【未来のぼうし】
[最終話] ~Bパート《未来へ》-2~
<2020年4月19日(日)>
私は久しぶりに ひらかたパークへ足を運んだ。
自分の関わった作品のイベントがあったからだ。
「野菜戦隊 ベジレンジャー」
いわゆる着ぐるみショーだ。
私は本格的に作家活動を始めることにし、その準備に2019年のほとんどを費やした。
(マドンナの作詞も手掛けてはいたが・・・)
そして2020年2月から放送される戦隊モノの
メインは、
害獣と呼ばれる怪物を使役して地球を侵略しようとする組織「アニマルーン」VS.
野菜の平和を守るために闘う戦士たちの物語だ。
もちろん それだけではなく、
ある事件がもとで、メンバーだった「セロレンジャー」がチーム内で疎外感を覚え闇堕ちしたり、
それに責任を感じたリーダーまで抜け、一度はチームが解散した過去があったりする。
つまり現在活動しているベジレンジャーは2代目だった・・・
そういう人間ドラマもあったりする。
そしてスタッフと揉めたり、意見を戦わせ、なんとか説き伏せ・・・
敵・味方なく地球を救うために共闘し、共存を目指す。
そういうラストを用意している。
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ん?
なんだろう?
正面ゲート前には いつも以上に人が多く、異様な熱気も感じる。
チケットを買って中に入った途端、大勢の人に囲まれ写メで撮られた。
斜め前にはTVカメラまでスタンバっている。
???「おめでとうございます!」
未来「???」
スタッフに そう声を掛けられる。
ーと人混みを掻き分けてパーク長のかばんちゃんとサーバルちゃんが、花束を持って登場する。
フラッシュが眩しい。
かばん「来場者10万人目です。 まさかミライs… 未来さんだとは思いませんでしたよ」
サーバル「これもあげるね」
かばんちゃんから花束を、サーバルちゃんからはラッキービースト人形(意外と重い)を手渡された。
ラッキービーストは、某ネズミーマウスのような立ち位置の「パークのメインキャラ」だ。
津田「え? お知り合いの方ですか?」
横からリポーターが口を出す。
かばん「作家の未来さんですよ。 ああ、例のイベントを観に来たんですね。 では後ほど...」
サーバル「待ってよ、かばんちゃん」
かばんちゃんは照れくさそうに足早に去っていき、サーバルちゃんも慌てて追いかけていった。
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