巨峰・アーリア
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2019/04/30 (火) 21:15:44
数分して、キュルルはようやく泣き止んだ
「…ごめんなさい」
「ちょっとアンタ、何があったのよ?さっき言ってた、お…ナントカって何よ?」
「えっ、何か言ってた?」
「はぁ!?アンタ、さっき自分で言ったんじゃない!」
「無意識のうちに言ってたのかなぁ…?私もあんまりよく聞き取れなかった」
今度はカラカルがキュルルの肩を掴み、前後に激しく揺らす
「というか!なんで泣いてたのよ、教えなさい!」
「え、えーっとぉ…なんか、懐かしい感じの女性、かばんさんよりもっと大きい人が出てきて…それで…」
「それでっ!?」
「……あとはよく覚えてないけど、その人にかばんさんに面影を感じて……なんだか泣きたくなっちゃって……」
その言葉を聞いた瞬間、かばんはハッとした
「ハァ!?どういうことよそれ、意味わかんないじゃない!」
「ボクにもよくわかんないんだって!」
いつものような2人のケンカを見て、かばんはホッとしていた
そこに、サーバルが呑気な顔をして帰ってきた
「たっだいまー!あれ、2人ともどうしたの?」
「ちょっとサーバル、この子が泣いてたのに気づかなかったの!?」
「博士たちが『もし思い出したら戻ってこい』とか、『自分が進みたい方へ行け』とか、よくわかんなくて寝ちゃってた!」
「まったくアンタは…」
この感じ、やっぱりサーバルだな
かばんは再び、懐かしさを噛み締めた
「じゃあ、私たち行くね!」
「行く当てはあるのですか?」
「特にないけど…まず、ボクたちが行ったことのない場所に行こうと思うんだ!」
「レールの方でも、ホテルの方でもないとすれば……ここから北上するのですね」
「ま、そういうことね」
別れの雰囲気が辺りを包む
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