早希は決断をした。
早希「P-84を発令して。大至急各エリアの施設にも情報を。」
P-84とは緊急避難勧告を現す単語である。オペレーターや従業員はすぐさま電話機などをとって行動に移した。
パーク内アナウンス「お知らせします。こちらはジャパリワールド保安局です。ただいまパーク内にて重大な事故が発生しました。お客様には大変申し訳ありませんが各エリアに避難場所を設けていますのでそちらに避難してください。繰り返しお知らせします。ただいま····」
それを聞いた観光客はざわざわし始めた。
一方その頃翔大と成富はツアーを楽しんでいた。
ラッキーナビ「あそこにいるのはマレーバグだね。白黒模様が特徴でその白黒模様を活かして夜は敵に見つかりにくいんだ。」
翔大「へ~。」
成富「白黒のパンダトレノみたいだね。」
ピーピーピー!!なにかが鳴った。二人はナビを見た。
ラッキーナビ「ただいまパーク内にて重大な事故が発生した為.全ツアービークルは停車場に引き返してください。(繰り返し音声)」
それを聞いた瞬間に翔大はナビの電源を切ってドライビング設定をオートから手動にした。
成富「ちょっと?!何しているの?!」
翔大「大人しく帰ったって楽しく無いじゃん。だからまだまだ探索しようぜ。」
成富「あ、ああ····」
翔大はエクスプローラーを運転して荒野を走った。辺りにはフレンズも普通の動物も居なかった。
それからしばらく
翔大「あれ···?誰も居ねぇじゃねぇかよ。動物もフレンズも。」
成富「な、なぁ···そろそろ戻ろうぜ··?」
翔大「なに言ってんだお前。ビビってんのかw?」
成富「別にビビってねぇし···。」
しばらくオフロード道を走っていると前方にフレンズらしき者が見えた。
翔大「ほーら。頑張ればフレンズも見つけれる。」
成富「謎ィ。だけどそうだね···」
段々近づいて行ってみるとどうやら道の真ん中に立っているらしい。翔大は危ないなと思いクラクションを鳴らした。
そしてさらに近づいて行くとなにか様子が変だった。少し遠くからでも服に大量の切り傷と血がこびりついているのがはっきり見えた。
翔大「ちょっと.アイツなんかおかしくない?」
成富「お、おかしいね··。なんか服に付いているよ。」
そしてもうあと数センチでそのフレンズに近づこうとした瞬間。
タヌキ「来ちゃ駄目ェェエエ!!!この先行っちゃ駄目ェエ!!」
泣きながら血だらけで傷だらけのタヌキのフレンズがこっちに手を降っていた。
それを見て翔大は止まろうかなとブレーキパットに足を軽く乗せた瞬間。
タヌキの横から尖った何かが飛んできてタヌキの横腹にその尖った物が刺さった。
タヌキ「イヤァァァアア!!!」
それを見た二人は震えが止まらなくなった。翔大はすぐさまバックギアに入れて急いでアクセルを踏んでバックをした。そしてターンしようとして思いっきりアクセルギアに戻したとたんに失敗してエクスプローラーは木製のガードレールをリアから突き破り大きい段差に落ちて初めは垂直に一瞬立って天井から地面に着陸した。
翔大「い、痛ってぇ···でも骨は打撲してねぇ気がする····は!おい成富!大丈夫か?!」
成富「ああ、なんとかな。シートベルトのオカゲだ。」
二人は這いずりになって外に脱出した。そして自分達が落ちた段差を見るととても登って戻れる岩並じゃなかった。
成富「どうする?この岩並じゃ上に登れないし··って言うかさっきの場所には戻りたくないw。」
翔大「このまま木々の中を人が居る場所まで歩くしかないな。」
成富「(移動中も怖ぇえ···:心の声)」
二人は森の中を歩いて行った。