物語の基本は、話の前と後で主人公に成長があったことを示すことにあります。
そして主人公との交流によるゲストキャラの心情変化が描かれると、更なる高評価に繋がります。
3~5話に「好き」という意見が多いのは、それが顕著に現れているからだと思われます。
【4話】
スナネコは登場時、好奇心旺盛ながら飽きっぽい性格として描かれます。
それが、かばん一行と共に過ごすことで
別れ際に「あなたたちと居ると飽きないからまた遊びましょ」
ーと言うまでに変化します。
※その補強としての解説パートでの落書き(美術監督:ゆっこさんの案)が芸細。
※最終話への伏線としても説得力ぅに一役買っています。
まずツチノコ。
下駄ストッパーの存在や言動から、何度かこの「遺跡」に出入りしていること。
用意周到に計画を立ててから行動する、という性格が窺えます。
かばんはそれを察して、行動を共にすることを提案しますが、一度は断られます。
この時の2人は計算外の異分子でしかないからです。
そこでサーバルが1話、2話そして4話前半で張られた伏線(ドジっ娘&トラブルメーカー)
を回収する行動でツチノコの気を引き、かばんが再度説得を試みます。
この時の かばんの食い下がり方には少し違和感を覚えますが、
ツチノコ視点でサーバルの「顔」を映すことで視聴者の意識を逸らすのが、なかなかの演出テクニックです。
最初は露骨に2人(特にサーバル)を厄介者扱いするツチノコですが、
共に行動・会話することで少しずつ軟化していく、というストーリー展開にも無理がありません。
遂には孤高のトレジャーハンター:ツチノコも
「今日は、良かった…機会があれば、またな」
と照れるまでになります。
そんな「典型的なツンデレキャラ」と思わせておいて、実は
「絶滅したと思われた『ヒト』と行動を共に出来た」ことを喜んでいたという
衝撃の事実が判明してエンディングに入ります。
このIQジェットコースターぶりが反響を呼び、
後にサーバル曲線と呼ばれる視聴者獲得に繋がるのは、また別のお話。
さすがにツチノコ動物解説パートは無いよなぁ→あるんかい! の流れは草。
(緩和→緊張→緩和という感情ジェットコースターも本作の特徴です)
そして、UMAの研究者や民俗学者というガチ勢ではなく、
民間経営資料館を経営する「普通のおじさん」が紹介するというのも、とても けもフレらしいと思います。