けものフレンズBBS NEO

巣立ち~A moment of eternity~ / 8

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巨峰・アーリア 2019/04/29 (月) 21:10:20

突然呼ばれたキュルルは、咄嗟に姿勢を正した

「この先もいろんなことがあると思う。時には辛いことや、悲しいことだってある。でも、そんなときはいつでもここに来てね」

「かばんさん…」

「自分が役に立てるような場所や、やりたいことが見つかったら、それを目一杯楽しんで!そこでも、君のことを助けてくれる人は必ずいるから」

「はい…」

キュルルの肩をしっかり掴んだ

「君はきっと、大丈夫」

「!!」
 
 

キュルルの脳裏に、1人のヒトの姿が現れた
顔はよく見えないが、とても暖かな表情をしていた

「1人で行けるようになるなんて、こんなに早く成長するとは思わなかったわ」

自分にとって、とても聞き慣れた声が響く
立て続けに、今度は自分の声も聞こえる

「うん!パークにはね、たーくさんのフレンズがいるんだ!だから、1人でも怖くないよ!」

「そうよね…ちょっと心…しすぎかし…だって、あなたは……自慢の…………ですもの…」

声がだんだんと途切れ途切れになっていき、視界も暗くなっていく
薄れゆく意識の中、肩を掴んでくる感触だけ感じることができた

「あなたはきっと、大丈夫」
 
 
 
「!!」

「ちょっと、聞いてるのキュルル?」

「もしかして、気分悪くなっちゃった?」

キュルルの頬に、一筋の涙が走る

「……ぁさん…」

「え?」

聞き直す前に、キュルルはかばんの胸に吸い込まれた

「おふぁあふぁん!」

「えっ、どうしたの!?今なんて言ったの?」

「ちょ、アンタ泣いてるの!?何があったのよ?」

キュルルはかばんの懐で、涙を流し続けている

「もしかして、肩叩かれたの痛かった?そんなに強くした覚えないけど……」

『キュルル、大丈夫?ドコカ痛ムナラ教エテネ』

「ラッキーさんまで心配してるじゃない!ねぇ、何があったのか教えてよ!」

キュルルは泣き続けたまま、首を横に振った

「大丈夫、大丈夫だよ」

かばんは優しく、彼女の髪を撫で続けた

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