[けもフレの完全私的ネタ短編集]2
「おはよー。」
ジャパリパークの目覚めのいい朝。
保安調査隊の隊長である
「「「……???」」」
しかし、ドール、ミーアキャット、マイルカの3人は目を丸くして長米を見つめる。
「あれ?顔に何かついてる?それとも寝ぐせ?」
長米は自分の髪の毛を触る。
「……誰ですか?」
「へ?」
ドールが訳のわからないことを聞いてきたので、長米は思わず変な声を出してしまった。
「誰って……俺だよ俺!保安調査隊の隊長の長米……」
「保安調査隊の隊長の長米……?ドール、もしかして貴方、勝手に……」
「いやいやいや、まさかそんな、さすがの私でもそんなことしないですよ!」
「じゃぁこのヒトは誰なの?」
「もしや、最近噂の密猟者...」
「そ、そんなのただの噂ですの!」
「と、とりあえずミライさんを……」
「あのー……3人ともどうしたの?」
目の前で急に焦ったりこの人呼ばわりし始めた3人に恐る恐る話しかける。
「ふぁっ!?誰ですか貴方は!」
騒がしい声が聞こえてリビングに来たミライは長米を見るなり悲鳴を上げた。
「えええ!?誰って俺ですよ!隊長の長米新隊ですよ!」
「近づくなこの不審者!さてはフレンズさんにあんなことやこんなことをするつもりなんでしょう!そんなことはさせませんよ!フレンズさんの耳とお尻は私のモノですから!」
そう叫びながらスリッパをかまえる。
「みんなしてなんなんだ……もしかしてドッキリか?ドッキリなら早くネタバラシを……」
「さっきから隊長だのドッキリだの、何を訳の分からないことを言ってるですの!まだ保安調査隊の隊長は募集してないし、そもそもまだオープン前ですの!」
ミーアキャットが怒鳴った。
「ええ!?ミーア先生まで何を……マイルカ、これはドッキリだよな?だとしたらかなりキツいぞ。」
「え?え?え?え?」
マイルカは困惑した表情で目を泳がしている。
「マイルカさんに近づくなー!」
スパーンと爽快な音がリビングに響く
「いたっ!ちょ、ミライさんまで何やってるんですか!?」
頭をスリッパで叩かれた長米は頭頂部を押えてうずくまる。
「うるさい不審者!ジャパリ警察に突き出してやる!」
「この男を取り押さえるですの!」
「了解!」
「わっふい!」
「えっ、ちょっ!?」
長米はドール、ミーアキャット、マイルカ、ミライの4人に取り押さえられてしまった。
『速報です。今朝、ジャパリパークに自称パーク職員の年齢住所不詳、
「なにこれチョーウケる」
「なんでもフレンズを襲おうと不法侵入したらしいよー」
「まだオープンまで1年もあるのにね。バレないとでも思ってたのかなw」
とある高校の教室で、スマホでニュース速報を観た女子たちが会話をしている。
「ちょっと待って、長米新隊って、アイツの名前と同じじゃんw」
「ほんとだー!そういえばアイツ、高校出たら保安調査隊の隊長になるっていってたよねw」
「すっごい偶然だね、ハハハ」
その”アイツ”というのは、将来保安調査隊の隊長になる夢をもつ一人の青年であった。
「お前、今朝のニュース観た?名前がお前と同じだったぞwwww」
席に座るその青年、
「観たよ観たよ。まったく、朝からずっと家族からも笑われてさんざんだよ。」
長米はため息をつく。
「まーまー。これも何かの縁。午後にジャパリパークから警察署まで護送されるらしいし、放課後に見に行こうぜw」
「別にいいけど……」
(なんだかおもしろそうだな)
内心ワクワクしながら、長米は授業の用意をし始めた。
―――――――――
「今のお気持ちを!」
「どうして勝手に侵入したんですか!?」
長米容疑者(自称隊長)は、護送用のワゴンに乗るためにジャパリパークの入り口から出た途端、マスコミに囲まれてしまった。
「はいはい近づきすぎ!邪魔だよ邪魔!」
護送警官がマスコミを押しのけながら進む。
(どうしてこんなことに……俺は本当に隊長なんだよ!)
心の中で長米容疑者は嘆く。
すると、顔を上げた長米容疑者の視界の端に、一人の青年の顔が見えた。
(あれは……俺!?)
思わず二度見した長米容疑者は、もう一回その青年の顔を凝視した。
やはり自分の顔だ。
(一体どういうことだ!?)
「ちんたらしてないではよ乗らんかい。」
警官に蹴飛ばされた長米容疑者は、その答えを探ることもできずワゴンの中に押し込まれた。
―――――――――
「……お前の顔にそっくりだったな。」
「うん……」
「名前も顔の同じとか、すげぇ偶然だなw さーて、面白いもんみたし帰るか。」
「う、うん」
長米は変な胸騒ぎに違和感を覚えながらも、護送される長米容疑者の乗ったワゴンを横目で見ながらその場を後にした。
そして1年後
無事高校を卒業した長米は、晴れて保安調査隊の隊長に抜擢された。
隊員のフレンズ、ドール、ミーアキャット、マイルカやそのほか沢山のフレンズと交友を深め、幸せな日を送った。
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……あの日までは。
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ある朝、長米は自分の部屋から空のコップを片手に部屋着姿でリビングに顔を出した。
「おはよー。」
「「「……???」」」
しかし、ドール、ミーアキャット、マイルカの3人は目を丸くして長米を見つめる。
「あれ?顔に何かついてる?それとも寝ぐせ?」
長米は自分の髪の毛を触る。
「……誰ですか?」
「へ?」
長米改め長米容疑者は、ドールの言葉に思わず変な声を出してしまった。