[アルノツト報告]
朝8時から歩き続けて、だいたい4時間ぐらい。腹も減ったし少し疲れたのでキャンプ地まで昼間休憩をとってもう一度探しに出かけた。
昼休憩から2時間、ビーストを探していると、後ろから足音が聞こえてくるので振り返ると後ろにいるのはヒグマだった。
いや、確かにヒグマだが、何かおかしいぞ?目がやけに光ってるし、身なりも...
ヒグマ
「ウォァァァァァァァァア!」
キュウセン
「なッ、あいつがビーストだってのか!?」
疑問も浮かんだがそんなこと考えず、逃げて逃げて逃げた。だってヒグマが全速力で追いかけてくるからね!
逃げ続けているといつの間まにか行き止まりになってしまった、壁でうまく宙返りをして後ろについて、あの例の物を投げた。
ヒグマ
「アァァァァァ....。」
バタッとおとをたてて倒れたかと思えばなんか寝始めていたので仕方なく起きるまで待った。多分ビーストはこのヒグマで間違いないだろう。そういえば最近リカオンからヒグマがいないとの情報があったので報告を聞いたがこのことだったのか。
とりあえず安全な場所へ避難させ様子を見ていると、一時間後に飛び起きたかと思えば、何か話し始めた。
ヒグマ
「.......ぁ...た。」
最初はかすれた声で聞き取りにくかったが、そのあとヒグマが大きな声で言った。
ヒグマ
「お前、なぜそうするのだ!」
大きな声でとにかくびっくりしたし、なんか意味も分からなかったので、冗談でこう言った。
キュウセン
「ヒグマ、君はいつになったらビースト化が解けるんだい?」
ヒグマ
「え、ってあんただれ!?」
キュウセン
「えぇ...。なんだよ俺のこと覚えてねえのか。」
たしか前の顔合わせで一言挨拶をした気がするのに覚えてもらえなかったらしい。
キュウセン
「俺の名はキュウセンだ。以前会ったはずなんだけど?」
ヒグマ
「え?そうだっけ?」
おいおいおいおーい。なんだよそれ。と思ったけど、以前あいつ(カメラ)からこんな話を聞いた。
『ビースト化したフレンズは、その当時(ビースト化しているとき)の記憶はなくなってしまう。』
たぶんビースト化したヒグマは俺や新人とあってからの記憶がごっそりなくなっているということだと考えた。
キュウセン
「君、一人で帰れるか?」
ヒグマ
「...立ち上がることができないんだ。足がなぜが筋肉痛で動かない。」
キュウセン
「えぇ...。(二回目)」
キュウセンの心
(寝たはずなのになんで回復しねえんだよ)
ヒグマ
「えぇ...って言うな!」
なんか回復を待って帰るのも長そうだし、そろそろ夕方なので昼休憩をしたキャンプ地までヒグマをおぶって帰ることにした。
~キャンプ地まで向かう途中~
おぶって一時間、カメラに話という名の報告をしていた。
カメラ
「...でヒグマをおぶっていると。」
キュウセン
「ああ。どうやら記憶が少しないようで。」
カメラ
「そうか。くれぐれもしっかり安全に帰るんだぞ。」
キュウセン
「じゃあ終話します。」
カメラ
「はーい。終話了解。」
そうして走っているとヒグマが話しかけてきた。
ヒグマ
「あんたっていつもこんなことしてるのか?」
キュウセン
「君もそうだろ、俺は一日で北から南まで走ったこともある。」
ヒグマ
「わたしはそんなに移動しないけど。」
キュウセン
「まあ、俺は走りなれてないと君みたいな歩けない子をおぶって移動させることができないから。」
ヒグマ
「ああ。」
とりあえずキャンプ地に帰ってヒグマを寝かせてから俺は眠りにつくことにした。