[アルノツト報告]
ロム
「わたs...いやもう僕でいいわよね?」
カメラ
「お前ボクっ娘だったっけ?」
ロム
「小さい頃はウチだったけど今は僕なの!別にいいでしょ。」
カメラ
「あ、あぁ。」
(ロムってあんなやつだっけか?)
と心の中で思いつつ、海谷君の研究所、生物科学研究所に戻った。
僕らが帰ってくると、海谷君はびっくりした顔でまじまじとロムを見ていた。
海谷君
「え、ロム?なんでここに??」
ロム
「話せば長くなるわ。」
カメラ
「ロムの分の寝床あるかな?」
海谷君
「あー今はない。どーすんの?」
カメラ
「とりあえず自分の研究室にでも泊まらせるよ。」
そう言った後に海谷君に外へ出ると言い、外にある研究所第二棟の宇宙観測研究室兼僕カメラの部屋にロムを連れてきた。
カメラ
「ようこそ。僕の研究室へ。」
ロム
「ここは宇宙観測でもするのか?」
カメラ
「ああそうさ。」
あることを聞くため、ロムに話を振った。
カメラ
「なあロム、お前、今の外の状態ってどうだ?」
ロム
「そうね...外の世界では今疫病が流行ってて、僕はその前に出たからいいけど大変なのよ。」
カメラ
「君の両親や姉妹は?」
ロム
「あんな馬鹿に構ってられないし、僕があの野郎のところに今行ったらいろんな意味でものを欲しがるやつになっちゃうからもう知らないわ。」
カメラ
「へー。たしかに君んとこの家族は昔っからクズだし、やばいやつだったからそういうやつらに離れたのは今の君には好都合ってことか。」
そう言いつつ、夜の空にある星雲を巨大な天体望遠鏡で探した。
ロム
「あんた、一体何やってんのよ?」
カメラ
「オリオン座星雲探してる。」
オリオン座星雲というのは名の通りオリオン座の中央の三つ星が並んだところの近くにある星雲。山とかに行けば肉眼でも確認可能な星雲。オリオン座はたくさんの生まれたばかりの星たちがその星雲の中に存在し、その集団のことをトラペジウムという。
カメラ
「とりあえずこれ見てみて。」
ロム
「これかい?ええとこう見ればいいのよね?」
カメラ
「そうだよー。」
ロム
「おぉ。これは綺麗ね。」
カメラ
「星雲の中にあるトラペジウムも確認できるだろ?」
ロム
「ええ、見えるわ。」
ロムとは小さい頃から星空をずっとみていた。
ロムは小さい頃に僕が星と惑星観察を夜空のもとしていたときにたまたま出会った子で、ロムも宇宙が好きということで意気投合し、7歳まではとても親しかったが、自分が8歳になってから見かけなくなり、自然に僕はどこかへ行ってしまったのかと思っていた。
彼女にはまだ色々と話しておくことがあるが、また今度にしよう。
3月16日 カメラ記