ハシビロコウ「君が……かばん…?」
かばん「は…はい……!」
額に当たる銃が冷たい。
ツチノコ「で、何がしたいんだ?お前」
ハシビロコウ「裏町に入るかどうかの試験…」
かばん「し…試験!?一体どんな……」
強い眼差しは、僕の目に刺さりっぱなしだ。
ハシビロコウ「かばん、あなたに問う」
かばん「はい…」
ハシビロコウ「この状況、あなたならどう抜ける?」
かばん「どう抜けるって……実戦ですか…?」
ハシビロコウ「うん、本当に撃つから、なんとかしないと死んじゃうよ」
実際……?
実際!?
少しの静寂が続く
ツチノコ「おいおい!本当に撃ってどうする!?死んじまうぞ!!」
ハシビロコウ「これくらい避けれないと、すぐ死んじゃうよ。ここで死んだらここまで。私に殺される方がマシでしょ?」
ツチノコ「おいおい!それでも……」
かばん「ツチノコさん!!」
ツチノコ「へ?」
かばん「僕は大丈夫ですから……」
ハシビロコウ「フッ……」
ハシビロコウは微笑を浮かべる。
ハシビロコウ「じゃあ…これをどう回避する?」
僕は目を瞑り、深く呼吸する。
かばん「これ……【おもちゃ】ですよね……?」
ツチノコ「ファッ!?」
ハシビロコウ「!?」
二人は仰天する
ただ、同じ理由ではない。
ツチノコ「馬鹿!死ぬぞ!!」
ハシビロコウは鋭い目を丸くし
ハシビロコウ「……正解…」
ツチノコ「え?」
ハシビロコウはかばんに向けていた銃を上に向ける。
引き金を引くと、大きく「パァン!」と鳴った。
ハシビロコウ「音のなるだけの、ただのおもちゃ……普通に銃の形をしてたのに……なんでわかったの……?」
僕は鋭く、真っ直ぐな視線で言った。
かばん「あなた…元から殺す気なんてないですよね……?」
ツチノコ「はぁ?」
かばん「殺意を感じなかったんです。ただ…それだけ……」
ツチノコ「はぁぁ!?お前!それ……マジで言ってるの……?」
かばん「だってフレンズですよ!!初対面の人を殺すわけないでしょ!!」
ツチノコ「常識だからって、ここではそれ通りになると思うなよ!!」
ハシビロコウ「待って、ツチノコ」
ハシビロコウが、二人の口論を止める。
ハシビロコウ「かばん…?だったっけ?」
かばん「え…?はい……」
ハシビロコウ「わかったよ…ツチノコ、この子は変わり種みたい」
ツチノコ「おうよ、知ってたぜ」
ハシビロコウ「それに、私気に入ったよ…ここまでの命知らずは初めて」
かばん「ぼ…僕が命知らず……?」
ハシビロコウ「だって殺意もなにも……」
ハシビロコウはおもちゃを服に隠し、別の銃を取り出す。
そして、それを僕に向けて撃った。
ハシビロコウ「殺すつもりではあったからね…」
その弾は僕の頰をかする。
かばんの頰からは血が出て、まるで切られたかのようにしている。
かばん「痛いっ!……」
僕は頰を抑える。
ハシビロコウ「来て、絆創膏貼るから」
ハシビロコウは振り返り、歩き出す
かばん「え……?」
ハシビロコウはこっちを振り向き
ハシビロコウ「それと、これからよろしくね」
認めた…?
僕はハシビロコウを追いかけるかのように走り出した。
ツチノコ「俺のお役はなくなったか……」
僕たちが来た方向に向かい、ツチノコは歩き出す。
・
・
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ツチノコ「ってことだ。かばんは修行に行ったんだよ」
サンド「なに勝手なことやってんだよ……」
ツチノコは、家の前で出くわしたサンドに真実を告げる。
サンド「と、言いたいが……正直助かったよ……」
ツチノコ「え?助かったの……?俺はてっきり怒られるのかと……」
サンドは頭をかきむしり
サンド「何より、今は仲間が必要だ。かばんも戦力外に等しいわけだし、少しでも戦力になるなら全く問題ないと思う。ただ……」
ツチノコ「ただ?」
サンド「サーバルにどう伝えたらいいか…少し不安でね……」
サンドは手をポケットに突っ込み、暗闇の空を見る。
サンド「何より、数時間も歩いてやり遂げてくれ、本当にありがとうな。後々考えるよ」
ツチノコ「そうか……」
サンドはツチノコと共に家に帰っていった
これから、僕と、そしてサーバル達と二つの視点での物語が始まる。
新たに加わる仲間には、天使に妖精、金に目のないクズまでいた。
それは、まだミライの話である。
全てはアークを倒すため。
地球を守るためにある。
僕たちフレンズが「希望」であると、そう信じて
アーク「アライグマにフェネック……つまらない成長をしたなぁ……そして、掴めたぞ……!かばん!お前の野心!!」
そして、僕の野心が爆発するのもミライの話
だが、そう遠くない。
暗闇のビルの上、ニヤつくアークに気づかない僕を、まるで嘲笑うようにアークは楽しそうだった。
11月21日、僕は眠いので寝ます。
夜は遅い。
・
第21話へ続く……
とまと「次回のアナサーは、なんとここでは載せられません」
プリンセス「え!?どうしてよ!」
ジェーン「まさか…性的な描写が……」
イワビー「そんなまさかね」
とまと「ご名答ジェーン、過激な表現を多用してるため、ここには載せられないんだ」
フルル「注意とか受けたのー?」
ジェーン「受けたとかじゃなくて、怖くて逃げたんですよ…!」
プリンセス「本当に大丈夫かしら……」
コウテイ「次回、カクヨム限定公開〈私がやりました〉えー…アライグマとフェネックのファンは読まないほうがいいそうだぞ」
イワビー「二人になにさせてるんだよ!!」
👍
ありがとうございます!