[ベルセルクフレンズ]9話
「―というわけで…」
「てことは、あの黒いモヤモヤはセルリアンじゃ無いみたいですね。」
サバンナシマウマから話を聞いたかばんは、もしかしたら黒いモヤモヤはセルリアンでは無いかもしれないという結論にたどり着いた。
理由は、セルリアンはフレンズを食べるはずなのに、黒いモヤモヤはフレンズは食べず、体を乗っ取っただけだったからだ。
まだ一回目の被害で結論を出すのは時期尚早かもしれないが、早い段階で仮説を建てれば、後々対処がしやすくなるだろう。
これで、かばんは図書館で渡された“いのちのかけら”と“黒いモヤモヤ”の、二つの謎を解く必要が出てきた。
「あのー」
サバンナシマウマがかばんに声をかけた
「なんですか?」
「もう寝ても良いー?」
「…」
「ZZZZ」
かばんに尋ねたサバンナシマウマは、まだ返事を貰ってもないのに寝てしまった。
(まぁ…聞きたいことは聞いたし、さっき暴れまわったから疲れてるんでしょう)
特に起こす必要も無いので、サバンナシマウマはそのまま寝かせておくことにした。
「サーバルちゃん。さっきシマウマさんが言ってたこと、どう思う?」
かばんがサーバルに訊いた。
だが、サーバルからの返事はない。
「…サーバルちゃん?」
慌ててサーバルの元に駆け寄ったかばんは、サーバルの両肩を掴み、前後に揺さぶった。
…が、すぐに揺さぶるを止めた。
「スーピー」
サーバルの寝息が聞こえたからだ。
「なんだ…。ビックリした。」
「…そうか、サーバルちゃんは夜行性だもんね。」
サーバルも疲れているだろうから、寝かせてあげることにした。
………
「あああーーーー!?」
「んみゃぁ!?な、何々、セルリアン!?」
突然かばんが大きな声をあげて、それに驚いたサーバルは飛び起きてしまった。
「どど、どうしたのかばんちゃん!?」
「さっきの黒いモヤモヤ、じゃんぐるちほーの方に逃げてったよね?」
かばんが早口で喋る。
「う、うんそうだけど…」
急な大声と質問で理解の追い付いていないサーバルは噛みながら答えた。
「じゃんぐるちほーのフレンズさん達が危ない…」
「あっ!」
サーバルも事の重大さに気付いた。
「どどと、どうしようサーバルちゃん!じゃんぐるちほーのフレンズさんたちまで同じ目に遭ってたら…」
慌てるな。落ち着いて考えろ。
かばんは自分にそういい聞かせながら必死に脳を動かした。
「そうだラッキーさん。他のラッキービーストに、この事を広められませんか?」
「ソレガ…通信可能圏内ニ他ノラッキービーストガイナイミタイデ…」
「「えぇ!?」」
「と、とりあえず、ジャングルちほーのフレンズさんたちにこの事を知らせなきゃ。行くよサーバルちゃん。」
「う、うん!」
深まる謎…