それから13分後
那智は早希に呼ばれた高いコンクリートの塀でおおわれている施設にやって来た。砂利の駐車場にランクルを停めて降りると早希が施設の入り口の前に立って待っていた。
早希「やぁやぁ,ずいぶんと早かったね~。」
那智「道路がすいていたからな。で、見てもらいたい物とは?」
早希「それは中に入ってから話すよ~。」
扉を開けて施設の中に入ると塀の中が見えるようにガラス貼りになっていた。中には何も居なくてただサバンナの木とサバンナの地面と草むらが配置されているだけだった。
早希「ここにフレンズが居るんだけど,中々顔を出さないんだよね~。」
那智「何故だ?」
早希「それは私にも分からないよ~。でもずーっと一人で育ってきたからね~。」
那智「どういう事だ?」
早希「この子は死骸とDNAで出来たフレンズで生まれた時は姉妹が2体居たんだけど、生まれてから1ヶ月もたたない内に病気で亡くなっちゃってそれからずっと一人で育ってきた。今は人間の12歳ぐらいの慎重に成長しているよ~。」
那智「気になったんだけど,死骸って何の?」
早希「'セーバル,の。」
それを聞いた瞬間.那智はあきれた。あの13年前のセルリアン暴動の事件で観光客やフレンズ達を救おうとセルリアンのボスと戦って決着をつけようとボスと共に自爆して暴動を静めたあのセーバルであった。
那智「なんでセーバルの死骸を使ったんだ···。アイツは13年前、あの事件でパークに居た人々やフレンズを救おうと自ら命を経ったんだぞ!それなのに,どうしてお前達は··。」
早希は黙り混んで瞼を一回閉じて話した。
早希「2年前私達の実験チームはエクストラサーバルを遥かに越えたフレンズを新たに生み出そうとしていた。その時期にこの島のサンドスター山の山頂付近で緑色の粉のような放射線物質が発見されてそれを鑑定してみると緑色の粉はセーバルの死骸の一部だった。私達はこの死骸の一部を使ってセーバルを再び復活させようと決めた。そして翌年にようやく完成し,誕生した。私達は姿がエクストラサーバルに似ている事からエクストラセーバルと名づけた。そして今に至るって事だよ。」
那智は小さい声でなるほど。っと返した。
那智「それで、餌はどうしてるんだ?」
早希は何かを合図するようにスタッフに手でモーションをした。すると上からフックでジャパリ饅頭が入ったカゴが下ろされて地面に置いた。
那智「ああいう風に餌をあげているのか?まるで危険動物みたいじゃないか。」
早希「あまり人慣れしていなくて攻撃をしてしまう事があるから人は入れないようにしている。」
那智「ふ~ん····。」
早希「あれ?センサーの反応が無い···おかしいな~···あ、ちょっと本部で詳しく見てくるから待っといてね。」
那智「あ、ああ··」
早希は施設を出て駐車場に停めていた自分のレンジローバーイヴォーグで本部のある方面へ向かった。
那智は出入口に爪の引っ掻いた跡があるのに気づきスタッフを二人呼んで塀の中に入った。