数分後 湖畔エリア
那智と早希が乗ったパジェロが湖畔エリアにやって来た。パジェロは未舗装のオフロード道を走っていった。
那智「本当にこの道で合っているのか?」
早希「ええ。間違いないはずだわ。」
那智「それにしてもさっきからフレンズや普通の動物さえも見ないな。」
早希「多分皆エクストラセーバルに怯えていいるんじゃないかしら。」
那智「やっぱりそうかな··。」
キィっ 早希がブレーキを踏んだ。
那智「どうした?」
早希「あれ見て。誰か倒れている。」
那智は前方を見た。よーく見てみるとフレンズが倒れていた。
那智「おい、フレンズが倒れているぞ。」
早希「動いている?」
那智「分から···ないな···」
早希「急ごう!」
二人はパジェロを降りて急いで駆け寄った。そのフレンズは田宮兄弟が見たあのタヌキだった。タヌキは目を閉じて口から血を流して倒れていた。
那智「おい!大丈夫か?!しっかりしろ!」
タヌキ「·····」
早希「遅かったんだわね····」
ゲッホゲッホ··· タヌキが気づいたようだ。
タヌキ「あ····飼育員····さんに····早希さん·····。どうも·····です。ゲッホゲッホ···」
早希「なにがあったのタヌキ···なぜそんな格好になってしまったの···?」
タヌキ「事のなり···を··話ます···。」
タヌキの話によるといつもどおり他のフレンズ達と会話をしたり遊んだりしていると突然エクストラセーバルが現れてフレンズ達を切り刻んだ。そして目の前で親友も刺されてタヌキだけ生き残った。タヌキは怯えながらもすぐにその場を逃げ出し林を越えて未舗装のオフロード道に出た。ちょうど向こう側から車が近づいてきたので大声で警告をした。その直後に横からエクストラセーバルの尖った物が飛んできて自分はその瞬間に気を失ったと言う事らしい。
タヌキ「ゲッホゲッホ···そういう···感じです··」
那智「エクストラセーバルの野郎·····」
早希「許せないわね···。」
タヌキ「そろそろ···時間が来た····よう··です。ありがとう····ございました·····」
那智「おい!頑張れよ!今救急車を呼ぶからな!」
タヌキ「もう···無理··なよ···(ガクつ)」
タヌキは息を引き取った。
早希「そ、そんな····(涙)」
那智「····早くエクストラセーバルを取っ捕まえよう。」
早希「うん···(涙)」
那智は木製ガードレールの方向を見た。すると一ヶ所壊れた跡があった。
那智「(あれ?ここ妙な壊れ方をしているな····何か落ちたのかな?)」
そう思いながら壊れた場所の下をなんとなく見てみた。
那智「(うーん?····なんだあれ?ちょっと角度を変えて見てみよう。)」
物体の横を見ると「ジャパリワールド」と英語で書いていて車種も分かった。エクスプローラーのツアービークルだ。
那智「おい!あったぞ!」
早希「何が··?」
那智「探していたツアービークルだよ!ひっくり返っている!」
早希も見てみた。
早希「本当だ!じゃあパジェロに乗って降りてみようか。」
二人は再びパジェロに乗って壊れた場所までやって来てそのまま段差を降りた。衝撃でリアの右側の窓ガラスが割れた。そしてパジェロから降りた。
那智は横転したエクスプローラーの中を見る。中には誰も居なくてスマホが落ちていた。
那智「中には誰も居なかったけどスマホが落ちていたぞ。」
早希「···そのスマホどこかで······あ!翔大の物にそっくりだ?!」
那智「まさかその翔大って奴がこれに乗車していたのか?」
早希「そうかもしれない···だとしたら急がないと!もしかしたらこの森をさまよっているかもしれない!」
那智「でもこの先.車じゃ無理だぜ···。」
早希「歩いて行くわよ。」
那智「分かった··。」