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巣立ち~A moment of eternity~ / 6

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巨峰・アーリア 2019/04/27 (土) 23:02:02

「あの……その…」

キュルルは少し照れ臭そうに、目線を外してして言った

「どうしたの?」

「かばんさんは、どうしてそんなに…心が強くなれたんですか?」

「心?」

「ボク、かばんさんみたいに強い心を持ったヒトになりたいんです!いつもサーバルやカラカルに頼りきりだし、臆病だし…」

彼女の見た目相応の子供っぽさをした、キラキラと輝いた目になっていた

「え、えー……十分強いと思うよ?もし私が描いた絵からセルリアンが出てくるって知ったら、ショックで3日は寝込むなぁ…」

「そ、そうですか……」

「あ、キュルルが鈍感だとか、そういう意味じゃないからね!」

「い、いえ…はい、気にしてないです」

「ふふっ…君って意外と、昔の私と似てるかもしれない」

「本当ですか?」

「うん。私も小さな頃、いろんな事が……」

会話の花が満開になったところで、急に扉を開ける音が割り込む
体の半分だけを部屋の中に覗かせる

「…声が大きいのです」

「あっ、博士…ごめん、寝てた?」

「私は夜行性だから問題ないのですが…2人は昼行性、早く寝ることを勧めるですよ」

コノハはキュルルの方をじっと見る

「そうだね。もしサーバルたちが起きたら心配するだろうし、早く部屋に戻ったほうがいいよ」

「わかりました。かばんさん、ありがとうございました」

キュルルは部屋を後にし、寝室の方へ向かって歩いて行った

彼女が角を曲がって、声が届かなくなったであろう位置に行ったところで、コノハはかばんに向き直った

「かばんは、辛くはないのですか?」

「え、私?もう寝るつもりだけど?」

「違うのです。かばんはサーバルのことを……」

「聞いてたんだ…音を立てずに近付くのは造作もない、だっけ?もしかして部屋に入ってきたのも狙って?」

コノハは少し焦った口調で言う

「かばんは、本当にそれでいいのですか?」

「いいの!私、もう大丈夫だから」

「またそうやって嘘を…」

「嘘じゃないって、きっと今のサーバルの幸せは、あの子たちと思い出をたくさん作ることだから。それに、サーバルはいつだって」

かばんは自分の胸に手を当てる

「ちゃんと、ここにいるから」

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