11時、あれから1時間が経った。
キンシコウ「ぐ……!がはぁ……!!」
首を強く掴まれ、それは簡単に持ち上がったとさ
アーク「意思がどうなろうが、サンスとの連絡がとれない状況であるなら、その意思も飾りだな」
ドサ……
キンシコウは地面に落とされ、横になったまま苦しんでいる。
ザッ……ザッ……
地面を強く踏みしめる音が聞こえる。
アークはその音のなる方へ顔を向けた。
アーク「君はくどいな、ヒグマ」
ヒグマ「生憎…それは何人にも言われたさ……はぁ…はぁ……イラつくなら殺せよ……!」
如意棒「馬鹿なやつだ……ヒグマ!!もうやめろ!」
クマデ「黙れ!如意棒!!」
如意棒「なんだ!?こんなの相手に勝てるとでも?」
クマデ「んなもん、終わってからしかわからねぇだろ!」
毒牙「ヒグマ……わしは心配じゃ……驚異のセリフの少なさと……この絶望感に…」
ヒグマ「まさか……死ぬのが怖いんじゃないんだろうな?」
アーク「ん?そうか、君は死んでもよかったんだね」
ヒグマ「勿論、さっきも殺せと言ったはずだ!」
アーク「まさか、そんなことはしないよ。殺すなら君を野生に返してからだ」
リカオン「残念ながら……毒牙、私はヒグマさんに同意です……」
ザッ……ザッ……
キンシコウ「如意棒、私は死んでも構いませんよ……」
ザッ……ザッ……
アーク「おお!立つか!」
ヒグマ「今まで、一度も倒れて終わったことがなくてね……リカオン以外」
ヒグマにキンシコウ、リカオンが立ち上がる。
何度も傷つき、ボロボロになっても弱音一つも吐かず、ご立派に立ち上がる。
力まない腕に力を入れ、武器をそれぞれ構える
アークは拍手する。
ニヤつきながら
アーク「ご立派。ただ、僕には勝てない」
ヒグマ「そんなことは今決めることじゃない!」
アーク「もっと楽しみたいなら、後ろを見ることをお勧めしよう」
ハンター「え…?」
一同は後ろを見た。
息切れをしながら、視界がぼやけながらも見えた。
ヒグマ「サンド!!??」
そう、そこにはサンドがいた。
サンド「よう、展開が早いじゃねぇか」
キンシコウ「何しに……?」
サンド「アークに喧嘩売ったって聞いてね、だから冥土の土産を持ってきたんだ。ほれっ!」
サンドは手に持っていた三つの輪っかを三人に投げつける。
三人はそれを受け取り、それが何か確認する。
リカオン「腕輪……?」
アーク「サンド!何のつもり?」
サンド「こいつら死ぬ気だろ?だから、死に際ぐらい輝かせてやろうと思ってね」
アーク「輝く……?まさか……」
サンド「ハンター!!腕輪をつけろ!!」
リカオン「え!?」
キンシコウ「だ…大丈夫ですよね!?」
サンド「ああ、勿論。奇跡を与えようじゃないか」
ヒグマ「ぐ……わかった!やってやる!」
ハンターたちが腕をつける。
サンド「生憎、俺はサンドスターなんでね」
腕輪をつけた瞬間、数々の星が飛び交い、ハンターの一人一人を包む。
サーバル「ジドさんから色々聞いて、急いで作ったんだ。サンドさん、ハンターのみんなを助けたいって……」
サンド「バカ、んなこと言うもんじゃねぇぞ」
強い風とともに、ハンターたちを包んでいた星は弾け、中からは服装がガラリと変わった…
ヒグマ「な……何じゃこりゃぁぁぁぁ!!!」
クマデ「すげぇ……ヒグマの性能がみるみる上がってく……これならいける!!」
キンシコウ「なんか……ピカピカの新車に乗っている気分です……」
如意棒「キンシコウ…お前免許持ってないだろ…」
リカオン「こ……これは一体……?」
毒牙「これが……真の【魔装】……!」
ハンター「へ?」
ハンターは皆、毒牙を見つめる。
毒牙「上級契約を達した者の中に稀にいる、魔具の力を自由自在に操る【スペルマスター】…略して【魔スター】……」
サンド「略称名ダッセェ……」
毒牙「魔スターのみが使える魔装術……【大魔装】!!まさか…ここで見られるとは……」
アーク「強化形態を用意した訳か、サンス」
サンドはフッと笑った。
サンド「その腕輪は無理矢理サンドスターを流し込む仕掛けになってるんだ。今の状態は普段の状態とはかけ離れた力を発揮する。これがジドの言っていた【スペック】に繋がったんだろうな」
サーバル「だから、夜な夜なジドさんの部屋に入ってたんだ…私、変なことしてると思っちゃったよぉ……」
サンド「なんちゅーこと思ってやがる」
ヒグマ「サンド……まさか…」
ヒグマがサンドを見つめる。
サンド「ヒグマ、あんたの野心は死ぬことか?死体になってニュースに報道されることか?それはあんたのもんだ。お前が今したい、最大の【野心】で動かしてみろ。サンドスターが奇跡をくれるぜ」
ヒグマ「…お前…本当にサンドスターらしいな…」
ハンターはゆっくりとアークの方を向く。
その姿はまるで戦隊物を見ている気分、背景にOPが流れてそうな……
まぁ、そうなるよね。
サンド「アーク、ここでタイトル詐欺は避けたぜ。見ろよ、【悪魔】と【奇跡】と【ハンター】が横に並んだ、どうだ読者」
とまと「どうだ!」
サーバル「誰?あなたは何のフレンズ?」
とまと「トマトです」
アーク「ただし、ピンク色だがな。サンド、君には聞きたいことが山ほどある」
サンド「さて、そなげな質問を聞く時間はあるかな?」
ヒグマの方に手を置いたサンドは、その手を強く前に押した。
サンド「行ってきな。ハンター」
ヒグマはサンドに対し、強く頷く。
クマデ「よっしゃ!行くぞぉ!!尼どもぉぉ!」
三人は強く走り出した。
キンシコウが如意棒を横に振りあげようとする。
アークはそれを見て、手で防ごうとした。
が、しかし
キンシコウ「今です!ヒグマさん!!!」
如意棒は伸び、アークを押す。
アークは上に押し上げられた。
ヒグマは飛び上がり、クマデを下から振り上げた。
アークはさらに押し上げられる。
アーク「くっ…!!ちょっと想定外だったか……が、この調子に乗ってやるのも悪くない!」
リカオン「調子に乗るのもこれで終わりですよ!!」
アーク「ありゃ?触手が動いてくれない…?」
ヒグマは翼を生やし、アークが落ちてくるのを待った。
クマデ「当たり前だ。お前も所詮はセルリアン!こっちはドクターを怯ませた毒牙いる!」
アークが目の前に来ると、ヒグマは思いっきりクマデを振り落とした。
ドン!!
落ちた後には大きなくぼみができている。
ヒグマ「毒をクマデの先に塗っていてね。あんたの行動は封じさせてもらった!」
アーク「そんなもの、いつ塗ったし…」
リカオン「あなたは少しは御都合主義を理解したほうがいいですよ」
アークは煙に包まれながら言う。
アーク「なら、これも御都合主義かい?」
煙の中から太い光線が出てきた。
さっき、アークが撃ったものと同じ
不意打ちのせいか、ヒグマが直に食らってしまう。
アーク「アークハンドはセルリアンじゃないからね…」
キンシコウ「ヒグマさん!」
リカオン「ヒグマ…さん…」
サンド「あちゃちゃ、これ大丈夫かな?」
サーバル「サンドさん!これって行った方が……」
キンシコウとリカオンはアークに向かって走り出した。
光線の横でサンドは何をしていたかと言うと…
スマホを見ていた。
サンド「サンドさん!そんなことしてる場合じゃないよぉ!」
サンド「いや待て、あと少しで助っ人が来る」
サーバル「なんのゲームしてるの!?」
サンド「3、2、1………」
サーバル「早く!!」
サンド「0!!」
サンドが叫んだ瞬間、光線が出していた騒音がピタリと止まる。
サーバルは光線が放たれていた方向を見る。
サーバル「な……なにこれ……」
光線はまるで凍ったかのように……いや、凍ったのか。
氷のようなものに包まれている。
すると、後ろから二つの強い光が飛んできた。
二つの光はアークに直撃し、アークは吹き飛ばされた。
その目の前にいた、キンシコウとリカオンの前に二人の人が現れる。
二人とも銀髪で、片方はマントをしていた。
耳が生え、尻尾も生えている。
サンド「時間ピッタシだな、相変わらず君たちは」
銀髪の二人は立ち上がり、
???「道中、変な奴にあって時間を取ってしまったが、問題なかったのだ…」
???「呼ばれたら来るさー、南極とエジプトからだから時間かかっちゃったけどねー」
アークは倒れながら言った。
アーク「君たちはいいところで来るんだな…アライグマ!フェネック!!」
アライグマ「あれ?もうネタバラシなのだ?」
フェネック「早々5話でもう明かされてたけどねー」
アークは立ち上がり
アーク「君たちは嫌いだ…」
キンシコウ「南極?エジプト!?てか、ヒグマさんは!!!???」
キンシコウとリカオンは後ろを見た。
すると、少し遠くにヒグマが空を飛んでるが見えた。
小さながらも、声が聞こえる。
ヒグマ「すごい!羽を生やしてないのに飛んでる!!」
キンシコウ「……はぇ?」
リカオン「なにをしたんですか……?」
リカオンはアライグマを見つめる。
サンド「アライグマ、また気まぐれで助けたのかい?」
アライグマ「気まぐれなんかじゃないのだ…これはアライさんの頭の良さなのだ。だってアライさんは……」
アライグマは足を大きく開き、体を前かがみして、左手は下に添え右手は横に
アライグマ「ミラクルスター!!アライさんなのだぁ!!!」
フェネック「並びにー、アイススター!!フェネックだよー」
アラフェネ「二人合わせて!!【銀髪のゴーレム】!!!」
二人とも、ビシッとポーズをとった。
後ろに爆破もエンブレムも出ないが、それはそれは大層なもので
アライグマ「この地球は!」
フェネック「私たちが守るよー」
日にちを跨ぎ、今日は11月20日
・
第17話へ続く……
とまと「次回のアナサーは!?」
イワビー「今回は展開が急だぜ……」
ジェーン「物語を進めるのが下手なのは今に始まった事じゃないですよ」
コウテイ「それにしても、今回は特にひどいな…」
とまと「それ以上言うのはやめて、マゾみたいになるから」
フルル「だけどさー、まんざらでもないよねー」
プリンセス「うわ…キモ……」
とまと「いやいや!そんな事は!ちょっと言って欲しいところはあるけど……」
イワビー「次回!〈奇跡の野心〉お楽しみにー!」
コウテイ「次回はまともになってほしいものだ…」
👍
🙇♂️
真の魔装…だと…!?
アライさんとフェネックも加わって無敵の布陣なのだ!
更新がんばって👍
ありがとうございます!!