食堂の扉ががらりと開き、食堂にひろがる静寂を断ち切ったのは窮奇だ
窮奇「教えてやるがいい、ぎんぎつねよ。」
ぎんぎつね「窮奇さん、でも・・・」
窮奇「もしお前がここで教えなかったとしても、こやつらは自力で探し出して向かうだろうよ。そういう目をしている」
ぎんぎつね「そ、それは・・・・」
グリフォン「頼むっ!」
ぎんぎつね「ううっ・・・わかったわよ!でも、本当に無茶はしないでね?」
グリフォン「ああ・・・」
グリフォン(そうはいかないだろうけどな・・・)
ぎんぎつね「・・・この温泉を裏口から出ると、丁度正面の位置にこのへんで一番高い山が見えるわ。その山を越えると奇妙な赤い棒(鉄塔)が二つ見えてくるはずよ。その2本の棒の間を目指せば・・・」
グリフォン「一番高い山・・・赤い棒の間・・・よし、わかった。」
グリフォンはぎんぎつねの手を強く握り感謝する
グリフォン「色々世話になった。温泉も、飯も、あんたも・・・ありがとう」
ぎんぎつね「ちょ、ちょっと!別にそんなつもりじゃないわよ!もう・・・」
ヒポグリフ「あの…あなたも一緒に来てくれませんか?」
窮奇「力になってやりたい所ではあるが、私は仮にも真西方守護者・・・あまりうろうろしているわけにもいかんのだ。」
ハクトウワシ「温泉にはよく来るのにかい?」
ぎんぎつね「昨日も来てくれたんですよね~」
窮奇「ま、まぁ色々事情があるのだ。実はこれでも色々忙しい身でな。」
ヒポグリフ「・・・そうですか・・・」
窮奇「そう塞ぐな。いいものをやろう」
窮奇はそういうと胸元に手をつっこみごそごそと弄り、小さな青い石を取り出してヒポグリフに投げた
窮奇「ホレ、受け取れ。」
ヒポグリフ「わっ・・・とと。・・・この石は何?」
窮奇「美しい石だろう。「ターコイズ」という石だ。それは邪気を振り払う勇気の石・・・お前達の行く先で、どうしても辛くなったらこの石を強く握って私の名を叫べ」
ヒポグリフ「叫ぶとどうなるの・・・?」
窮奇「・・・さぁて、どうなるかね。」