サーバル
「やっぱり無いよぉ?」
埃っぽい物置きに目ぼしいものはなかった。
ただ、リフトがあったと思われる場所にだけ、キレイな型が残されていた。
ボス
「ごめんネ」
サーバル
「ボスのせいじゃないよ」
かばん
「そうですよ。
他を当たりましょう」
ボス
「それなら・・・」
かばん
(最近、開けた跡がある。 一体 誰が…?)
ボス
「アライさんとフェネックが持ってきてくれたヨ」
かばん
「え…?」
かばんが振り向くと、そこには『ばすてき』に乗ったアラフェネが出現していた。
かばん
「え・・・ どうして…?」
サーバル
「もう、2人とも・・・
心配したんだよぉ! どこに行ってたの!?」
13.0話で海を渡り、ごこくちほーを旅していた一行は、セルリアンに襲われた。
囮役を買って出た2人だったが崖に追い詰められ、
水陸両用に改造されていた『ばすてき』もろとも落ちてしまったのだった。
当然かばんたちは崖の下を捜索したが、2人の姿は忽然と消えていた。
なぜかボスは『大丈夫だ』と請け合っていたが・・・
フェネック
「そんなつもりは無かったんだけど、
『BSTK(Back Skip The Kyuwa 9話に戻る)』をしちゃってね~」
かばん
「どうしてそんなとこに…」
サーバル
「よく私たちがココに居るって分かったね」
アライ
「そこにはTATSU鬼監督が待ち構えていて、台本を渡されたのだ」
かばん
「脚本の人そこまで考えていたんでしょうか?」
フェネック
「いや~ 途中から追加と変更が相次いで、かなり膨らんだみたいだよ~」
サーバル
「・・・メタいよぉ…」
フェネック
「長くなるから割愛するけど~」
かばん
「
フェネック
「9話のボスがキャタピラを出してきた物置きで、スペアまんまるをゲットして~」
ボス
「ああ、あの時ノ・・・」
フェネック
「雪山に登って~」
アライ
「雪崩とセルリアンに巻き込まれそうになりながら滑落したらワープポイントが出現して・・・
たった今『BSTK(Back Skip The Kouzan こうざんに戻る)』したところなのだ」
サーバル
「よく分かんないけど・・・
とにかく2人が無事で良かったよ」
アライ
「ふははは! アライさんは不滅なのだ!」
アラフェネの2人は、ゆきやまちほーでゲットした『まんまる』を手渡した。
かばん
「ありがとうございます。
でも本当に心配したんですよ」
ボス
「ボクもお礼を言いたかったんダ。 あの時…」
フェネック
「なんのことかな~?」
かばん
「ラッキーさんに聞きました。
こうざんでフェネックさんがベルトを緩めてくれたから・・・」
ボス
「ボディは失ったけど本体は無事デ・・・
こうやって3人での旅を続けられていられるんダ」
サーバル
「そうだったんだね。
ありがとう、フェネック」
フェネック
「一か八かの賭け、だったけどね~
でも歴史修正の対象にならなかったってことは、それが運命だったってことさ~」
ボス
「そうかもしれないネ」
フェネック
「いや~ それにしても、すっかりタイムトラベル癖が付いちゃったよね~」
アライ
「パークも何周したか分からないのだ」
フェネック
「あ、そうだ~ コレ、返すよ~
ずいぶん小さくなっちゃったけどね~」
そう言うと手の平サイズにまで短くなったロープの切れ端を差し出した。
かばん
「いえ、それはもうアラフェネさんたちのものです。
お二人の絆、じゃないですか」
ボス
「キミの縄だヨ」
フェネック
「それを言うなら『私たちの』だよ~」
ボス
「アワワワ…」
かばん
「1本取られましたね」
サーバル
「ロープだけにぃ?」
かばん
「あはは」
フェネック
「ふふ…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライ
「じゃあフェネック、そろそろ出発するのだ」
フェネック
「はいよ~」
かばん
「アライさん、フェネックさん・・・
これからどうするんですか?」
サーバル
「2人でなら なんでもたのしそー」
アライ
「行くあてなら 風まかせなのだ」
フェネック
「そうだね~
でも、それはまた『BSTK(Betsu-no Story The Kemono-friends)』
別の物語なんじゃないかな~」
~T.E. (The End Travel is Endless)~