ!」
ジャガーはそのままかばんの後ろの木の幹に激突し、気絶してしまった。
ぶつかった衝撃で木の葉が降ってくる。
「ハァハァ」
コツメカワウソが息を切らしながら伏せていた体を起こした。
「ジャガー!」
コツメカワウソが木の幹の元で気絶しているジャガーに駆け寄った。
「ジャガー!大丈夫?ジャガー!」
「ああ、ジャガーさんなら気絶してるだけですから……恐らく大丈夫ですよ……。」
あわてふためくコツメカワウソにかばんはそう説明し落ち着かせる。
「二人とも、大丈夫?」
サーバルも戻ってきた。
「サーバルちゃんこそ大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!カワウソのお陰だよ。」
「だね。カワウソさんのお陰だよ。」
と、二人が話していると
「うわわわっ!?」
コツメカワウソの悲鳴が聞こえた。
「どうしたの!?」
サーバルがコツメカワウソの方を見る。
「なんか、黒いモヤモヤがジャガーから……」
「え?どこどこ!?」
「なんか、出てきたかと思ったらすぐ向こうの方に飛んでっちゃった。」
と、こうざんちほーの方角を指差しながら答えた。
「そんなぁ…… また逃げられちゃった……」
かばんが嘆いた。
「ううん……」
「!? ジャガー?」
どうやら、ジャガーが気付いたらしい。
「あ……」
体を起こしたジャガーが、かばんとサーバル、コツメカワウソの3人を見ると、
「すす、すまん!」
慌てて頭を下げた。
「もう!ジャガーったら、心配させないでよねっ!」
コツメカワウソがジャガーに飛び付いて抱きつく。
「ごめんよカワウソ 」
「ま、まぁ何はともあれ、ジャガーさんも元に戻ったし、何があったのか教えてくれませんか?」
「ええと――」
ジャガーが頭を掻きながら説明し始めた。